2023年6月9日、ブルガリ ホテル ローマがオープン。
ミラノ、ロンドン、バリ、ドバイ、北京、上海、パリ、東京に次ぐ9番目にしてついに、ブランド創業の地に誕生したことに対する「特別な想い」とは?
ブルガリ グループ エグゼクティブ バイスプレジデントとして、ブルガリ ホテルの世界各地への展開を統括するシルヴィオ・ウルシーニ氏に伺いました。
ブルガリ ホテルが本拠地ローマに待望のオープン!
「9つ目のホテルとして、ブルガリ ホテル ローマがオープンしました。
これまでのどのホテルも自分の子供のようで、オープニングのときは自分の子供がデビューするように感じていたのですが、なかでもローマは、自分たちのホームタウン。
スペシャルでいつもとは違う感覚があり、非常にユニークな体験でした」
「ブルガリの本拠地であるローマで開業するということで、お客様によっては、5世代に渡ってブルガリをご愛用いただいており、ブルガリへの想いというのが、非常に深いものをお持ちの方々がいらっしゃる。
その方たちの期待感というのを感じていましたし、プレッシャーもありました」
ブルガリ ホテル ローマの魅力とは?
「このホテルはブランドのお膝元のローマにあり、フラッグシップという意味でもとても特別です。
そこで、我々が最も注力したのが“ロケーション”です。これは非常に重要でした」
「例えばブルガリでジュエリーを作るときに石が特別な物でないと、いくら素敵なデザインを組んでもその価値が劣ります。
それと同じように、そのジュエリーにおける“石”というのが、ホテルにおける“ロケーション”だと考えています。
そして、約10年前にやっとこちらの場所を見つけ、パーフェクトな場所であると確信しました。
なぜパーフェクトかというと、ローマの中心地に近く、とても便利な立地でありながら、空気感や風通しも良く、同時に歴史も感じられるからです。
アウグスト・インペラトーレ広場に位置し、コンドッティ通りにあるブルガリの旗艦店からもほど近い理想的な立地。
特に、ホテルから『アウグストゥスの霊廟』と『アラ・パチス祭壇(初代ローマ皇帝アウグストゥスの治世にもたらされた平和を祝うためのモニュメント)』が見えるということが非常に大きなポイントになりましたね」
「ほかにもブルガリ ホテル ローマには、とてもユニークなポイントがあります。
まずは“色”です。色というのはブルガリにとって非常に重要ですのでそれを活かすことを意識しました。
大理石やカーペットなどの色使いにはこだわりました。
また、イタリアのクラフツマンシップというものをしっかり感じられるホテルというのをどう表現するかということも意識しました。
各国のブルガリ ホテルというのは、その土地の文化を取り入れるようにしています。例えば日本でしたら、木や西陣織のエレメンツを取り入れたりしています。
そこで、ローマではイタリアのクラフツマンシップをしっかり表現したいという想いで、ガラスですと『ムラーノガラス』を使用するなどしています。
伝統と歴史をしっかりリスペクトしながらも、現代的なものを表すということにおいては、伝統的なクラフツマンシップというものをどのように取り入れるかに苦心しましたね」
歴史や伝統と、現代的ホテルを結びつけるデザイン
「現代的なアプローチに歴史や伝統を結びつけるというのは、とても大事なポイントで課題になった部分でした。
例えば京都の街のように、伝統を守りながらも現代性を感じさせるということをいかにして達成するか、を意識しました。
現代的、新鮮味、時を超えてタイムレスに感じさせる、というところが非常に大きなポイントになっています」
「そして、建物の面でのチャレンジもありました。1930年代からあるこの建物の使用において、政府との間にたいへん細かいやりとりがありました。
それは非常に困難を極めましたし、それに加えて、この建物のクオリティや安全性をチェックすることもスムーズにはいきませんでしたね。
そういった苦労はありましたが、ローマの歴史の根源、素晴らしさを感じられるホテルができあがったことにはたいへん満足しています」
「イタリア人が誇るローマ帝国の歴史的建造物に囲まれてここに滞在することで、歴史と一体となり、歴史を感じながら素敵な時間を過ごしてもらえると思っています」
ローマの歴史が香る地に佇み、最高のホスピタリティーで迎えてくれるブルガリ ホテル ローマ。
イタリアンコンテンポラリーと歴史と伝統が融合したそこでの滞在は、究極のラグジュアリー体験を約束してくれるでしょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部