2022年9月6日、故エリザベス女王(エリザベス2世)よりスコットランド・バルモラル城にて、イギリス新首相の任命を受けたリズ・トラス。女王が任命した14人目の首相であり(チャーチル首相は女王の即位時すでに就任していたためノーカウント)、マーガレット・サッチャー、テリーザ・メイに続く英国史上3人目の女性による新政権が誕生しました。

保守党党首選で対抗馬だったのはリシ・スナク元財務相。「彼は落選してかえってラッキーだったのでは?」との声もあがるほど未曾有のインフレ、光熱費含む生活費の大幅な上昇など問題が山積みされた状況なかでの選出。さらに8日にはエリザベス女王が逝去し、一気に世界の注目が集まる新首相に、柔らかさをもたらす最新オケージョンスタイルを紐解いていきましょう。

■1:ぺプラム&ドレープが女らしさを演出!しなやか素材ワンピース

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任命の証として、女王と握手する同日撮影の写真を目にした人も多いかもしれません。

2022年9月6日、エリザベス女王より新政府を樹立するよう要請を受け、新政権を発足。新首相の任命は通常、ロンドンのバッキンガム宮殿で行われますが、女王はスコットランドで休養中であり歩行が困難。医師団の判断によりトラス首相がバルモラル城を訪れることに。

記念すべき謁見に選んだのは、カシュクール風デザインの一着。ドレープが優しく身体を包み、ウエストが絞られた女らしいシルエットです。Vを描く襟元とタイトスカートがキリッと知的さを香らせて。サークルモチーフのイヤリングとネックレスで控えめにモダンな輝きをプラスしています。

■2:光沢が叶える洗練と品格!端正さ漂うロングフレア

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翌日に国葬を控えながらも朗らかな雰囲気

9月18日、ロンドン・バッキンガム宮殿で、新国王チャールズ3世と会談。謁見が行われた1844年の間はエリザベス女王が各国の要人を迎える際に使用していた、一般公開されていない部屋なのだとか。トラス首相の装いはシルクのような上質な艶感のあるシャツワンピース。たっぷりとしたフレアのロングスカートですが、共布の太ベルトがすっきりとした印象を演出しています。

■3:キーホールデザインのネックラインで洒脱な印象に

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夫で会計士のヒュー・オレアリーと。

19日、ウェストミンスター寺院で執り行われた国葬では聖書を朗読する栄誉を与えられた新首相。約2,000人の参列者、さらに中継を見守る世界じゅうの視聴者にその存在感をアピールしました。この日にまとったのは、襟元が慎ましやかに開いたデザインのミディ丈ワンピース。軽く結んだ共布のベルトでウエストマークしスタイルアップしています。トレードマークであるブロンドのボブヘアにコンパクトなファシネーターがベストマッチ。可憐な雰囲気まで漂う装いにまとめています。


就任スピーチでは「嵐を乗りきることができる」と力強く演説したリズ・トラス首相。難題を抱えマイナススタートを切ったとも言えますが、就任と同時に落ち着いた様子で次々と大役を果たしました。「鉄の女・サッチャー」の再来とも呼ばれる彼女。その柔和な表情を引き出した上品フェミニンなオケージョンスタイル、ぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の執筆者
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PHOTO :
Getty Images
WRITING :
神田 朝子