2022年9月30日、フィンランドはロシア近隣諸国のなかで最後に、ロシア人観光客に対して国境をに閉鎖。ロシア・プーチン大統領による軍予備兵30万人の召集に影響されるもので、国境に到着するロシア人の数が急増したために行われました。2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻で、ますますその手腕に注目が集まるのが隣国であるフィンランドの首相、サンナ・マリン。5月18日にスウェーデンとともにNATOへの加盟を正式に申請。同月26日には、ウクライナの首都キエフを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談、激戦地ブチャを視察するなど、鮮やかに頼もしく、一国のリーダーとしての存在感を増す36歳のスタイルを紐解いていきましょう。
■1:首相として意思表明!ユニフォームのようにまとう黒
2022年5月18日、イタリア・ローマにあるキギ宮殿で、マリオ・ドラギ首相と。NATOに参加するという歴史的な決定を下した、ちょうど同日の撮影です。男性の政治家がダークスーツを選ぶのと同様に、公的なシーンでは黒をまとうことが多い印象。黒のジャケットやスーツといったシンプルなスタイルに、服装に頼らない、首相としての自信が表れているよう。この日もホワイトシャツに黒のパンツ、ジュエリーなし、のミニマル主義をまっとうしています。
■2:エレガンスを引き立てる、パウダーピンクのチュニックブラウス
2022年6月23日、ベルギー・ブリュッセルで開催されたEUサミットに到着した際の1枚です。ロシアによるウクライナ侵攻開始以来、初めての会合となります。ピンクのブラウスはウエストにたっぷりとドレープがあしらわれ、柔らかくフェミニンなムード。腰を覆う長め丈で、シャープな黒のスティックパンツと相性抜群です。いつもの硬質な雰囲気と対照的な装いですが、以前似たような色味のジャケットを着用していたことも。ピンクは、実はお気に入りカラーなのかもしれません。
■3:ジャケットで切れ味をプラス!白のワントーンコーデ
2021年、同じくEUサミットでの装いです。ホワイトのワンピース&ジャケットが、ブルネットの美しさを際立たせています。モダンな編み目のレース素材が、持ち前のイメージにフィット。ふんわりフレアに広がる膝丈スカートをタイトなジャケットでキリッと引き締めています。ときにはこんなフェミニンな一着をまとってギャップをみせてくれる、フラットさも魅力です。
2019年の就任時、世界最年少の指導者となったサンナ・マリン首相。素肌にジャケットを直に羽織ったポートレートや、レインボーファミリーの出身でパーティ好き、といった私生活も話題になりますが、過度な気負いを感じさせない風通しのよさが現代的で痛快です。これからもしなやかに変化していくであろう若きリーダーのスタイル、ぜひ注目してくださいね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 神田朝子