「ご確認の上」の「上」ってなに？意味や類語、目上の方への使い方など基本をさくっとおさらい！

「～をご確認の上、よろしくお願いいたします」など、ビジネス文書で「ご確認の上」というフレーズはおなじみですね。意識しないで使っていることが多いと思いますが、「の上」の意味を正しく説明できますか？ 今回は頻出している「ご確認の上」について、しっかり確認していきましょう。

【目次】

• 「ご確認の上」の「意味」とビジネスでの「使い方」
• 「ご確認の上」「ご確認の上」どっちが正しい？
• ビジネスでそのまま使える「例文」５選
• 「言い換え」「類語」「関連語」表現
• 目上の相手に使う際の「注意点」

「ご確認の上」の正しい表記を答えられますか？

【「ご確認の上」の「意味」とビジネスでの「使い方」 】

■「の上」の意味は？

「ご確認」は「確かに認める」という意味の「確認」に、謙譲語の接頭語「ご」をつけて、敬う相手に使う言葉です。では、「の上」はどういう意味でしょうか。「の」は助詞、そして、「うえ」は「～してから」「～のあと」という意味で使われています。つまり、「ご確認の上」は、「確認してから」や「確認したあとに」という意味に。

■使い方

「注意事項をご確認の上ご来場ください」というように、「〇〇を確認してから△△してほしい」と、「のうえ」の前後には希望や依頼の言葉が入ります。

■誰に？

接頭語「ご」を付けて「ご確認の上」とした、相手を高める敬語表現です。上司や取引先など自分より目上の人にはもちろん、同僚や部下、あるいは不特定多数の人に向けた文章でも用いることができます。

また、「確認の上お持ちいたします」のように、接頭語を省けば自分（あるいは自分側）の行動に対しても使用できます。

【「ご確認の上」「ご確認の上」どっちが正しい？】

この「ご確認の上」というフレーズの「上」は補助動詞なので、「副詞・補助動詞はひらがなで」という日本語のルールにならえば「うえ」が正解！ 「ご確認の上」だけでなく、「ご記入のうえ」「ご予約のうえ」なども同様です。ただし、文章が長くなったり、ひらがなが続いたり場合には、読みやすさ（＝伝わりやすさ）という観点から「ご確認の上」と漢字を使用してもよいとされるように…。「本来はひらがな、読みやすさを考慮する場合は漢字」と、しっかり理解したうえで使い分けるのが“大人の語彙力”ですね。

【ビジネスでそのまま使える「例文」５選】

■１：「添付資料をご確認の上、ご検討くださいますようお願いいたします」

■２：「前日に参加を再いただく人数度ご確認の上、ご連絡いただけますと幸いです」

■３：「会議をご欠席の皆様は、本日の議事録をご確認の上、次回ご参加賜りますようお願いいたします」

■４：「内容に誤りがないかご確認の上ご返信くださいませ」

■５：「お届けしました商品をご確認の上、交換・返品の場合は７日以内にご連絡ください」

【「言い換え」「類語」「関連語」表現】

■言い換え

・ご確認いただいてから　・ご確認ののち

■類語

・ご一読のうえ　・ご参照のうえ　・ご査収のうえ　・お目通しのうえ　

■関連語

「ご確認の上」と似た言葉に「ご確認のほど」があります。「～のほど」についてはこの連載の65回目でも取り上げていますが、「のほど」自体は明確な意味をもたず、言い回しを穏やかに、印象を柔らかくするために用いる語句。断定を避け、表現を和らげる効果があります。もちろん、こちらも目上の相手に対して使える正しい敬語表現です。

【目上の相手に使う際の「注意点」】

「ご確認の上」は、（１）「なんらかを確認してもらう」と（２）「何かを依頼する」のセットで使用するフレーズです。（１）も（２）も相手にふさわしい表現を用いるべきですが、上司や取引先など目上の人には敬語表現の多用や二重表記に注意が必要です。

NG：「お届けしました企画書をご確認の上、お読みいただけますようお願いいたします」

上記の文章では、「ご確認」と「お読み」が二重表記です。正しくは、

OK：「お届けしました企画書をご確認の上、ご検討くださいますようお願いいたします」

とするのがよいでしょう。「ご確認の上」を「内容を読む」という意味ではなく、「企画書が届いているか確認する」という意味で用いるのであれば、「デスクの上に企画書をお届けしましたのでご確認いただき、～」としたいところです。

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「ご確認の上お返事いただけますようお願い申し上げます」や「ご確認の上ご署名ください」など、ふだん何気なく使ったり目にしたりしている「ご確認の上」というフレーズ。「確認してから」「確認ののちに」という意味だと、しっかり理解してくださいね。