誤読注意!「多勢」ってなんと読む?「おおぜい」ではないのです!
明日・12月10日は『アロエヨーグルトの日』です。そんな記念日があるの?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本で初めてアロエ葉肉を入れたヨーグルトを発売した森永乳業株式会社が一般社団法人日本記念日協会に申請し、認定されている記念日で、日付は、1994(平成6)年に、初のアロエヨーグルトが発売された日にちなんでいます。
改めて考えてみると、「デザート用のアロエ葉肉」は現在こそ定番のひとつになっていますが、1990年代当時は、「ティラミス」「クレーム・ブリュレ」「タピオカ」「ナタデココ」など、スイーツメニューの爆発的ブームが次々と巻き起こった時代です。そうした背景の中、当時はまだ「苦い」「薬用」などのイメージしかなかった食用アロエに、デザート具材として着目し、その後、デザートの定番となるほどの魅力を創り上げた日本企業の開発努力に、改めて敬意を感じますね。アロエは多肉植物…ということで、本日は「多」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「多勢」ってなんと読む?
「多勢」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「人数の多いこと。多くの人」という意味の言葉です。
<使用例>
「これをおいしい、と評価した人が圧倒的に多勢です」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 多勢(たぜい)です。
「多勢(たぜい)」という熟語、「おおぜい」という誤読例が大変多いのですが、「おおぜい」の表記は「大勢」です。「多勢(たぜい)」は、「多勢に無勢(たぜいにぶぜい)」という言い回しに使用される、「多勢(たぜい)」という読み方しかございません。お間違えの無いよう、お気を付けくださいね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「多生」ってなんと読む?
「多生」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「何度も生まれ変わってくること。輪廻」「多くの者を生かすこと」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「偶発的な出会いとはいえ、多生の縁ですので、連絡先を交換しませんか?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 多生(たしょう)です。
例文に「多生の縁(たしょうのえん)」という慣用句が出てまいりましたが、こちらはことわざの「袖振り合うも多少の縁」から来ています。ことわざの意味は「偶然すれ違うような相手にも、この世に生まれ出るまでに輪廻を繰り返した中、どこかで結ばれた縁によるものである」です。ですので「多少の縁」は、「ほんのわずかな出会いでも、それなりのご縁があるのかもしれませんね」というニュアンスを含む「ご縁(ごえん)」の同義語になります。ちょっとした出会いの際や、ビジネスで出会うことになったお相手などに、友好関係を結ぶため「これもご縁ですから」と申し上げたりしますよね?
これを「多生の縁、でございますから」と言い換えることができます。「袖振り合うも多生の縁」は、「多生(たしょう)」を「多少(たしょう)」とカン違いすると、「偶然すれ違うような相手にも、多少(たしょう=少しは)縁がある」という、本来のおもむきとは異なる、間違った解釈になってしまうので、「多生(たしょう)」、大人として理解しておきたい言葉です。
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本日は、12月10日『アロエヨーグルトの日』のトリビアと、「多」という字の入った日本語から、
・多勢(たぜい)
・多生(たしょう)
の読み方、背景をおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(株式会社小学館)/『森永アロエヨーグルト』ウェブサイト/一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/『漢字ペディア』(公益財団法人日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱