日本から乗り継いで約17時間で到着する楽園、モーリシャス島。アフリカ大陸の東側、インド洋のマスカレン諸島のひとつに数えられ、国名はモーリシャス共和国。世界の著名人がお忍びでバカンスに訪れることも多いリゾート地です。
本記事では、そんなモーリシャスでの旅行を思い切り楽しむためのヒントを、現地在住の日本人コーディネーター・伊藤みどりさんの取材をもとに、まとめてご紹介します。基本情報・行き方をはじめ、外せない観光スポットやおすすめフードまで、大人の女性がモーリシャス観光・滞在をする際に、必要な情報を盛り込みました。
【目次】
- モーリシャスまでの行き方・歴史・気候・基本情報
- チップは?送迎は?モーリシャスを満喫するためのヒント
- モーリシャス旅行で外せないおすすめ観光スポット
- 海に囲まれたモーリシャスのおすすめフード
- ぜひ訪れたいモーリシャスのNo.1リゾートホテル「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」
- 「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」内の絶品レストラン
モーリシャスまでの行き方・歴史・気候・基本情報
■モーリシャス島はどこにあるの? 日本からの行き方は?
アフリカ大陸の東側にあるのが、アニメ映画でも有名な「マダガスカル島」。そこからさらに東へ900kmほど離れたインド洋に浮かぶ島がモーリシャスです。正式名称は独立国家、「モーリシャス共和国」。面積は2040㎢で、東京都とほぼ同じ大きさです。
羽田、成田、関空から毎日就航しているエミレーツ航空の夜便を利用すれば、ドバイで乗り継いだ後、翌日の夕方(現地時間)にはモーリシャスに到着できます。その他、香港、クアラルンプール、シンガポールなどへ就航しているモーリシャス航空を利用する方法もあります。
■「フランス植民地時代」の文化が色濃く残るモーリシャスの歴史
海底火山の隆起によってできたこの島は、人間が入植するまでは、コウモリを除く哺乳類はおらず、固有の鳥類と爬虫類たちの楽園でした。なかでも有名なのがキャロルの『不思議の国のアリス』に登場する「ドードー鳥」です。
17世紀に初めてオランダが植民地化して入植した際に、アジアから持ち込まれた豚やネズミがドードー鳥の巣を荒らし、その卵を食べてしまったことにより、発見されてから100年も経たないうちに絶滅してしまいました。
「種の根絶」という悲しい事実を初めて人間に認識させた動物として、ヨーロッパではとても有名なドードー鳥。イタリアン・ジュエリー・ブランドの「ポメラート」がこのドードー鳥からインスパイアを受けて発表した「ドド」シリーズのチャームは日本でもヒットしたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
やがて18世紀に入り、南アフリカのケープタウンをアジア交易の拠点とするために、オランダがこの島から撤退すると、その事実を知ったフランスがすぐに島を植民地化し、オランダのナッソー家のモーリッツ公の名前から付けられた「モーリシャス島」の名称を「フランス島」へ変更します。
それから約100年の間、フランスはこの島を東インド会社の重要な補給基地として利用し、またサトウキビ畑を切り開き、製糖産業の発展に努めました。しかし、ナポレオン戦争の勃発により、今度はこの島はイギリス領となり、名前も元の「モーリシャス」に戻されます。英国領に代わった際に、それまで住んでいたフランス系の島民との軋轢を避けるため、彼らの習慣を尊重し、英語の使用を強要しなかったことが、現在にいたってもフランス文化の方が色濃く残り、公用語である英語よりも、フランス語の方が多用される所以となっています。
その後1968年に英連邦の一国として独立し、1992年に大統領を元首とする共和国になりました。
オランダ、フランス、イギリスの植民地を経て、独立国となったモーリシャス。それぞれの時代にヨーロッパやアフリカ、アジアから、ある者は開拓者として、ある者は奴隷として、ある者は移民として集まった異民族が、現在では約130万人の人口を構成し、宗教間、民族間の対立もなく、調和のとれた平和な生活を送っています。
マーク・トゥエインが残した「神はモーリシャスを最初に創り、そしてモーリシャスを真似て天国を創りたもうた」という言葉は、今でも豊かな自然に囲まれた島民の暮らしの中に息づいています。
1960年代からはそれまでの基幹産業だった製糖産業に、観光業も加わり、その歴史的背景を物語るようにヨーロッパ、殊にフランス及びイギリスからの観光客が増加を辿り、豪華クルーズ船の寄港も増え、現在では年間約100万人の観光客を受け入れるまでに成長しました。
■ファストファッションからローカルブランドまで、ショッピングも充実
また、意外に思われるかもしれませんが、製糖産業や観光業と並ぶ、モーリシャスの主要産業のひとつが、テキスタイル産業。'80年代以降、サトウキビを中心とする農業依存の産業から脱却を図るために、海外企業を誘致したおかげで、現在でも北米やヨーロッパのファストファッションのブランドを中心とした製品が生産されています。島内にはいたるところにショッピングモールがあり、それらのブランドを扱うブティックや、クオリティーの高いローカルブランドのショップが豊富。存分にショッピングを楽しむことができます。
■高級リゾートホテルが島内に点在
世界的にメジャーなホテル・グループである、One&Onlyやフォーシーズンズ、シャングリラ、セント・レジスなどの高級ホテルも島内に点在し、ヨーロッパ各国の王族、大統領、ハリウッドセレブやスポーツ選手など、お忍びでバカンスに訪れる著名人は枚挙にいとまがなく、気候同様、暖かい島民のホスピタリティーを甘受しています。
■1年中半袖が基本! 快適なリゾート、モーリシャスの気候
南緯20度に位置しているモーリシャスは、沖縄と同じように「亜熱帯」に属しています。季節は大まかに、5月の後半から9月にかけての冬季、10月から5月の半ばまでの夏季の2季に分かれています。
冬季でもリゾートが集まる沿岸部では、日中の最高気温は28度、夜間の最低気温が14度くらいなので、海に入るにはやや海水が冷たく感じることもありますが、日中は半袖の洋服で過ごすことのできる爽やかな気候です。
まれに夏季にはサイクロンと呼ばれる熱帯性低気圧が発生することもありますが、気候の変動のせいか、ここ10年近くは、大きな被害をもたらしていません。
夏季は最高気温が34度くらいになりますが、湿度はさほど高くないので、外にいても木陰や日陰に入れば快適に過ごすことができ、1年を通じてリゾートとしての滞在を楽しむことができます。
チップは?送迎は?モーリシャスを満喫するためのヒント
■両替は空港で行なう
モーリシャスの現地通貨はモーリシャン・ルピー。現在のレートは1ルピーが約3.3円(2018年4月現在)です。ホテルや免税店などでは、ユーロやドルも使えますが、ほとんどの場所ではルピーでの支払いとなります。クレジットカードも利用できますが、チップ用など若干の現地通貨の現金を持っていたほうが安心です。
世界中から訪れる観光客数が年間100万人を超えるモーリシャスにおいて、日本人が占める割合はわずか0.2%にもかかわらず、空港内の銀行カウンターでは日本円から直接現地通貨への両替ができます。また、空港内を含め島内のいたる所に24時間利用可能なATMも設置されているので、インターナショナルカードやクレジットカードを利用して現地通貨を引き出すことも可能です。両替の際や現地通貨を引き出す際には、チップ用に小額紙幣を何枚か入手しておくことを忘れずに!
■チップは200ルピー程度をポケットに用意しておく
ヨーロッパからの観光客が6割以上を占めるモーリシャス。チップの習慣も当然あります。日本では一般的ではない習慣なので、煩わしさを感じてしまう方が多いようですが、チップはサービスの対価を、そのサービスを受けた人が決めることができる合理的なシステム。
日本では、良いサービスを受けても悪いサービスを受けても、一律に料金にその対価が含まれているので、つい無料と考えてしまいがちですが、欧米諸国のようにチップ収入を考慮した給与体制になっている場所では、サービスを提供する側も自分の仕事に対する評価の答えがチップで得られるわけですので、プロとしての矜持をもって仕事に就いている方が大半です。現地での慣習にそぐわない高額なチップを渡す必要はありませんが、相場を確認したうえでスマートに渡したいものです。
ちなみにモーリシャスでのチップの相場ですが、空港からホテルまでの送迎車のドライバーへは100ルピーから200ルピー程度。ホテルで荷物を運んでくれるポーターには、荷物ひとつにつき25ルピーから50ルピー程度が相場です。
チップをさりげなくポケットから取り出して、別れ際にドライバーやポーターにさっと渡せるような旅の上級者であれば問題ありませんが、慣れていないとなかなかスマートには渡せません。バッグからお財布を取り出して、ごそごそと紙幣を選んで渡している方や、なかには高額紙幣の用意しかなく、困惑している方を見かけることもあります。手間がかかると思われるかもしれませんが、両替の際には必ず小額紙幣を入手し、事前にポケットに相応分を用意しておきましょう。
また、帰国の際に余った小銭をジャラジャラとポーターやドライバーにチップ替わりに渡す方を見かけることもありますが、よかれと思っているこの行為も、サービスに対する対価というよりは、いらない小銭を恵んでやっている、という風に受け取られかねず、かえって失礼にあたることも。
余った小銭は、空港内に設置されているユニセフ募金にでも回し、あらかじめ用意した紙幣を別れる際に笑顔と感謝の言葉とともに渡したいものです。
■専用車送迎へアップグレードしておく
空港からホテルまでの道のりですが、至近のホテルを除いては、モーリシャスでは多くのリゾートホテルが空港から片道1時間ほどかかる場所に点在しています。日本発のパッケージツアーの場合、ホテルまでの送迎が含まれていることが多いですが、通常は同じ地区のホテルへ行く観光客が全員そろうのを待ち、それから数軒のホテルへ順番に送り届ける、という混乗送迎です。
旅行会社によっては、追加料金を支払うことにより、混乗のバスから専用車による送迎へのアップグレードが可能なので、空港からいち早くホテルへチェックインしたい場合や、ファースト、ビジネスクラスなど、上級クラスを利用する場合は、ぜひ専用車送迎をリクエストしてみましょう。
また、空港には正規のタクシーも常駐しています。登録されたタクシーが専用乗り場で待機しており、予約なしで利用できます。モーリシャスのタクシーにはメーターが付いておらず、行き先ごとに異なる料金が設定されている定額制なので、乗車前に料金を必ず確認しましょう。支払いにクレジットカードは利用できないので、ルピーでの現金も空港で事前に用意しておく必要があります。
■ヘリコプター送迎を利用する
専用車送迎よりもゴージャスに、さらにスピーディーに到着したい場合は、ヘリコプターによる送迎がおすすめです。ラグジュアリーなホテルの多くには、敷地内に専用ヘリパッドがありますので、空港からヘリで一気に到着することができます。一番離れている北部のホテルでも20分あれば到着できます。
ホテル到着時には連絡を受けたホテルスタッフがヘリパッドで待機しており、専用カートでお部屋まで案内してくれるので、VIP気分を存分に満喫できます。ちなみに、ヘリ送迎が利用できるのは、日の出から日の入りまで。早朝や夜は利用できません。
予約は、モーリシャス航空ヘリコプターセクションまで。
■YUラウンジを活用して優雅な旅のスタートを
最後に忘れてはならないのが、プライベートターミナルのYU(ユー)ラウンジ。もともとはプライベートジェット専用ターミナルでしたが、数年前から通常のフライト利用の乗客も、事前予約をし、所定の料金を支払えば利用できるようになりました。
飛行機を降りたところで専用係員が待機しており、そこから高級車で数分のところにある専用ターミナルのラウンジへ向かいます。ラウンジ到着後は、無料で提供される豊富なメニューのドリンクや軽食をいただいている間に、すべての入国に伴う手続きや両替もラウンジ係員が代行してくれます。
飛行機を降りた後、広い空港内を移動し、イミグレーションで入国手続きのための長蛇の列に並ぶ…さらに検疫検査で再び並び、ターンテーブルで荷物が出てくるのを待つ…これらの煩わしい手順すべてが、カクテルやワインを片手にソファで寛ぎ、滑走路を眺めている間に完了してしまうのです! まさにArrive in Style!
予約はモーリシャス旅行を扱っている旅行会社、もしくは直接YUラウンジへ依頼しましょう。
モーリシャス旅行で外せないおすすめ観光スポット
■モーリシャスのNo.1絶景スポット「海中の滝」
2013年にネットでその写真が公開されるや、モーリシャスのNo.1絶景スポットに認定された「海中の滝」。ユネスコの世界遺産である「ル・モーン」(山)のある南西部のブラバン半島沖に現れるイリュージョンの滝です。
潮流により造成されたサンゴと砂が織り成す模様が、あたかも海の中に滝が出現しているかのように見える神秘的な場所。空港やリゾートホテル内のヘリパッドからヘリコプターに搭乗し、2000フィート上空からダイナミックな景観を見下ろすことができます。
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■ライオンと一緒に過ごす「ウォーク・ウィズ・ライオン」
東京ドーム11個分もある広大な敷地が自慢のネイチャーパーク「カゼラ・ワールド・オブ・アドヴェンチャー」。緑の渓谷をハーネスをつけて滑り下りるスリリングなジップ ライニングを始め、クワッド バイクやセグウェイを自ら運転して楽しむサファリツアーなど、ワイルドなアトラクションが大自然の中に用意されています。
なかでも人気が高く、事前予約がマストなアクティビティーが「ウォーク・ウィズ・ライオン」。2頭のライオンと一緒に林の中を約1時間かけて歩くツアーです。同行するカメラマンが撮ってくれるライオンとのツーショット写真は自慢の1枚になるはず。
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■遭遇率は90%以上!「スイム・ウィズ・ドルフィン」
西海岸にあるタマリン・ベイは、周辺に暮らすイルカたちの休息所になっています。日が高くなる前、まだ湾内でその日の狩りに備えてウォーミングアップしているイルカたちをウォッチするだけでなく、アリエルやニモのように一緒に泳ぐこともできるのです。
野生のイルカですが、ベイ近辺での遭遇率は90%以上。ときにはエキサイティングなジャンプを披露してくれるイルカもいて、目の前で繰り広げられるイルカショーは一生の思い出になることでしょう。
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■優雅な民族舞踊に見惚れる「セガ・ダンス」
2014年にユネスコの無形文化遺産に登録されたモーリシャスの民族舞踊「セガ」。大型のタンバリンのような太鼓「ラヴァン」やジャンベなどの打楽器、トライアングル、木箱に豆を入れたマラカスのような音がする「マラヴァン」などのシンプルな楽器を使い、クレオール語で歌い上げる曲に合わせ、女性たちがサーキュラースカートを翻しながらセクシーかつ優雅に踊ります。
多くのリゾートホテルでは週に一度、このセガ・ダンスのショーがディナー後に開催されますので、是非お見逃しなく。ショーの後半では、セガ・ダンス・レッスンが行われるので、臆せずにチャレンジを!
海に囲まれたモーリシャスのおすすめフード
周囲を美しい海で囲まれたモーリシャス。以前はマグロの遠洋漁業の基地として賑わっていた時代もあり、新鮮なシーフードが容易に手に入ります。内陸部には延々とパッチワークのようなサトウキビ畑が広がり、高原地帯へ行くとイギリスの植民地時代の名残である美しい茶畑が現れます。
■定番のタコ料理
ロブスターのグリルや新鮮な魚のカルパッチョなど、おすすめのシーフードは数あれど、是非トライしていただきたいのが、タコの料理。
特にタコのぶつ切りやスライスがゴロっと入ったカレーやサラダはモーリシャス人が大好きな料理です。写真のタコのサラダは、薄くスライスした茹でダコを、玉ねぎやトマトなどの野菜、コリアンダーや青唐辛子などのスパイスとともにフレンチドレッシングで和えた一品。ライムをたっぷり絞ってお召し上がりください。
■お土産におすすめのバニラ フレーバー ティー
日本の紅茶専門店「マリアージュ・フレール」でも取り扱いのある、モーリシャス産の紅茶。バニラがほんのり香るフレーバー ティーは濃い目に入れて、ミルクを足すと甘い香りが引き立ちます。お値段も手ごろなので、お友達や同僚へのお土産にいかがですか?
■工場見学も可能! ふくよかな味わいのラム酒
サトウキビの汁を蒸留してつくられるのがラム酒。生産地としてはカリブの島々が有名ですが、モーリシャスには搾ったサトウキビの汁そのものを発酵させ、蒸留してつくる贅沢な製法「アグリコール製法」を用いてラム酒をつくっている工場がいくつかあります。
この製法でつくられるラム酒は世界の全ラム酒生産量のうち、わずか5%しかないとても貴重なもの。なかには、コニャックと同じように2度蒸留し、ふくよかな味わいを際立たせているラム酒も。その他バニラやスパイスなどのフレーバーをブレンドした口当たりのよいものもあり、観光客が見学できる工場では全種類のテイスティングが可能です。是非トライしてお気に入りを見つけてください。
ぜひ訪れたいモーリシャスのNo.1リゾートホテル「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」
■誰もがモーリシャスを代表するホテルとして認める「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」
約10か月の改装期間を経て、2017年12月1日に新装オープンしたモーリシャスのリゾート「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」。誰もがモーリシャスを代表するホテルとして認める、この”レジェンド”ともいえるホテルが、「She’s Back」をコンセプトに、エレガントさにスタイリッシュさを兼ね備えたホテルとして生まれ変わりました。
エントランスの壮大なファサードには白いタイルが施され、グレード感がアップ。そして『VOGUE』誌の表紙を飾ったこともあるロビーへ足を踏み入れると、吹き抜けで自然光がたっぷりと降り注ぐ、開放感あふれるホールが。ここは以前の姿そのもので、うれしさと懐かしさが込み上げてきます。
とはいっても、まったく変わっていないというわけではなく、作家のフォーサイスも描写した火山岩の壁がすべて白くペイントされたことにより、更に明るくなりました。インテリアも白を基調に、ペールブルーとライトグレー、グリーンがアクセントになっているため、シックでラグジュアリー感にあふれています。以前のようなピンクの大理石を多用したゴージャスな雰囲気から、よりソフィスティケートさが強調された印象になりました。
オープン時には175室あった客室が、前回の改装で163室へ。今回の新装オープンでは、ヴィラを含めてさらに室数が減り、143室に減少しました。これは、顧客のニーズに合わせて広いスイートルームの数を増やした結果なのだそう。
ラグーンルームやオーシャンルームなど、ボトムカテゴリーのルームは改装前と同じ65㎡ほどの広さですが、色味を押さえたナチュラルなインテリア、そして海に向かって配置されたベッドや高さを押さえたファニチャーのおかげで、以前よりも開放的な造りになり、カップルで利用するには十分な広さがあります。ウォーク イン クローゼットも残しつつ、バスタブのほか、独立している広いシャワーブースの使い勝手もグッド。
スイート以上のカテゴリーの客室には24時間専用バトラーが付き、到着時の荷物のアンパッキングに始まり、レストランやスパの予約、アクティビティの手配、そして出発時の荷物のパッキングまでアシストしてくれます。
■専用のシェフも常駐している最上級ゲストルーム「ヴィラ・ワン」
このホテルの最高級カテゴリーである「ヴィラ・ワン」。ロビーを通らずにアクセスできる専用ゲートがあり、2つのベッドルーム、インフィニティプール、そしてダイニングとキッチン、リビングはヴィラの内部と外のテラスにそれぞれ配されています。トータル面積はなんと622㎡(!)まさしく邸宅。バトラーやメイドのみならず、専用のシェフも常駐しています。
ヴィラ・ワン以外の客室は2階建の連なる棟で構成されており、半島のラグーンサイドとオーシャンサイド、どちらかの海に面しています。ビーチへのダイレクトアクセスが可能な1階のお部屋に人気があるのですが、プライバシーを重視したい場合は「バルコニールーム」や「バルコニースイート」といった、2階のお部屋を選ぶとよいでしょう。
■最新フィットネス&極上の「スパ」で、明日へのパワーをチャージ
日本ではまだ「旅行=発見」という考え方が一般的ですが、世界では40%ものツーリストが、旅によるマインド&ボディのケアに主眼においているそう。そうした需要に応えるためにも、ワン&オンリー・ル・サンジェランでは、最新設備で納得のボディケアを受けることができます。旅行後に待ち構える現実に、そつなく対応できるようなパワーを贅沢な空間でチャージしたいものですね。
フィットネスセンター「クラブ・ワン」は、最新のエクササイズマシンを揃え、まるで拷問器具(?)のようなキネシスの設備もあれば、イタリア発アウトドア用エクササイズの「My Equilibria (マイ・エキュイリブリア)」を利用したコース、ハッタ・ヨガ、ピラティス、スピニングなど、グループでのワークアウトにも無料で参加できます。
また、スパは総面積が1000㎡に拡張され、トリートメントルームの数が増えたので、予約が取りやすくなりました。リラクゼーションゾーンを兼ねた静謐さの漂う美しいプールはそのままに、ロッカールームも広くなり、スチームルームにサウナ、パウダーコーナーや、6種のシャワーを備えたシャワーブースも。滞在中1日はずっとこのエリアだけで過ごしたい、そう思わせるファシリティです。
トリートメントに使われているプロダクツは、英国生まれのラグジュアリー・スパブランド「ESPA(エスパ)」のもの。フェイシャルに関してはこのESPAのほか、なんと本気の素顔アプローチを標榜し、世界中のセレブの絶大な支持を40年も受け続けている、フランスの高級サロン「ビオロジック・ルシェルシュ」のトリートメントを受けることもできるのです。
メニューの選択肢が豊富で、迷ってしまう場合は、モーリシャス産のココナッツや、はちみつ、シュガーを使ったスクラブが含まれる「エッセンス・オブ・ワン&オンリー」や、モリンガ、レモングラスなどモーリシャスのバーブを集めたホット ハーバル ボールを使う「モーリシャン・フュージョン」という、現地ならではのシグネチャーマッサージがおすすめです。
期待する効果がリラックスなのか、デトックスなのか、自分では迷ってしまうという場合も、セラピストがアロマオイルをかがせてくれ、選んだ香りからオススメのメニューを選択してくれます。
■素足や爪などのパーツケアをしてくれるトリートメントも受けられます
さらに、日本ではザ・ペニンシュラ東京に初ローンチしたことで話題になった、著名なフランス人ポディアトリスト(足治療の専門家)、バスチャン・ゴンザレスが展開する「ペディ:マ二:キュア:スタジオ」も!
ネイル・カラーを塗るのではなく、自身の爪が本来持つ美しさを引き出してくれるトリートメントで、人に見せたくなってしまう自慢の素足&すっぴん爪を手に入れることができるのです。手と足の両方のケアがセットになったメニュー「バスチャンズ・デュオ」は、二人がかりで手と足のトリートメントを同時にシンクロさせながら進行するので、気分はまさしく「プリンセス」です。
到着後すぐに、
その他、スパ内にはカップルが一緒に施術を受けることのできるカップル用ルームや、人生最良の日を演出し、大きな鏡が気分を盛り上げるブライド専用のルームも新設されました。
■ヘリコプター送迎やクルーザーで心ゆくまで贅沢な体験を
レストランやスパ以外にも、贅沢なサービスがたくさん。なかでもヘリコプターやクルーザー、そして何より忘れてはいけないのが、美しい白砂のビーチです。
モーリシャスの東海岸でも、北の方に位置しているこのホテルへは、国際空港から車だと1時間ほどかかりますが、ヘリコプター送迎を利用すればなんと15分で到着してしまいます。1分1秒でも長くリゾートに滞在したい場合や、車酔いしやすい方にもおすすめです。敷地内にあるヘリパッドは、送迎だけでなく「海中の滝」などを見に行く遊覧飛行にも利用できます。
さらに改装後のリゾートの自慢のひとつが、1950年代に建造された55フィート・クルーザーの「レディ・リズベス号」。エリザベス女王のために建造された船で、新たにこのホテルの宿泊客のみ、ゲーム フィッシングやプライベートダイニング、スパのサービスなど、自由な使い方でチャーターできるようになりました。文字通りの「女王」体験ができてしまうのです。
そして忘れてはいけないのが、このリゾートが持つ三日月形の美しい白砂のビーチと、半島突端の砂洲。
女優シャロン・ストーンをして「自分が今まで行ったことのあるビーチの中で、一番きれいな場所」と言わしめた、輝くホワイトサンドとターコイズブルーのコントラストを、心ゆくまで堪能してください。
「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」内の絶品レストラン
モーリシャスのホテルを選択する際に、無視できないのが食事です。多くのホテルが街中から離れた美しいビーチ沿いに建っているので、モルディブのように、必然的に食事をホテル内で取ることが多くなるためです。そのためレストランのクオリティは、休暇での滞在の良し悪しを決定する重要なファクターとなります。
新生ワン&オンリー・ル・サンジェランのレストランのラインナップは、メインレストランである「ラ・テラス」、グリルレストランの「プライム」、タパススタイルとアジア料理を融合させた「タパサケ」、新鮮なシーフードが自慢の「ラ・ポワント」、そしてベーカリー&カフェの「ラルチザン」の5軒。
特筆すべきは、これらのレストランを統括するのが、ミシュランスターシェフのマルク・ド・パッソーリオ。かつてプロヴァンスにおいて開店後、わずか7か月でミシュランの一つ星を獲得したことで、世界をあっと言わせた気鋭のシェフを抱えているのです。
ちなみにディナー時のレストランではドレスコードがあるので、パッキングの際に忘れないように気をつけましょう。男性の場合、ジャケットとタイは必要ありませんが、最低でも襟付きのシャツとロングパンツ、革靴は必要です。折角なので、リゾートならではのドレスアップでキメて、お食事だけではなくファッションもともに楽しみたいものです。
■メインレストラン「ラ・テラス」
ライブキッチンをしのぐ「ライブクッキング」。まるでスタジオのような距離間で、ウエイターよりも多い?と感じるくらい大勢いるシェフたちが、それぞれのコーナーで、朝食時から文字通り目の前で調理してくれます。
おすすめ料理も並んでいますが、素材から調味、火の通し加減まですべてのわがままを聞いてもらうこともできます。ダイエットを忘れたエピキュリアンになったとしても、数日の短い滞在では、すべてのコーナーのお料理を制覇するのは難しそうです。
■グリルレストラン「プライム」
エッジィなインダストリアルテイストを取り入れたグリルレストラン「プライム」では、オーストラリア産のアンガスや和牛ビーフ、新鮮なローカルシーフードが、季節の野菜とともにスタイリッシュにサーブされます。
■タパス×アジア料理「タパサケ」
寿司・鉄板焼きカウンターのみならず、韓国風焼き肉グリル、タンドーリ窯まで! 「タパサケ」ではタパススタイルのアジア料理を網羅。
■シーフード料理「ラ・ポワント」
「ラ・ポワント」のキッチンカウンターには、捕れたての新鮮な魚介類がまるで市場のように並んでいます。選んだシーフードがサーブされるプレートは、ノスタルジーあふれるキッチュなホーロー製と遊び心も満点。
マグロのタルタルにマンゴーが忍ばせてあったり、デザートのクリームにタイムなどのハーブで香りがつけられていたりと、モーリシャスのテイストがやさしく加えられています。
ラ・テラスに面しているメインプールはアダルトオンリーですが、ラ・ポワントのプールはファミリーも利用OKです。お気に入りのカバナ(プールに面した小型客室)には、早めに予約を入れておきましょう(無料)。
■ベーカリー&カフェ「ラルチザン」
焼きたてのペストリー、美しいマカロン、チョコレートファウンテンなどなど、スイーツ好きには堪らないスペースとなっています。メニューにはサラダやサンドイッチなどの軽食もあります。
問い合わせ先
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以上、モーリシャス島での滞在に必要な基礎知識や、大人の女性におすすめしたい観光地・ホテルなどをご紹介しました。モーリシャスのバカンスに行かれる方の参考になれば幸いです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 伊藤みどり
- EDIT :
- 渋谷香菜子