雑誌『Precious』8月号では【個性とセンスが光る!「夏の配色美人」SNAPグランプリ】と題して、スナップ常連のファッショニスタたちによる、シックカラーを主役にした、トレンドのエッセンスと上品さを併せもつ着こなしを厳選しました。

今すぐお手本にしたい、ベーシックなスタイルを色で魅せる配色上手なセレブリティが登場!街で映える「夏の配色美人」のスタイルをおしゃれのインスピレーション源にして、ベーシックスタイルのブラッシュアップをしましょう!

本記事では、セレブリティのリアルなスタイルに注目し続けているスタイリスト&エディター3名が「ファッションの教科書」として活用する海外スナップ愛を語ります。

川口夏希
Editor
本企画の担当でもあり、女性誌のファッション特集を手掛ける。日本と海外を行き来する影響もあり、街で映える着こなしを日々研究中。
古田千晶さん
Stylist
エッジの効いたスタイリングで、モード誌や広告媒体でも活躍。小物使いに「その人らしさ」が浮かぶ、海外スナップに惹かれる傾向。
三好 彩さん
Stylist
きちんと系からトレンドスタイルまで網羅し、理論的なスタイリング提案に定評がある。スナップでは服を着こなす姿勢や意思にも注目。

【おしゃれの可能性を広げる、SNAPの楽しみ方】

川口:今回は、「海外スナップ好き」が集って、注目しているセレブリティやファッションについて話しながら、この夏、取り入れたい着こなしを一緒に考えていきたいと思います。まずは、海外スナップが好きな理由を教えていただけますか?

三好:かつて、海外セレブのファッションだけを特集した雑誌の発売日を心待ちにしていたほど、スナップ好きです。今は、撮影前にコーディネートを組む際に、色合わせやサイズ感などを参考にすることが多いです。

古田:以前、海外セレブの着こなしに影響を受けて、愛用のアクセサリーやバッグを探した思い出が。洋服のリース中にときめくアイテムと出合ったら、スナップを参考にリアルに着用している姿を想像することもしばしば。

川口:ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』が流は行やったのも、海外セレブリティのファッションスタイルが注目を集めた頃でしたよね。

三好:そうそう、キャリーのイニシャルネックレスが欲しくて探したり! スナップ誌ではレオナルド・ディカプリオと彼女など、パートナー同士の着こなしも楽しみのひとつでした。

川口:そんなみなさんに、数千枚のスナップ写真から、気になる着こなしをそれぞれピックアップしてもらいました。三好さんが参考にしたいと思うセレブリティの傾向は?

「何気ない着こなしや ヘルシーな肌見せが参考に」(三好さん)

三好:オリヴィア・パレルモやレティシア王妃のように、大人の甘さをセンスよく表現するスタイリングが気になりますね。また、海外スナップは、リアルな着こなしを教科書代わりにできるのが魅力。カーディガンをストールのようにしたり、ベルト使いにひと技加えたりといった細部のあしらいが見られるのも醍醐味ですよね。

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三好さん「ヘイリー・ビーバーのように、シンプルな服を堂々と着こなす、鍛えられた体つきやアティテュードも惹かれる要素」
スタイリスト三好さんが海外スナップで魅了されるのは、工夫を凝らした着こなし方や、服に負けていない体のラインだそう。
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三好さん「ニットをストール代わりにしたり、ベルトを巻きつけたりと、手持ちの服で、明日から即実践できそうな彼女の着こなし術に着目しました」

古田:ちょっと意外でしたが、三好さんは、ヘイリー・ビーバーやカイリー・ジェンナーといった、ボディラインが整った女性の装いもよくチェックされているんですね。

三好:服に着られている印象が苦手で、努力を積み重ねた結晶ともいえる、パーフェクトなボディラインで、服を堂々と着こなすアティテュードがたまらなく美しいと感じるんです。

川口:日常の延長としてのワードローブが楽しめるのもスナップならではですよね! 古田さんが注目する海外セレブは、独特のテイストマッチで、〝おしゃれ玄人”な女性が多い印象です。

「おしゃれ上級者が見せる “ハズシ” のテクニックに注目」(古田さん)

古田:シーンに合わせた着こなしが求められるようになるからか、大人になると、知らず知らずのうちにコーディネートに制限をかけるなど、消極的になりがち。海外でスナップされる、自由な発想でテイストマッチを楽しんだり、驚きのある小物合わせを披露している女性たちから、着こなしの可能性を広げてもらっています。

川口:本特集で取り上げている、ペルニーレ・タイスバックや、レアンドラ・メディーンは、古田さんが注目している海外セレブですね。

古田:決まりきった無難な組み合わせに終始せず、たとえ顔を隠したとしても、なんとなく誰なのかがわかるような、自分らしさが光る装いが彼女たちの魅力ですよね。川口さんの傾向は?

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古田さん「大ぶりなジュエリーでポイントをつくったり、足元はトングサンダルを合わせたりと、小物合わせがウィットに富んでいます」
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古田さん「ストックホルム出身のモデル、エルザ・ホスクのスポーティ&フェミニンの掛け合わせが新鮮。ロゴTシャツとキャップでボーイッシュなアレンジを加えつつも、スリットから伸びる足元はポインテッドトウのヒールできめて」
意外性のある合わせ方に注目することで、スタイリングの幅が広がると語るスタイリスト古田さん。

「街の風景に映える着こなしや 配色をリアルに想像できる」(エディター・川口)

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川口「アートディレクターのイザベル・ハートマンはハンブルクの街並みになじむ、シックな配色を基本に、センシュアルな肌見せバランスが巧み」
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川口「オールホワイトのハンサムルックは、パリの街で目を引く存在に。淡色ワントーンが好きなので、アイテム選びも参考にしたいところ」
旅先の街で見かける、風景と調和した着こなしの女性を自然と記憶するように、海外スナップでもシックな配色の女性に惹かれるエディター川口。

川口:私はふだんから、白やベージュなどの着こなしが好きなこともあり、ワントーンルックのセレブに自然と目がいってしまいます。日本と海外を行き来するライフスタイルの影響もあってか、その街で映える女性がいちばん美しいと感じるようになりました。最後に、スナップを楽しむためのコツを教えていただけますか。

三好:好きな配色に絞って観察すると、鉄板コーディネートがおのずと見えてくるもの。自分の引き出しにはなかった新しい発見もありそうです。

古田:自分好みのスタイリングをする女性を長いスパンで追いかけるのもおすすめです。季節ごとのおしゃれの法則を発見できますよ。

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EDIT&WRITING :
川口夏希、福本絵里香(Precious)
写真提供 :
getty images