ムッシュ・ディオールの美意識を揺るぎない背景に、進化とともに輝きを増すラグジュアリーブランド・ディオール。だからこそ、ひとつひとつのアイテムに設立時から現在へとつながる、エレガンスの物語がひそんでいるのです。バッグ、シューズ、ウエア、アクセサリーの順番に、その名品をご紹介していきます。
■Dior(ディオール)のバッグ
Lady Dior(レディ ディオール):籐の網目模様から生まれたメゾンを象徴するモチーフ
ひと目でディオールとわかる象徴的な柄=「カナージュ」。それは、ムッシュが、自身初のコレクションでエレガントな顧客のために用意したナポレオン三世様式の椅子の模様からヒントを得た歴史的なモチーフです。それをブランドシグネチャーとして定着させたのが、1995年に発表された、ラムスキンにステッチで「カナージュ」柄を表した『レディ ディオール』です。斬新なアレンジで更新される「カナージュ」もまた、エレガントなモードバッグの「今」を物語る存在なのです。
Lady Dior(レディ ディオール):実用とエレガンスを備え、ムッシュが最も愛した色
「クチュールのグレー」「感動のグレー」「ため息のグレー」…独特の表現とともにムッシュ・ディオールは、ほぼすべてのコレクションに使うほど、この色を愛していました。なぜならば、幸福な幼少期を過ごしたグランヴィルの館の屋根の色だから…。ベーシックで実用的な色でありながら、幸福感をも授けてくれるから…ディオールのグレーは、ワードローブに欠かせないのです。
D Bags(頭文字Dのバッグ):ブランドの美意識を宿した才色兼備なラインナップ
着こなしだけでなく所作もエレガントな女性へと導くこと。「D」を冠したバッグにはそうしたメゾンの哲学を継承する、つくり手の矜持が込められています。端正さと遊び心を備えたトート、2WAY仕様でどんなシーンでも気品を演出してくれるハンドバッグ、モードをさっそうと楽しめる存在感のあるチェーンショルダー…。現代女性のライフスタイルに応える多彩なラインナップも必見。機能的でエレガントなバッグを探すなら「D」が目印です!
J'ADIOR(ジャディオール):いきいきとした女性像を表すメゾンの新しいテーマ
2017年、コレクションで洋服から小物までさまざまなアイテムに登場するのが、「J'ADIOR(ジャディオール)」という新しいキーワードです。これは、メゾン初の女性ディレクターが掲げる既存の概念にこだわらない女性像の象徴として、フランス語の「私」=Jeと、「好き」=AdoreにDIORをかけ合わせた造語です。迫力のあるロゴを前面のベルトに配したバッグは、次なるイットバッグとしても要チェックです!
Dior Oblique(ディオール オブリーク):1970年代を彷彿とさせる、注目のヴィンテージテイスト
ブランドロゴが階段状に斜めに並ぶ「ディオール オブリーク」は、'70年代にさかのぼる歴史的なファブリックです。ヨーロッパ・フランドル地方の、タペストリーに用いられるやわらかくしなやかに織り上げられたコットン混ジャカードは、'70年代当時と変わらないクラフツマンシップから生まれるもの。メゾンの伝統をしっかりと受け継いで、ヴィンテージテイストが注目される今シーズン、ひときわ気になる存在!
Leather goods(レザーグッズ):小さくても堂々たる存在感はバッグと同じこだわりゆえ
細部まで行き届いた繊細な美意識を感じさせるのが、レザーグッズです。シーズンごとに展開される新作バッグと同じ素材・技術を駆使しているので、実はとても手が込んでいる特別なアイテムです。ヴィンテージ風のゴールドロゴが着こなしを旬に導くチェーンポシェット、取り出す手元を印象的に彩るスタッズ使いの『レディ ディオール』のカードケース…。さりげないシーンでも特別感が香り立つラインナップの充実ぶりから目が離せません!
■Dior(ディオール)の靴
Sneaker(スニーカー):いきいきとしたエレガンスを後押しする新しいスポーティ
女性アーティスティックディレクターが新風を吹き込んだ、2017SSシーズンのコレクション。エレガンスの革命を起こしてきたメゾンの最旬を象徴するのが、スポーティなイメージです。男女ともに共通する知的で優雅な様式美をもつスポーツ「フェンシング」が今季のモチーフのひとつ。代表的なレザースニーカーは、軽やかに美しく生きる現代の女性像に重なります。レザースニーカーは、フェンシングから着想を得た今季のコレクションを代表するアイテムのひとつ。エディ・スリマンへのオマージュである蜂モチーフも旬のポイント。
Roger Vivier(ロジェ・ヴィヴィエ):ディオール靴を手がけた名デザイナー
ムッシュ・ディオールが絶大な信頼を寄せたシューズ部門のパートナーをご存じでしょうか? その名は、ロジェ・ヴィヴィエ。彼へのオマージュとして特徴的なヒールを再現しつつ「J’ADIOR」の文字の入ったリボンで進化するエレガンスを表現しています。ロジェ・ヴィヴィエに捧げるオマージュ。ソールに配したラッキースターがひそかな楽しみ。
■Dior(ディオール)のアパレル
ロゴTシャツ:アディーチェ氏の著書と共鳴するメゾンの新しいマニフェスト
コレクションで掲げたメッセージ、「We should all be feminists」「男も女もみんなフェミニストじゃなきゃね」。これは、2014年に出版されたチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ氏の人種差別と女性の社会的地位を問うエッセイのタイトルに共感したもの。先入観をなくし、自由でパワフルな現代の〝ディオール〟の女性像をTシャツで語りかける気負いのなさも女性ディレクターのなせる業でしょう!
ロゴニット:上質でチャーミングな一着が大人カジュアルをかなえる!
歴史的なスタイルやモチーフを振り返りながら、新しいディオールのイメージを打ち立てる提案が見る人を楽しませた、今回のコレクション。軽やかで若々しいエッセンスは大きなトピックスです。ムッシュ・ディオールと縁のある「タロット」や星を配したグレーのカシミアニットは、その好例です。ラフに見えて、金糸や銀糸、ビーズを巧みに使い分け、見れば見るほど、繊細な手仕事が心に響く刺しゅうもラグジュアリーを知る大人が心ときめくポイント!着ていると必ずほめられそうな完成度なのです。
■Dior(ディオール)のアクセサリー
スカーフ:2017年のデザインテーマ「タロット」は、ムッシュへのオマージュ
偶然の幸せや運命的な出会いを大切にしていたムッシュ・ディオール。今季のコレクションでさまざまなアイテムに登場する「タロット」をテーマにしたモチーフもそうした彼のジンクスからインスピレーションを得たものです。それぞれが意味をもつカードの絵に、星やハート、蜂、クローバーなどチャーミングなアイコンをちりばめて。精緻なハンドワークを駆使した幻想的な図柄の美しさはいつまでも見ていたいほど…!
スカーフ:星のラッキーチャームが大人かわいいモードに進化!
クール派の女性もときめくのが、軽やかに躍動する星のアイテムです。ひとつひとつの星の中央に描かれた小さなホールにお気づきでしょうか? これは、ムッシュ・ディオールが幸運のお守りとして大切にしていたオブジェがデザイン源だから。いきいきと輝く現代女性のシンボルとしてモードに昇華するチャーミングな遊び心も、ディオールの最旬の魅力です!
ネックレス:蜂・8・星・ハート・ロゴモチーフは、世にもおしゃれな幸運のお守り
蜂やNo.8、ハート、星…圧倒的にラグジュアリーなクリエイションのなかにかいま見える、チャーミングなアイコンモチーフ。その意外性もまた、ディオールが女性たちを夢中にさせる理由です。実はこれらは、迷信深いムッシュ・ディオールが、自らのお守りとして持ち歩いたチャームから想起されたもの。後年、メゾンを継承した多くのクリエイターたちにとっても、運命的なデザインモチーフなのです。そのことを知ってアイテムを見直すとますます、ディオールエレガンスを身近に、親しみやすく感じます。
ピアス:耳たぶを挟むピアスは後ろ姿もチャーミング!
インスピレーション源を大胆に解釈して、独創的なモードへと高めるのもブランドの個性。もともと部族文化から着想を得た『ディオール トライバル』ピアスは、その好例です。前後で大きさが異なるパーツを使って耳たぶを挟むダブルキャッチは、前から見ても後ろから見ても絵になるユニークなデザインでおしゃれ通を魅了!
■GINZA SIXのブティック「ハウス オブ ディオール ギンザ」の限定アイテム
ミニバッグ:タロットをモチーフにしたスクエア型のクラッチバッグ
「アール・ド・ヴィーヴル」を大切にしたムッシュの世界観を再現するのが、2017年4月20日に「GINZA SIX」にオープンした「ハウス オブ ディオール ギンザ」。それを記念して発売されたのが、手作業によるエングレービングと繊細な色使いのエナメル彩色で「タロット」の図柄を表現した、ミノディエール(ミニバッグ)です。アートの領域に限りなく近づいた存在感が大人の女性を魅了します。
時計:洋服と同じ美意識を宿した手元のためのジュエリー
すべてのアイテムに、メゾンのエッセンスがいきいきとちりばめられていること。これもディオールの世界をまとう楽しみのひとつです。それを最もさりげなく、最もラグジュアリーに表現しているのがジュエリーやウォッチです。たとえば、フェースもストラップもピンクで統一されたウォッチは、グランヴィルの邸宅の色を優美に表現しています。
※掲載した商品はすべて税抜です。掲載した情報は2017年4月7日時点のものです。
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- 唐澤光也・崇髙聡子(パイルドライバー)