“母” ジェーン・バーキンの素顔に娘のシャルロット・ゲンズブールが迫る初監督作品【映画『ジェーンとシャルロット』】2023年8月4日(金)から全国にてロードショー
俳優、歌手として世界で活躍し、ファッションアイコンとしても一時代を築いた女性、ジェーン・バーキン。今年7月16日に76歳で帰らぬ人となったジェーンの貴重な素顔を、次女で俳優、歌手、そして映画監督としてキャリアを輝かせるシャルロット・ゲンズブールが初監督作で描いた映画『ジェーンとシャルロット』が本日(2023年8月4日)日本公開となります。
撮影は2018年からスタート。映画の冒頭は、親子で訪れた日本でのシーンから始まります。当初、2人の間に存在する微妙な距離感が、撮影が進むにつれて次第に変化を見せはじめる様は、まさにドキュメンタリーならではの醍醐味。
母娘がこれまで心に秘めてきた思い、そして知られざる苦悩…。伝えられなかった心情が少しずつあふれ出すとき、真実だからこその感動が見る者の心を突き動かします。映画『ジェーンとシャルロット』について、詳しくご紹介します。
映画『ジェーンとシャルロット』Introduction
2018年、東京。シャルロット・ゲンズブールは、母であるジェーン・バーキンを見つめる撮影を開始した。これまで他者を前にしたときに付きまとう遠慮の様な感情が、母と娘の関係を歪なものにしてきた。
自分たちの意思とは関係ないところで、距離を感じていた母娘。ジェーンがシャルロットの父であるセルジュの元を離れ家を出て行った後、父の元で成長したシャルロットには、ジェーンに聞いておきたいことがあったのだ。3人の異父姉妹のこと、次女である自分より長女ケイトを愛していたのではという疑念、公人であり母であり女である彼女の半生とは一体どんなものだったのか。シャルロットはカメラのレンズを通して、初めて母親の真実と向き合うことになる。
真実のジェーン・バーキンの姿が収められた、歴史に名を残すドキュメンタリー作品
シャルロットが監督デビューを果たした本作は、日本、ニューヨーク、パリで撮影され、母であるジェーンがこれまで誰にも語ることのなかった娘たちへの思い、パブリックイメージとの狭間で感じてきた苦悩や後悔、そして最愛の娘・ケイトを自死で失い、深い哀しみのなかで過ごしてきた経緯が、自身の口で語られていきます。
フランス・ブルターニュにあるジェーンの別荘でも撮影が行われ、洗練されたプライベートな空間を存分に堪能することができます。後ろに映るのは、シャルロットの娘で映画にも出演している、ジョー・アタル。
シャルロットが飼う犬を選びに、一緒にブリーダーを訪れたジェーン。子犬の愛らしさに、以前飼っていた愛犬を思いだし、ほほえましいエピソードを披露します。
シャルロットの父で、作詞・作曲家、映画監督、歌手と、幅広いジャンルで活躍した俳優のセルジュ・ゲンズブール。かつてジェーンも一緒に暮らしていたパリのヴェルヌイユ通りにあるセルジュの家「メゾン・ゲンズブール」を2人で訪れます。ジェーンが過去の自分と対峙する姿は、感慨深いシーンに。
セルジュ亡き後、シャルロットが管理してきたこの「メゾン・ゲンズブール」を一般公開しようと、今年の秋を目処に準備が進められているのだそう。たばこの吸い殻や、使いかけの香水など、家主がいなくなった後の時間の経過を感じさせない空間に驚かされます。
ジェーン・バーキンがキッチンに立つ姿や、年齢を重ねて感じる体の変化に戸惑う心情、かつて子育てに悩んでいた母としての気持ちを吐露する場面など、素顔のジェーンをこれだけさらけ出せるのは、レンズの先に大事な娘がいるからなのだと、シャルロットへの深い愛情に胸を打たれます。
あのチャーミングな笑顔にもう会えない寂しさは募るばかりですが、私たちPrecious世代に勇気と、そしてこれからの生き方のヒントをもらえるような感動のドキュメンタリー『ジェーンとシャルロット』は本日 2023年8月4日(金)より、全国にてロードショーとなります。
◇映画『ジェーンとシャルロット』
監督/シャルロット・ゲンズブール
出演/ジェーン・バーキン
シャルロット・ゲンズブール
ジョー・アタル
(2021年、フランス映画 92分)
公開/ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国にてロードショー(詳しくは下記公式サイトにて)
配給/リアリーライクフィルムズ
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- (C)2021 NOLITA CINEMA – DEADLY VALENTINE PUBLISHING / ReallyLikeFilms
- EDIT&WRITING :
- 松野実江子