知っておきたい基本からトレンド、ひそかな楽しみ方まで…大人のための「香り」の嗜みの心得
目に見えない個性の表現=フレグランスライフのあり方は、十人十色。とはいえ、社会と深く関わるプレシャスキャリアは、自分だけでなく、相手にも心地よく、コミュニケーションを円滑にする配慮が必須です。香りと上手に付き合い、印象を高めるための心得をご紹介します!
【香りのアップデート】
大人のフレグランスライフに必要なのは、固定観念にこだわりすぎないアプローチです。洋服と同じくトレンドを意識したり、特別なシーンのために冒険したり…。自分らしさを更新するヒントをピックアップ!
格上の美意識を感じさせる香りのトレンド「成熟を物語るウード」
爽やかで甘い香りをほんのり香らせることが好まれた日本のフレグランス事情も、ここ数年で大きく変化。人気上昇中なのが、日本ではお香にも使われてきたウード(沈香)です。パルファム ソムリエとして店頭に立つ中尾 梓さんは、「成熟したフレグランス観をもつ大人の女性が、ワンランク上の香りとして選択しています」と語ります。
重厚で圧倒的な存在感から手ごわいイメージもありますが、「ウードにフルーティノートが組み合わされていると、親しみやすい印象です」と中尾さん。呼吸を深くして気持ちを落ち着かせる作用もあるウードをモダンに解釈した香りは、プレゼンテーションなど自信をもってふるまいたい場にもぴったり!
左/メゾン クリヴェリ『ウード マラクージャ エキストレ ド パルファム』
エレガントで深みのあるウードと輝くような明るさをもち合わせたパッションフルーツが絶妙に調和。スタイリッシュだけれど親しみやすい、魅力的な意外性を備えた女性像を演出してくれる。
右/メゾン フランシス クルジャン『APOM オードパルファム』
「A Part Of Me(私の一部)」を意味する名のとおり、大切な人と共有したくなる幸福感溢れる香り。ラベンダーやオレンジブロッサムの優しさとシダーウッドの力強さがマッチした香調が、上質なリラックス感を授けてくれる。
好きな香りこそ有効活用したい!フレグランスのプロが明かす「私的な楽しみ方とは?」
開封したフレグランスは1~2年以内に使いきるのが理想。とはいえ、いくつも使い分けているとなかなかハードルが高いし、美しいボトルは処分するにも忍びなくて…。そこで、中尾さん個人が実践している素敵な使い方を伝授。
「香りを含ませたコットンで鏡をさっと拭って、香りを楽しみながらスキンケアやメイクを。自分と向き合う時間をラグジュアリーに演出してくれますし、フレグランスにアルコールが含まれているので鏡もきれいになるんです(笑)」
これからの季節にもぴったり!リッチな芳香が心に響く「グルマン系の人気再来」
お菓子を思わせる甘い香りがどこか懐かしく、幸せな気分を誘うグルマン系。かつてはベリーやピーチ、カシスなどを使ったフルーティでかわいらしい香りが主流でしたが、クローブやナツメグなどエキゾチックなスパイスが効いたオリエンタルやシダーやサンダルウッドなど樹木を思わせるウッディとの組み合わせが充実することで、大人の魅力を引き出す官能的な香りとして世界的ブームに!
しかも、こっくりと甘い香調は、どちらかというと秋冬向き。黒のニットやワンピースにドラマティックな色香を授ける、香りのジュエリーとして要チェックです。
特別な時間を過ごすために、昼とは違う視点で選ぶ「ナイトライフの香り」
日常が活気を取り戻し、仕事の後に華やかな場で集う機会が増えてきました。ただし、着こなしは頑張りすぎず、瞬時に気分や雰囲気を昼から夜にシフトできるフレグランスの魔法を利用するのが、大人の流儀です。
さらに、若い世代と一線を画す成熟したセンスとおしゃれの余裕を感じさせるテクニックは、インパクト抜群の演出です。例えば、エレガントな着こなしのイメージを鮮やかに裏切るピリリと刺激的な香りや、喧噪のなかでもひときわ、優雅な佇まいを印象づけるラグジュアリーな香りで、唯一無二の存在感をアピール。
香りのタッチアップのためにジュエリーのようなアトマイザーをバッグに忍ばせておくのもフレグランス上級者らしい嗜みです。プライベートな夜だからこそ、美しい自己主張を楽しんで。
上/キリアン パリ『スモーキング ホット オード パルファム』
香りのトレンドとして注目されるタバコアコードに、アップルやシナモン、バニラでグルマンニュアンスを加えて再構築。昼には少し手ごわい、パワフルで官能的な香りをさらりとまとえば、最高にクールな夜の装いが完成!
中/ゲラン『ラール エ ラ マティエール ネロリ プラン シュッド オーデ パルファン・フラコン サック』
澄んだエレガンスを醸すネロリにターメリックやシナモンを効かせたスパイシーかつセンシュアルな香り。ラグジュアリーなゴールドのアトマイザーをパウダールームでさりげなく取り出せば、羨望の視線を集めそう。
下/フエギア 1833『クアルソ デ ロス アンデス パルファン』
「海の宝石」と称えられる希少なアンバーグリスとパタゴニアンローズを組み合わせた、透明感と濃密な甘さが調和した香り。多くの人が集う華やかな場でも、誰もが振り向かずにいられないラグジュアリーな余韻を演出できる。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※掲載商品の価格は、2024年10月7日時点のものです。
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