わずか数cm四方の小さな時計の中に宿る、つくり手の情熱と物語は伝統と革新をつないできた時計づくりの軌跡であり「奇跡」そのもの。だからこそ、じっくりと時間をかけて育まれたクリエイションはこんなにも美しく、エモーショナルで、私たちの心を揺さぶるのです。
雑誌『Precious』9月号では、【「新作時計」が生む感動のスペクタクル】と題して、全27ブランド・32本の魅力を総力レビュー! 燦々たるジュエリーウォッチから進化を遂げるラグジュアリースポーツウォッチまで、今年発表された新作から厳選してご紹介しました。
今回はその中から、伝統技法で作られた青いピーコックの羽根が芸術的な、ブルガリ『ディーヴァ ドリーム ピーコック フェザー マルケトリ』の魅力をお伝えします。
【ブルガリ】ローマ時代から続く崇高な美を描いたピーコック文字盤
シルキーな質感をもつ青いピーコックの羽根が、まるで虹のような光沢を見せる芸術的なタイムピース。
ルネッサンス期から伝わる伝統技法であり、1970年代から「ブルガリ」が得意としてきたマルケトリの技術を用いて制作。アーチ形に羽根を広げるクジャクの姿とラグに施されたカラカラ浴場のモザイクモチーフが見事にリンクして。
ブルガリ『ディーヴァ ドリーム ピーコック フェザー マルケトリ』
ブランド誕生の地であるイタリア・ローマへのオマージュを、ウォッチメイキングの世界で表現し続ける「ブルガリ」。古の時代から伝わる数々の神話的な動物から、人気モデルの『ディーヴァ ドリーム』を飾る主役となったのはピーコック(クジャク)です。
絹のように優美で繊細なニュアンスを放ち独特の目玉模様をもつ、美麗なクジャクの羽根は知恵のシンボルとして人々に愛されてきました。この時計の文字盤に施されているのは、自然と抜け落ちたもののなかから色と質感にこだわり、丹念に選別された12枚の羽根。ひとつひとつ手作業でアーチ形へと整えられ、加工により自然な輝きを引き出されたあと、マルケトリ〈象嵌(ぞうがん)〉と呼ばれる職人技で何日もかけてアラベスク模様へと組み合わせられます。ジュエリー制作でも受け継がれてきた見事な伝統技法をもって完成した有機的な美は、いつまでも色褪せぬ、悠久の時を紡ぐのです。
※掲載商品の価格は、税込みです。
※文中の表記は、PG=ピンクゴールド、DIA=ダイヤモンドを表します。
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- PHOTO :
- 池田 敦(CASK)
- STYLIST :
- 関口真実
- EDIT&WRITING :
- 安部 毅、安村 徹(Precious)