インテリアとして楽しむ「地球儀」

くるくる回して眺めているだけで、世界を旅している気分になれる「地球儀」。昔懐かしい子どもの学習道具のイメージですが、実はインテリアに映えて、大人も楽しめる「地球儀」がたくさんあるのをご存知でしょうか?

そこで今回は、東京・日本橋人形町に実店舗を構え、常時約150種類の地球儀がそろう「地球儀専門店」の店長・小田五月さんに、最新の地球儀事情を伺いしました。アナログなイメージがある地球儀ですが、実は日々最新状態にできるものあるのだそう。「地球儀」の魅力や選び方、購入後のメンテナンスについても詳しくご紹介します。

■国のトップにも愛される最高級の「地球儀」

—「地球儀」の魅力とはどんなところでしょうか?

「やはり平面の地図とは異なり、球体で地形や国の位置、航路などをよりリアルに確認できるところですね。もともと皇帝など世界のトップ層や、学者、冒険者など一部の人のみが使うことを許されていたという時代背景があります。

欧米では『地球儀』は大人のステータス、成功のシンボルのように扱われ、大きければ大きいほど格が高いとされてきました。なので、インテリジェンスな雰囲気を演出できるところも魅力です。また、仕事やプライベートでよく海外に行かれる方は、訪れた国に印をつけていくという楽しみ方も面白いですよね。自分ではなかなか購入しないものなので、贈り物にも喜ばれるアイテムのひとつです」

—ずばり、地球儀の最高額は?

「189万円(税込)のリプルーグル社(※1)製のディプロマット型地球儀です。球は直径81cm、円周2.5m、高さは121cmの大きさです」

※1:リプルーグル社は1930年にシカゴで創業し、現在は世界トップのシェアを誇る地球儀の老舗。
リプルーグル社製のディプロマット型地球儀。球は照明付き。ほかの地球儀と並べてみると、その大きさがわかる
リプルーグル社製のディプロマット型地球儀。球は照明付き。ほかの地球儀と並べてみると、その大きさがわかる

—それほど高級な地球儀は、どんな方が購入するのでしょうか?

「アメリカでは、ホワイトハウスに置かれているようです。日本でも政府関係、企業の重役室などいわゆる社会のトップと呼ばれる方々のご利用いただいています。そのほか、大学や図書館などの教育施設から、年に1台ペースでご注文があります。ただし、一般家庭用としての購入実績は、いまのところありません。ご購入後は、専門の配送会社が設置まで無料で承ります。(離島の場合は要相談)」

■インテリア製の高い「行政型」それとも“地球感”のある「地勢型」?

—では、もっと気軽に「地球儀」を取り入れるなら、値段以外にどんなポイントで選べばよいですか?

「地球儀は大きく分けて2種類あります。まず、国単位で区分されている『行政型』。国ごとに色分けされているので、国の位置や国境がわかりやすいのが特徴です。アンティーク風の色合いがおしゃれな雰囲気なので、よりインテリア性を求めるなら、こちらがオススメです。

もうひとつは、地形や標高、気候などをもとに区分されている『地勢型』。海は青く、山岳部分は茶色くペイントされているので、より“地球感”があるのはこちらですね。自然が好きな方はこちらを購入されます」

「行政型」の地球儀。球は東西だけでなく南北に転回できるものもある
「行政型」の地球儀。球は東西だけでなく南北に転回できるものもある

—個人のお客様が選ぶ地球儀はどんなものですか?

「土台は、スタンダードな卓上タイプか、ソファに座りながらでも眺められるフロアスタンドタイプが家庭用に選ばれることが多いです。意外と人気なのは架台タイプで、30万円台のものを一般家庭用に買われるお客さまが多いんですよ」

—ほかにはどんな種類があるのでしょうか。

「『ムーバグローブ』という電池や電源を使わない、ソーラーエネルギーと地球の磁力を使って半永久的に自動回転するものもあります。アクリル台座に地球儀が載っているので、宙に浮いているように見え、インテリア性が高いのも人気の理由です」

ソーラー電池で自転する「ムーバグローブ」。¥27,800(税込)〜
ソーラー電池で自転する「ムーバグローブ」。¥27,800(税込)〜

「最近は、ワイヤレスのタッチペンで地球儀をタッチすると各国や都道府県の情報が音声で流れる『しゃべる地球儀』も面白いですよ。日本語と英語のバイリンガル対応で、年齢に合わせて三段階の情報切り替えが可能です。クイズ機能もあるので、家族でお楽しみいただけますよ。日々変化する世界の情報をインターネット経由でダウンロードでき、最新状態にいつでも更新できます(※2)」

※2:更新料は1年 ¥2,500(税込)

■球の交換サービスを活用して、10年後も最新の情報を

天然石や貝を使ってハンドメイドした「宝石地球儀(8㎝)」¥10,500(税込)
天然石や貝を使ってハンドメイドした「宝石地球儀(8㎝)」¥10,500(税込)

—地図の内容が変わってしまったら、地球儀はそのまま使うしかないのでしょうか?

「まず、地図は常に最速でアップデートされているので、新品の地球儀なら購入時点でおおむね最新版だと思っていただいて大丈夫です。

購入後に国名変更や都市の統合があった場合は、球のアップデートサービスを行っているメーカーもありますので、利用してみてください。たとえば、リプルーグル社の場合は球のみ、またはモデルによっては子午環と球の交換をしてくれます。価格は本体定価の半分ほどですね。購入から10年後でもご利用いただけるので、長く愛用いただけますよ」

「子どもの進学祝い」のイメージの強かった「地球儀」は、実は大人のたしなみとして持っておきたいアイテムのひとつかもしれません。小さなものなら1万円台から購入可能、さらに半永久的に使用できるとなれば、一気にハードルが下がりますね。新居や新生活の新しいインテリアに、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 地球儀専門店 
  • 営業時間/10:00〜17:00
  • 定休/水曜日
    TEL:03-6661-6626
  • 住所/東京都中央区日本橋人形町1-5-1 日本サンライズビル1F

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
皆川夕美
EDIT :
高橋優海(東京通信社)