DIOR(ディオール)の2023春夏ウィメンズ コレクションが、現地時間の2022年9月27日(火)、パリで発表されました。今季のコレクションは、フランス国王の妃となったイタリア人貴族カトリーヌ・ド・メディシスにインスピレーションを得て、チュイルリー公園にて開催。バロック様式の洞窟を模した空間で、ダンサーたちのパフォーマンスのなか発表されました。
チュイルリー公園に出現したバロックの幻想的な洞窟
ディオールのウィメンズ アーティスティック ディレクターのマリア・グラツィア・キウリは、毎シーズン、独創的なイマジネーションの世界への扉を開いてきました。
2023春夏ウィメンズ コレクションで、マリア・グラツィア・キウリは、メゾンのアーカイブである「パリの地図」のイメージから、16世紀にイタリア・メディチ家からフランス国王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスに辿り着きました。当時、女性と権力の関わりの象徴であったカトリーヌ・ド・メディシスと、彼女の政治的な知性と共に王宮に持ち込まれたファッションやイノベーションが、マリア・グラツィア・キウリの心を掴んだのです。
今回、コレクションの特設会場が設けられたチュイルリー公園は、カトリーヌ・ド・メディシスの望みによってつくられ、彼女がかつて所有していた場所。そこに、アーティスト エヴァ・ジョスパンのデザインよるバロック様式の洞窟を再解釈した空間を生み出しました。
イムレ&マーン・ファン・オプスタルのデュオの振り付けによる美しくも不穏なダンスパフォーマンスによって、ショーがスタート。オランダ人振付家兼ダンサーのイムレ・ファン・オプスタルとマーン・ファン・オプスタルによるダンスは、人間の身体と心の限界と可能性を多層的に探求したもの。官能的でコンテンポラリーなダンスがコレクションと調和する様子は、今回のショーのハイライトのひとつとなりました。
また、コレクション会場には、多くのセレブリティも来場しており、ファンも集まって大変な熱気を帯びていました。
貴族の衣装をアップデートし、現代的に再構築したコレクション
ここからは、キウリによって提案された、過去と現在をつなぐ豊かなイマジネーションを想起させるコレクションを、パリのアトリエでの制作風景をあわせてお届けします。それぞれのアイテムを制作する、メゾンが誇る職人たちの技もぜひご覧ください。
カトリーヌ・ド・メディシスによって、フランス王室御用達の職人たちに持ち込まれたハイヒール、コルセット、ブラーノレースなどは当時のファッションにイノベーションを起こしました。
コレクションでは、コルセットは、時に隠され、時に露出され再構築されて、王宮で着用されていたようなワイドスカートを思わせるシルエットを描き出しています。
このコレクションで特に注目されたのが、メゾンのアーカイブから生まれた「パリの地図」をモチーフにしたプリントです。この「パリの地図」は、1950年代初頭に制作された、モンテーニュ通り周辺のパリの地図が裏側にプリントされたディオールのスカーフのアーカイブが元になっています。
貴族の衣装を思わせる繊細なレースも再解釈され、過去と現在を行き来するようなモダンなルックに。ドレスの前を開けて肌を露出させるなど、いくつもの着こなしによって現代のニーズにもフィットするキウリのアイディアに注目です。
ラフィアで編まれたコートを飾るのは、花や鳥のモチーフを描いた見事な刺繍。職人のクラフツマンシップが光る一着を、現代的なシースルーのワンピースに合わせて。
MOVIE【The Dior Spring-Summer 2023 Show】
YouTubeの「Christian Dior公式チャンネル」では、2023春夏ウィメンズ コレクションのショーの様子を公開しています。官能的なダンスに彩られた華麗なディオールの世界をお楽しみください。
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- Precious.jp編集部