若者世代で使われている「はにゃ」という言葉。「懐かしい! でもどうして今?」と思った人も多いのでは?「はにゃ」は、「あれ?」に近いニュアンスで使われる言葉です。今回は「はにゃ」が流行った経緯や使い方について解説します。
【目次】
【若者言葉「はにゃ」についての「基礎知識」】
■意味
「はにゃ」とは、相手の発言が理解できないときや、あえてとぼけるときに使う感動詞の一種です。「あれ?」に近いニュアンスで使うため、語尾を上げ、疑問形のように用いられます。いわゆる「ぶりっこ」のようにとぼけたり、少々煽り気味に「はぁ? 今なんて言った(怒)?」的な意味合いでも使われます。
■由来は?
「はにゃ」は主に動画サイトで活躍する、物まね芸人・丸山礼さんの持ちネタのひとつです。美術部部長の井上千晶というキャラクターが度々口にして注目され、「2021年上半期インスタ流行語大賞」では流行語部門で1位を獲得しました。このため、「はにゃ」が最近の言葉だと思っている人もいるようですが、実はそのルーツは、もっとず〜っと古いのです。
「はにゃ」の元ネタは、今から約40年前の1980年代に放送されていた、NHKの子ども向け番組『おーい! はに丸』。着ぐるみ劇の主人公「はに丸王子(なんと、主人公は埴輪だったのです!)」の口癖こそが、「はにゃ」でした。何か不思議に思ったときや驚いたときなどに発する「はにゃ?」が可愛らしいことから、放送当時も流行しましたよ。
【「使い方」がわかる「例文」5選】
「はにゃ」は、何か不思議に思ったときや驚いたとき、感心したときなどに、「あれ?」「まぁ!」のようなニュアンスで使われますが、相手の言った内容に対してとぼけるときに使われることも多いようです。
■1:「アイドルの○○、△△と付き合ってたんだって!」
「はにゃ!」
■2:「今日、〇〇持ってきてって言ったよね?」
「はにゃ?」
■3:「なんか隠しごとしてるでしょ?」
「はにゃ?」
■4:「あれ?ダイエット中では?」
「はにゃ?」
「はにゃ」は相手の言葉に対して、少々煽り気味に「はぁ? 今なんて言った(怒)?」といったニュアンスでも使われます。
■5:「説明してもどうせわからないと思うよ」
「はにゃ(怒)?」
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若者世代が「はにゃ」のルーツを知っているのか否かはわかりませんが、仲間意識を共有するノリのよい流行言葉のひとつとして、「はにゃ」はリバイバルヒットを果たしました。元ネタをリアルに見ていた世代には懐かしいやりとりですが、「はにゃ」はあくまで「仲間同士」で使う言葉。あまり親しくない後輩などに対して、いきなり「はにゃ?」と使ってしまうと、「はにゃ?(返し方に迷う)」と思われてしまいます。相手を困らせない配慮も、大人の語彙力のひとつですね。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『現代用語の基礎知識』(自由国民社) :