高級ホテルといえば、旅行での宿泊をイメージします。でも、ホテルを愛する人たちは、高級ホテルを家族の催しや日々の癒しやトレーニングなど、旅以外でのさまざまなシーンで活用しているようです。

そこで今回は、ホテル愛好家たちが集まる会員組織「ホテル・ジャンキーズ・クラブ」の代表・村瀬千文さんに、宿泊だけではない、高級ホテルの活用法を教わります。

「ホテル・ジャンキー」はどんなときに高級ホテルを利用している? 

ホテル愛好家はどんな用途で高級ホテルを利用している? 

「ホテルジャンキーの場合、ホテルは人生のあらゆるシーンに登場すると言ってもいいくらい、ホテルを利用しています。例えば、あるホテル・ジャンキーズ・クラブの女性会員の方の場合、お見合いに始まり、デート、両家顔合わせ、結婚式、結婚記念日ディナー、お子さんの親族披露の食事会、お食い初めの会、七五三、家族の誕生日の食事会、実母や義母とのランチ、ご主人とバーでたまにふたり飲み、たまに女友達とホテルでお泊まり会、週末はホテルに泊まってご主人がお子さんの面倒を見ている間にスパでリラックスする、ホテルのジム通い、などなど。家族の記念日やハレの席だけでなく、日常的なシーンも含まれ、ホテルが生活の一部のようになっているのです」

利用目的は「本来の自分に戻るため」

ホテルは、ときには、次のような使い方もあるそうです。

「人生の岐路で、何か決断する必要があるときに、眼下に街を見下ろす高層ホテルに泊まる。集中して仕上げたい仕事を持参してホテルごもりし、ひたすら仕事する。この場合、比較的大きな規模のホテルで、眺めがいい部屋を選ぶ方が多いです」

そして村瀬さんは、ホテル愛好家ならではの活用法として、次の目的もあるのではないかと話します。

高級ホテルの利用目的は「本来の自分に戻るため」

「普通の方があまりやらないだろうと思われる使い方としては、『本来の自分に戻るため』のアジャストのためにホテルステイすること。誰かの妻だったり、お母さんだったり、娘だったり、あるいは会社の役員だったりといった、社会的な役割から離れて、素の自分に戻るためにホテルを使う、ということをホテル愛好家はよくやります」

やはりラグジュアリーなホテルを選ぶことが多い?

ホテル愛好家には、やはりラグジュアリーなホテルが選ばれやすいのでしょうか?

「確かにラグジュアリー・クラスのホテルが多いです。ただ、私たちの場合、ただ単にラグジュアリー・クラスだから、ということでホテルを選ぶわけではありません。自分が『欲しい時間』があってホテルを訪れるので、できるだけストレスなく気分よく過ごせて、いいサービスを受けたいと考えホテル選びをすると、結果としてラグジュアリー・クラスのホテルになることが多い、ということです。言い方を変えると、『値段は別に高くてもかまわない、ちゃんとそれだけの満足が得られるのなら』と考えます」

結果として満足のいくいいサービスを得るには、ホテル側には具体的にどのようなことが求められるのでしょうか?

「ハード面では、ゆったりした空間使いや間隔を十分にとったテーブル配置、座り心地のいい椅子、足触りのいいカーペットなど。ソフト面では、ゲストが発信する『こうしてもらいたい』『ちょっと聞きたいことがある』というような“気”を素早くキャッチし対応するためには、そうしたものを感知できるスタッフが必要ですが、そのレベルのスタッフを雇い、教育することも必要です。例えば、レストランやラウンジなどで、十分な人数のサーバーを配置しているかどうか、ホール全体に目配りするためだけに専従のスタッフを配置しているかどうかなど。サービスの質を上げようとすれば、それなりのスタッフの数もレベルも必要になります。クオリティーの高いサービスを提供するためには、ホテル側もお金がかかるということです」

「ホテル・ジャンキー」直伝!高級ホテル利用の裏技3つ

ホテル愛好家だからこそ、ホテルの効率的な活用法があるのでは? そんなホテル利用の裏技を教えていただきました。

■1:プールサイドでの朝食は格別の爽快感

プールサイドで朝食

「日本ではあまりありませんが、海外のホテルでは朝、プールサイドで朝食を提供しているところがよくあります。リゾートホテルのみならず、シティホテルでもありますが、朝、ひと泳ぎしてからバスローブをはおってプールサイドで朝食…これがなかなか雰囲気のいいところが多く、とても気持ちがいいものです」

■2:昼間のバーは静かで落ち着ける穴場

バーでひとりランチ

「ホテルでちょっと静かに“ひとりランチ”したいと思ったときは、バーがおすすめです。多くのホテルバーは昼間から開いていて、ランチタイムにはサンドウィッチなどの軽食を提供しており、これが結構、おいしいところが多いのです。昼間のホテルのバーはホテル内の穴場でもあり静かなので、仕事の打ち合わせなどでも使えます」

■3:外来ゲストは専用クラブラウンジに招くのがおすすめ

外来ゲストは専用クラブラウンジに招くのがおすすめ

「クラブフロア客専用のクラブラウンジでは、有料ですが、外来のゲストを呼ぶことができます。クラブフロアに泊まっていて、ホテルでお友達と会う約束をしたときなど、クラブラウンジに招待するとけっこう喜ばれます。特にアフタヌーンティーやカクテルタイムなどはコストパフォーマンスがいいですよ」

ホテルの意外な活用法や裏技、満足の行くホテルに求められることなどが分かりました。高級ホテルを少し違った角度から利用してみるのもいいのではないでしょうか。

村瀬千文さん
(むらせ ちふみ)ホテル・ジャンキーズ・クラブ(HJC)代表、ならびにホテル利用者サイドに立ったホテル情報誌『ホテルジャンキーズ』編集長。HJCは、1997年4月に創立されたホテル愛好家たちが集まる会員組織。
村瀬千文のブログ「hotel gadget」
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利