雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、「1.618 Paris」創始者 バルバラ・コワネさんの活動をご紹介します。
サステイナブル×ラグジュアリーの最先端を紹介し続けるコンサルタント
’09年にパレ・ド・トーキョーで初開催されたサステイナブルかつラグジュアリーなブランドの展示会「1.618 Paris」。バルバラさんが立ち上げ、その後も開催されている影響力のあるイベントだが、「発案当初は誰もそんなことに興味をもってくれなかった」と振り返る。
「私はアタッシェドプレスの会社を経営し、30年以上ファッション業界で働いてきました。サステイナブルについて考え始めたのは’07年頃。たまたま社会学者と仕事をしていた関係で、『ラグジュアリーの未来』の研究(※)に関する情報を知り、湧き上がりつつあった想いに火がついたんです」
バルバラさんは、電気自動車のテスラモータースや、サステイナブルに関する認証を世界で初めて取得したホテル・フーケッツグループなど、すでに持続可能な開発に取り組んでいる約30のブランドを世界中から探し出し、パリの人々に紹介した。イベント会場では電気をいっさい使わず、照明は自作、紙の使用は制限、プラスチック素材は不使用というチャレンジを実行。大きなインパクトを与えたのである。
イベントタイトルの「1.618」は、黄金比を表す数字。世界を完璧なバランスへと導くべく、バルバラさんたちは歩みを止めない。専門家の検証を経たブランドだけが参加できるプラットフォームをつくり、信頼性を高める。適切なパートナー探しをサポートする。ショールームやポップアップストアなどのアートディレクションも担当する。総合的なコンサルタントとして関わっていく。
「今年度も世界から約50のブランドを紹介する予定です。日本からもぜひ参加してほしいですね」
【SDGsの現場から】
●国内外の知る人ぞ知るブランドを紹介
●サステイナブルを意識したイベント会場
※「ラグジュアリーの未来」の研究とは…名だたるラグジュアリーブランドを擁するフランスでは、社会への影響力の大きさから、ファッションへの社会学的なアプローチも盛ん。
- PHOTO :
- Yusuke Kinaka
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT&WRITING :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- Noriko Ishizaka