9/23(金・祝)公開!映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』香取慎吾さん×井之脇 海さん【スペシャル対談】

(左から)映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』出演の香取慎吾さん、井之脇 海さん
(左から)映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』出演の香取慎吾さん、井之脇 海さん

俳優・アーティストとしてご活躍の香取慎吾さんが主演する映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』が2022年9月23日(金・祝)に公開。香取さんにとって「新しい地図」として活動を開始してから3作目となる映画主演で、本作では平凡で情けないダメな夫を熱演されています。

今回は、勤務先の部下役で共演された俳優・井之脇 海さんとのスペシャル対談の【後編】をお届けします(前編記事のリンクは記事末にあります)。映画に登場するSNSでの書き込みについて、お二人ならではのマイルールとは?さらに、今後の目標についても伺いました。

香取慎吾さん
俳優・アーティスト
1977 年1 月31 日生まれ、神奈川県出身。91 年にCD デビュー。主なドラマ出演に、「新選組!」(04 年/NHK)、「西遊記」(06 年/フジテレビ)などがある。主な映画出演は、『THE 有頂天ホテル』(06 年/三谷幸喜監督)、『西遊記』(07 年/澤田鎌作監督)、『ザ・マジックアワー』(08 年/三谷幸喜監督)、『座頭市 THE LAST』(10 年/阪本順治監督)、『こちら葛飾区亀有公演前派出所THE MOVIE~勝鬨橋を封鎖せよ!〜』(11 年/川村泰祐監督)、『人類資金』(13 年/阪本順治監督)、『ギャラクシー街道』(15 年/三谷幸喜監督)、2週間限定公開で話題となった『クソ野郎と美しき世界』(18 年/園子温監督・児玉裕一監督・太田光監督・山内ケンジ監督)など。日本財団パラリンピックサポートセンターのスペシャルサポーター、及び国際パラリンピック委員会特別親善大使に任命された他、祐真朋樹と共にディレクターを務める「JANTJE_ONTEMBAAR」を展開し、ルーヴル美術館で個展を開くなど、多岐にわたって活躍中。
井之脇 海さん
俳優
1995 年11 月24 日生まれ、神奈川県出身。2007 年『夕凪の街 桜の国』(佐々部清監督)で映画デビュー。08 年『トウキョウソナタ』(黒沢清監督)では、第82回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第23 回高崎映画祭新人俳優賞を受賞。18 年、監督・脚本・主演を務めた『3Words 言葉のいらない愛』がカンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナー部門に入選。近年の主な映画出演作に『砕け散るところを見せてあげる』(21 年/SABU 監督)、『Arc アーク』(21 年/石川慶監督)、『護られなかった者たちへ』(21 年/瀬々敬久監督)、『ONODA 一万夜を越えて』(21 年/アルチュール・アラリ監督)、『ミュジコフィリア』(21 年/谷口正晃監督)、『猫は逃げた』(22 年/今泉力哉監督)、『とんび』(22 年/瀬々敬久監督)がある。

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』

(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

~STORY~

ホームセンターに勤務する田村裕次郎(香取慎吾)と、コールセンターに勤める日和(岸井ゆきの)は結婚4年目の夫婦。表向きには仲良しだが、妻は鈍感な夫にイライラしっぱなし。積もりに積もったうっぷんを日々、SNSの投稿サイト【旦那デスノート】に吐き出すのが日課となっている。そこには妻たちの恐ろしい本音や、旦那たちが見たらゾッとするようなエグイ投稿がびっしり書き込まれていた。そしてある日、偶然にも裕次郎がその【旦那デスノート】の存在を知ってしまう!「これって俺のことか?」気になる投稿主のペンネームは「チャーリー」。日和と一緒に飼っているペットのフクロウの名前も、チャーリー ……。 夫婦ゲンカのゴングが、いま鳴り響く!!

香取慎吾さん×井之脇 海さん【スペシャル対談】~後編~

 

終始、和やかな雰囲気で行われた今回のスペシャル対談。全2回でお届けする今回の【後編】では、映画のなかでカギとなる、SNSの投稿サイト【旦那デスノート】にまつわるお話から伺いました。

(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

日ごろ溜まりに溜まった夫への不満を書きこめるWEBサイト【旦那デスノート】。映画で妻の日和が夫への不満を日々、投稿しているシーンが登場します。この【旦那デスノート】、実は実在している人気サイトで、登録されている会員数は1万人以上!この投稿を基にした書籍も出版されているほど。

この【旦那デスノート】の存在を偶然、知ってしまった夫・裕次郎(香取)。夜な夜な「妻が投稿した?」と思われる記述を見ては、不信感が募っていく様子が登場します。

SNSが普及する今、誰にでも起こりうる出来事だけあって、少なからず興味はありつつも、実際に書き込まれたらどうしよう…と恐怖に感じる部分も……。そこで今回、妻に不満をサイト上にぶちまけられた夫・裕次郎を演じられた香取さんに、SNSなどへの投稿について、日ごろどのように思われているのか、またお二人にSNSなどへの投稿についてマイルールがあるかも伺ってみました。

 

香取慎吾さん(以下敬称略)「僕は始める前は怖いものだと思ってましたが、いざやってみたらめちゃくちゃ楽しくて。今はTikTok、YouTube、Twitter、アメブロ、Instagramをやっています。YouTubeだけスタッフがいるけど、それ以外は全部、自己管理なんです。自分のタイミングで投稿していますが、ルールはお酒を飲み過ぎている時にはあまりしないということですね(笑)。
やってみて、SNSへのイメージはだいぶいい方向に変わりました。エゴサーチも日々していて、自分の仕事を、ファンの書き込みコメントで知ることがあります(笑)。ファンの方が一番、僕のことを知ってくれてるし、みんなが書きこんでくれてありがたいです」

 

井之脇 海さん(以下敬称略)「僕は公式インスタグラムだけで、プライベートでSNSをやってなくて、エゴサーチもしないです。母親がものすごい僕のファンなので、いい情報の時だけスクショが送られてくるんです(ここで香取さんが『へー、それはいいね』と相槌)。それだけ見られれば、まぁいいかなと思ってます(笑)」

映画に登場する【旦那デスノート】のように、SNSに匿名で日ごろのうっぷんを書き込むことで、ストレスを発散させる気持ちを理解できますか?と聞いてみると、それぞれの考えと、自身のストレス解消法も明かしてくださいました。

香取「僕は、自分でこれだけ全部(投稿を)やっているのでね……。気持ちは分からなくはないけど、何か偽った形でやっていると、どこかほころびが出るのではという怖さの方が強いから、嘘や自分が思っていないことは絶対に書かないようにしてます。SNSで自分を発信していくこと自体が、僕にとってはストレス発散になってますね」

井之脇「気持ちをアウトプットするという意味ではわかりますけど、誰かに向けて発信するのは……考えたことはなかったです。嫌なことがあると、ルーズリーフに書き殴って丸めて捨てちゃうので、WEBなどの電子上ではやらないですね。手で書いたほうが吐き出してる感じがして、好きなんです」

「大切な人には目を見て、自分の気持ちを頻繁に伝えています」香取さん

今回の映画は、『箱入り息子の恋』や『台風家族』などの作品で知られる市井昌秀監督のオリジナル脚本によるもの。監督が描きたかったという夫婦の絆の物語は、見たあと、改めて大切な人とのコミュニケーションがいかに大事か、気づかせてくれます。

お二人は日ごろ、大切な方とのコミュニケーションについて、どう考えて取り組んでいるのでしょうか?

香取「人と話すときは、目を見て話すということは大事にしてますね。小学生の頃、校長先生が朝礼で言ってて、子供ながらに『いいこと言うな』と。目を見た方が思いが伝わりやすい気がするんですよ。逆に目を見ないで話されると、ちょっと寂しいなと思うので」

井之脇「僕は、ネガティブな感情を出しすぎないようにしています。もちろん家族には見せちゃうこともありますけど、見せないほうがスムーズに事が運ぶと思うんです。たとえネガティブなことを話す時でも、感情や態度をフラットにした方が伝わりやすかったりしますしね。嬉しいことはもちろん、いっぱい共有したいですし」

この井之脇さんの答えを受けて、香取さんに「嬉しさや悲しさなどの感情は、素直に表す方ですか?」と問うと「そうですね」と即答されて、「自分の思いは相手に頻繁に伝えます」と続けられました。

香取「でも、僕は怒ったりはしないかな。怒ってる人を見ると、大変だなと。怒るのってすごく疲れるから(苦笑)。それこそ、おもしろ可笑しく、例えば仕事の現場で少し遅い時間になってきたりすると、声に出してみんなに『あ~眠くなってきた』とか言うと、周りの人たちもちょっと笑えるし、本音も伝えやすくなるかなと」

井之脇「今回の現場でもそうでしたね。職場のホームセンターでの撮影は昼夜逆転だったので(実際の店舗を借りての撮影だったため、閉店後から開店前までの限られた時間での撮影となった)、睡魔が襲ってくる時もあって。香取さんが『あ~疲れた、眠い』とちゃんと言ってくれると、こっちも言いやすくなりましたし、現場も『ははは』と笑いが起こってました」

 

香取「何も言わないで眠い、疲れたって態度をすると、周囲のみんなもどんよりしてくるじゃないですか。『疲れたね~』って明るく伝えられたら“笑”になるんだよね(笑)。伝え方はものすごく意識してるかもしれないです」

井之脇「本当にそうですよね。すごく共感できます。僕もどんよりしたテンションでネガティブなことを言うのが好きではないので、フラットに面白おかしく伝えられたらいいなって」


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

映画ポスターにある「コメディだけど怖いんです、いい意味で」とのキャッチコピーが投げかける、誰の日常にも起こりうる大切な人とのすれ違いや、SNSを使いこなす難しさ。この映画のなかで、登場人物がそれぞれの問題をなんとか解決しようと奮闘する姿は、まさに私たちにも起こりうるもの。

お二人のインタビューにもあったように、大切な人にこそ、いつでも何度でも思いを伝える努力をしなくてはと、改めて実感させられたハートウォーミングな作品でした。

最後に、お二人にこれからの目標について伺ってみました。

井之脇「役者をして17年経ちますが、ようやく戦える自分の武器、土俵を作れたと思うので、これからはその上で相撲をとっていけたらなと思っています。年々、様々な作品に合わせて僕自身も変わってきている気がしていて、少しは自信がついてきたのかもしれません。その感覚は間違いではないと思うので、それを極めていきたいです」

香取「お声がけいただいて、必要としてくださる所に出演させていただいているだけなので、そうやって呼んでいただけて一緒にやりたいと言ってくださる方がいるのは、本当にうれしいです。今度は映画を観たいと言ってるくださる方が増えるように、映画館に足を運んでくれることを願っています」


(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS
(C)2022 “犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

香取慎吾さん、井之脇 海さんが出演される映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』(配給:キノフィルムズ/木下グループ)は、9/23(金・祝)全国公開。

◇香取慎吾さん×井之脇 海さんスペシャル対談【前編】はこちらから

映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
横田 紋子(小学館)
WRITING :
高山美穂
EDIT :
松野実江子