「勇往邁進」は「目標に向かって、脇目もふらず勇ましく前進すること」を意味する四字熟語です。ポジティブで力強いイメージがあるので、組織のスローガンやモットー、合言葉としてもよく使われます。今回はこの「勇往邁進」を深掘り! 詳しい意味や使い方がよくわかる例文、似た意味の四字熟語などを解説します。
【目次】
【「勇往邁進」の「読み方」「意味」など「基礎知識」】
■読み方
「勇往邁進」は「ゆうおうまいしん」と読みます。「邁」が少し難しいですね。「ゆうおうまんしん」と読まないよう気をつけましょう。
■意味
「勇往邁進」は「目標に向かって、脇目もふらず勇ましく前進すること」という意味の四字熟語です。とてもポジティブで力強い言葉ですね。
■「語源」「由来」
「勇往邁進」の「往」は「前に進む」という意味があり、「勇往」で「勇ましく前に進む」ことを表します。一方、「邁」は「移動」を表す部首「辶(しんにょう)」にも表れているように、「ある場所を越えて遠くまで行く」という意味をもっています。従って「邁進」で「ある場所を越えて遠くまで進む」ことを表します。「勇往」が「勇ましく前に進む」、「邁進」で「ある場所を越えて遠くまで進む」。つまり「勇往邁進」は似た意味の熟語を重ねて、意味を強調した表現です。「困難を乗り越え、勇ましく進んでいく」ことを表します。また、「勇往邁進」はふたつの熟語を重ねた四字熟語ですが、語源となる故事等は特にありません。
【「使い方」がわかる「例文」4選】
「勇往邁進」は例文2のように、「どんなに苦しいことがあっても、目標を達成するため、困難なことにも勇気を持って取り組む」という意味で用いられます。また3のように、スローガンやモットーとして使われることも多い言葉です。
■1:「会社創業以来最高額の売上達成を目指し、我々商品開発チームは勇往邁進してきた」
■2:「いかなる困難があろうと、我々商品開発チームは会社創業以来最高額の売上達成を目指し、勇往邁進していく覚悟だ」
■3:「今期の商品開発チームは、勇往邁進を合言葉に新商品の企画・提案に取り組んでいる」
■4:「私が築き上げた成功の秘訣は、勇往邁進、ただ自分の信じる道をひたすら突き進んできたことにある」
【似た意味の「四字熟語」と「言い換え」表現】
■似た意味の「四字熟語」とそれぞれの意味
・猪突猛進:周囲の人のことや状況を考えずに、ひとつのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと。「ほかのことが考えられない」というマイナスの意味合いも含みます。
・一路邁進:目的を達成するために、ひたすら進むこと。
・勇猛果敢:「勇猛」は「勇気があって力強い」。「果敢」は「思い切りよく物事に取り組む」こと。ふたつを重ねた「勇猛果敢」は「勇気と力強さを兼ね備え、思い切りよく物事に取り組む」ことを表します。「勇往邁進」よりも荒々しいイメージの強い言葉です。
■「言い換え」表現は?
・目標を達成するまで諦めない
・絶対にへこたれない
・困難にも怯まず突き進む
・脇目もふらず前進する
・前進あるのみ
【英語で言うと?】
「勇往邁進」を英語で表現するなら[push on]が使えます。
・Let's push on toward victory in high spirits.(勝利を目指して勇往邁進しよう)
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「勇猛邁進」についての理解は深まりましたか?似た意味の言葉である「猪突猛進」のほうが馴染みがあるかもしれませんが、こちらは「ほかのことが考えられない」というマイナスの意味合いも含みます。その点「勇猛邁進」にはネガティブな要素がありません。ビジネスシーンで上手に使いこなしたいですね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) /『プログレッシブ英和中辞典』(小学館) /『角川類語新辞典』(角川書店) /『四字熟語ときあかし辞典』(研究社) :