「普遍的」とは「広くすべてのものに当てはまるさま」という意味の言葉です。同じ読み方で「不変的」という言葉もありますが、あなたはこのふたつをきちんと区別できていますか?「普遍的」の詳しい意味や、「普遍的」をさらに深く理解するための例文、類語・対義語もご紹介します。
【目次】
- 「普遍的」を深く知るための「基礎知識」
- 「普遍的なもの」への理解が深まる「例文」5選
- 「普遍的」と「不変的」、どう違う?
- 「普遍的」と同じ意味で使える「類語」「言い換え」表現
- 「普遍的」の「対義語」は?
- 「普遍的」を英語で言うと?
【「普遍的」を深く知るための「基礎知識」】
■「読み方」は?
「普遍的」は「ふへんてき」と読みます。
■「意味」を端的に言うと?
「普遍的」の「普遍」には、「広くすべてのものに当はまること」という意味があります。「普遍」を構成する「普」と「遍」という漢字はどちらも「あまねく」と読み、「すべてにわたって広く。一般に」という意味をもっているのです。同じ意味をもつ漢字をふたつ重ねた「普遍的」は、多く「普遍的な」として用いられ、「例外なくすべてのものに当てはまるような」「極めて多くのものに当てはまるような」という意味で使われます。
【「普遍的なもの」への理解が深まる「例文」5選】
「普遍的な」という言葉で修飾される言葉といえば、例として「真理」や「価値」などが挙げられます。「普遍的な真理」とは、「すべてのものに当てはまる真理」であり、「人類にとって普遍的な価値」であれば「すべての人にとって価値がある」という意味になります。
■1:「生あるものは必ず死を迎える。これは普遍的な事実だ」
■2:「世界文化遺産はその国の人のみならず、人類にとって普遍的な価値をもっている」
■3:「生きることの意味を追求するのは、人間の普遍的なテーマだ」
■4:「世界中でいつの時代にも、神は普遍的に存在する」
■5:「このブランドがもつ普遍的なデザインの美しさが、世界中の女性を魅了してきた」
【「普遍的」と「不変的」、どう違う?】
「普遍的」の同音異義語に「不変的」という言葉があります。「不変」とは「変わらないこと。変化しないこと」。つまり「不変的」は「変わらない、いつも同じなさま」という意味で、「普遍的」とは意味が異なるのがわかりますね。「普遍的」は「世界中どこでも当てはまる」、「不変」は「時代が変わっても変わらない」というニュアンスでしょうか。
【「普遍的」と同じ意味で使える「類語」「言い換え」表現】
漢字では「遍く」もしくは「普く」。「すべてにわたって広く。一般に」という意味の形容詞で、「普遍」にとても近い言葉です。
■一般的
「一般的」とは「特殊な事物・場合についてだけでなく、広く認められ行き渡っているさま」。「普遍的」とは異なり、「すべてに」という意味はなく、もう少しゆるやかに「広く全体に」というニュアンスです。
■ユニバーサル
カタカナ語の「ユニバーサル」にはふたつの意味があり、ひとつは「一般的であるさま。すべてに共通であるさま。普遍的」。もうひとつは「宇宙的なさま。全世界的」という意味で使えます。
【「普遍的」の「対義語」は?】
■特殊な
「特殊」は「限られた範囲のものにしか当てはまらないこと。また、そのさま」という意味をもち、辞書にも載っている「普遍」の対義語です。
■個別の
「個別」は「いくつかあるもののそれぞれひとつひとつ」。「すべて」を指す「普遍的」とは異なり、個別に存在していることを示した言葉です。
■唯一の
「唯一」は「ただひとつであること」。こちらも「すべて」を表す「普遍的」とは反対の意味をもつ言葉です。
【「普遍的」を英語で言うと?】
[universal design]という言葉をご存じですよね? これは「高齢であることや障害の有無などに関わらず、すべての人が快適に利用できるよう製品や建造物、生活空間などをデザインすること」。「普遍的」を表す英単語は「universal(ly)」です。
[universal rules(普遍的法則)]や[a universal trend(一般的傾向、世界的傾向)]などのようにも使われます。
・That is a universally acknowledged truth.(それは普遍的に認められた真実だ)
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いかがでしたか?「普遍的」は哲学的な深みを感じさせる言葉です。「普遍的な美しさ」「不変的な美しさ」「一般的な美しさ」…言葉の違いから受けるイメージも、随分違いますね! こうした言葉のニュアンスの違いを感じ取れることも、大人の語彙力なのです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館)/『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館) :