伝統的スタイルをモダンに刷新!新ハイジュエリーコレクション『The Power of Couture』を発表
圧巻のクリエイションで毎年話題を集める「ブシュロン」のハイジュエリーコレクション。今年もクリエイティブディレクターのクレール・ショワンヌ指揮による新たなハイジュエリーコレクションが発表されました。
『The Power of Couture(パワー オブ クチュール)』と冠した今回のコレクション。クレールは、メゾンの創業者、フレデリック・ブシュロンのクリエイティブのルーツでもある、オートクチュールのアイデアに立ち返り、王侯貴族たちがセレモニーでまとったコスチュームである“礼服”にインスピレーションを得たといいます。
かつては権威の象徴でもあった礼服の一見堅苦しく見える側面と、ディテールに施された装飾の繊細な側面、その矛盾する美しさに魅了されたクレールは、伝統的スタイルをよりモダンに解釈した24作品を発表しました。
従来のハイジュエリー作品特有の華やかさとは異なり、ピュアなモノクロームが色彩テーマに据えられている点も見どころのひとつ。ダイヤモンドとロッククリスタル、ホワイトゴールドを核にすることで、透明とホワイトの色彩に統一することで、バロック風装飾の堅い印象を柔和させています。硬質な素材を用いながらも、まるでシルクのようなしなやかさをもたらす職人技も圧巻です。
「メダイユ(勲章)」「コル(襟)」「ヌー(リボン)」「トリコ(編み込み模様)」「ブトン(ボタン)」「エポレット(肩章)」「エギレット(飾緒)」「ブロデリー(刺繍)」という、礼服のシンボルをモチーフに創造されたコレクション作品の一部を、厳選してご紹介していきます。
■メダイユ(勲章)
胸元に装着する勲章がモチーフとなったネックレスには、立体的な15個のメダルモチーフが環状に連結されています。メダルを支えるリボン部分は、ロッククリスタルに彫刻を施すことでグログランリボンのテクスチャーを再現。ネックレスの中のふたつのメダルは取り外すことができ、ジャケットのラベルやブローチとしても楽しむことが可能です。
■コル(襟)
洗練の象徴として高い襟が用いられてきた礼服にちなんで誕生した作品がこちらのネックレス。ダイヤモンドとロッククリスタルで編んだレースのような繊細なクリエイションは、1900年代にメゾンが製作したティアラのデザインが着想源に。首元を大胆に演出する胸当てとチョーカーが一体化した、レースの襟のようなデザインが印象的です。
■ヌー(リボン)
クチュールに欠かせないデザイン要素である「リボン」が表現された作品が、こちらのネックレス。艶を消したマットなロッククリスタルとダイヤモンドを組み合わせ、しなやかなテキスタイルのような質感が表現されています。ネックレスに使用された435個ものロッククリスタルのパーツは、職人がひとつひとつ手作業でカットや艶消し加工を施したそう!
■トリコ(編み込み模様)
シェブロンパターンと呼ばれる山型の編み込み模様をロッククリスタルで再現したネックレスは、硬質な素材を用いながらも、編み地の柔らかさやしなやかさが見事に表現され、まるでニット生地で仕立てられたかのよう。バゲットカットやラウンドブリリアンカットのダイヤモンド、ロッククリスタルを配した飾りリンクがアクセントになっています。
■ブトン(ボタン)
ヘアジュエリーのほか、ボタンホールやネクタイのアクセント使いなど、無限のアレンジが楽しめるのは、ダイヤモンドとロッククリスタルで製作されたボタン作品です。ハイジュエリーの新たな楽しみ方を広げてくれる、斬新な作品が揃います。
■エポレット(肩章)
肩幅を強調する装飾品として用いられていた肩章をモチーフにしたのが、こちらのブレスレットです。1902年にウェールズ公妃メアリー・オブ・テックのために作られたティアラをヒントに、螺旋模様を描く繊細なハイジュエリーへと昇華させました。壮麗なダイヤモンドの煌めきが、圧倒的な美しさを紡ぎ出しています。
■エギレット(飾緒)
礼服に着用する組み紐の装飾を新たな視点で捉えたこちらのネックレスは、モチーフを取り外すことで複数の身につけ方ができる作品。伝統的な飾緒のドレープを忠実に再現したブローチとしても着用できるほか、取り外してイヤリングにも形を変えます。
■ブロデリー(刺繍)
まるで風にそよいでいるかのような生き生きとした生命感に魅了される「ブロデリー(刺繍)」には、フレデリック・ ブシュロンが好んだシダの葉のデザインを採用。ティアラのようにヘアジュエリーとして華やかに着用できるほか、裏側にはクリップがセットされてるので、ブローチにも姿を変える多様性を備えたデザインです。
以上、ブシュロンより発表されたハイジュエリーコレクションについてお届けしました。装いに合わせて、幾通りもの楽しみ方ができるマルチウェアラブルなクリエイションも魅力のひとつ。ミニマルな色彩の潔さから際立つ美しさを、ぜひご堪能ください!
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 池尾園子