ここ数年来、世界でもっとも入手困難な時計 ──それが「オーデマ ピゲ」の“ロイヤル オーク”です。「高級時計=ドレスウォッチ」という既成概念を覆し、「スポーティなのにラグジュアリー」という新たな分野を確立させたこのアイコニックな名品。昨年、誕生50周年という大きな節目を迎え、数多くの新作を発表しただけに、「2023年は他モデルに全力投球するのかな?」と思いきや! 今年も早々に新たなバリエーションを発表し、コレクションを拡充させました。
ホワイトゴールドとスモークブルーダイヤルがノーブルに響き合う3モデル
まず注目したいのが、世界に先駆け2023年5月から日本先行発売されるホワイトゴールドの特別モデル3種。シンプルなオートマティック、クロノグラフ、フライングトゥールビヨンという展開で、いずれもいかにも“ロイヤル オーク”らしいグランドタペストリーのスモークブルーダイヤルです。
「いかにも“ロイヤル オーク”らしいグランドタペストリー」と先述しましたが、「グランドタペストリー」とは、文字盤に施された格子状のギョウシェ彫りの模様の名前で、“ロイヤル オーク”のデザインシグネチャーのひとつ。実はこの「グランドタペストリー」は、1世紀ほども昔から時計学校では教えられなくなった稀少なノウハウを必要とする、非常に複雑な工程から生まれるもので、「オーデマ ピゲ」はその伝統を大切に継承し続けているのです。
シンプルなオートマティックから、フライングトゥールビヨン搭載のコンプリケーションまで、3モデルすべてケース径は41mmというジェンダーレスなサイズ。実際に手にするとその数字よりコンパクトに感じ、女性の手首にも違和感なく心地よくフィットし、クールな存在感を放ちます。
ジェンダーフリーなサイズ感が、旬のかっこよさを体現!
この3つの特別モデルは、2022年のコレクション50 周年記念の際に全体的にブラッシュアップされたデザインを継承。従来のものより、ケースの上側と下側の斜面幅がわずかに広くなり、全体のシルエットが軽やかになっています。だから41mm径でも、実際の数字より小顔に感じるのかもしれません。
また、ケースバックはケースの中央部にわずかにはめ込まれ、手首によりフィットし装着感が向上。ブレスレットの最初のコマは、ケースの12時側も6時側も長方形ではなく台形にすることで、ブレスレットが滑らかに細くなるエレガントなラインを構築しています。
■1:3針 + スモールデイトの、シンプルビューティなオートマティック
■2:ラグスポ感がいっそう際立つ、3つ目インダイヤルのクロノグラフ
■3:バゲットカットダイヤモンドが輝く、フライングトゥールビヨン
誕生から50年の歳月のなかで、実に500以上のモデルを展開し進化を続けてきた“ロイヤル オーク”。うれしいことに、2023年はより女性に光を当てたコレクションが展開されています。次回は、今後「女性にしか販売しない」と思い切ったアナウンスがされた、ケース径30mm代の“ロイヤル オーク”をご紹介します!
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- TEXT :
- 岡村佳代さん 時計&ジュエリージャーナリスト