袖を通す時だけいい顔をし、脱衣後は素っ気ない態度を取っていてはいけない。美しいパートナーと共に同じ時を刻みたければ、常に相応のアイテムでもてなす意識が必要だ。良質なブラシで塵や埃を払い、ハンガーにかけながら美しいプロポーションを保ってあげる。最先端テクノロジーを借りるのもいい。それによって常に我々は着る以外の楽しみが感じられるのだ。

頼もしさを実感するケアグッズ3品

イシカワブラシ

ブラシ¥50,000(伊勢丹新宿店〈イシカワ〉)
ブラシ¥50,000(伊勢丹新宿店〈イシカワ〉)

メンテナンスの手間に二の足を踏む大人は多いだろうが、ジャケットをハンガーにかける前のブラッシングならさして問題はないだろう。実は、そのブラッシングひとつでアイテムの持ち具合も変わってくる。国内きっての高級洋服ブラシ「イシカワ」のそれならなおさらだ。横浜にブラシ工房を構える石川和男氏が作るブラシは、一頭の馬からわずかしか採れない、尻尾の根元に生えている希少な尾脇毛を使う。これがまた不思議な毛で、羽毛のように柔らかいのだが、程よいコシもあるのだ。そのギャップにきっと誰もがクセになるにちがいない。だからブラッシングのひと手間も苦にならなくなるという次第。

NAKATA HANGER

左からジャケットハンガー¥30,000、スーツハンガー¥12,000、パンツハンガー¥2,500(NAKATA HANGER )
左からジャケットハンガー¥30,000、スーツハンガー¥12,000、パンツハンガー¥2,500(NAKATA HANGER )

何を基準に最良のハンガーと言うのか。ひとつにハンガーの肩幅が挙げられる。洋服、特にスーツは、人間が着用した際にベストとなるよう生地を裁断し縫製しているが、その首、肩、背中へ近づけたハンガーこそ最良とされている。その点、70年余もハンガーを作り続け、日本人の体型をよく知るNAKATA HANGERのそれなら疑いの余地はない。特にNHコレクションは、一枚の板から削り出すつなぎ目のないハンガーで、襟元を美しく見せるトレンチと呼ばれる溝が特徴。職人の手により生み出された各所の湾曲の美しさは、「ホテルでこのハンガーを見かけたら一流ホテルの証」と言わしめたほど世界中のエグゼクティブを魅了している。

パナソニック

本体サイズ、幅400×奥行き88×高さ281mm、520g。カラー ブラック。衣類用カバーが付属。脱臭ハンガー 『MS-DH100 』オープン価格(パナソニック 家事商品ご相談窓口 )※実勢価格2万円前後(編集部調べ)
本体サイズ、幅400×奥行き88×高さ281mm、520g。カラー ブラック。衣類用カバーが付属。脱臭ハンガー 『MS-DH100 』オープン価格(パナソニック 家事商品ご相談窓口 )※実勢価格2万円前後(編集部調べ)

ハンガーは本来、型崩れやシワを防止する道具である。だから目に見えないもの、例えば臭いに関しては専門外。ただ男にとって臭いは死活問題だ。その問題を解消してくれるのがパナソニックの脱臭ハンガーだ。聞けば、不快なニオイを抑える効果があるOHラジカル(高反応成分)を、ナノイーの10倍含む微粒子イオンのナノイーXを発生させるとか。小難しいことはさておき、こちらに洋服をかけておけば翌朝には、付着したタバコや焼肉のニオイ、さらには花粉すら抑えてくれる。オーセンティックなアイテムを長く愛する上で、テクノロジーにあやかるのも悪くない。

※価格は特記したものを除きすべて税抜です。

問い合わせ先

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
PHOTO :
西山輝彦
STYLIST :
河又雅俊
WRITING :
菊池 亮