旅のエキスパートが目に焼き付けたもの、心に刻んだものとは?【追憶の「冬旅物語」】
旅先で、ふとした瞬間、心をつかまれ、カメラに収めてしまう風景たち。旅を愛するプレシャスキャリアによる本人撮影カットを交えて、冬旅ならではの心象風景について教えてもらいました。
今回はトラベルジャーナリストの寺田直子さんに、アイスランドへの旅についてお話しをうかがいました。
トラベルジャーナリスト・寺田直子さん「オーロラを見に、ひとりアイスランドへ。大人の冬旅だからこそ味わえる “幸せな孤独感” も悪くないと思うのです」
「ジェームズ・サーバー原作の映画『LIFE』をご存じでしょうか。あの作品を観て、いつかアイスランドを訪れてみたいと思っていました。最果ての土地というイメージがありますが、アイスランドジャズという興味深い分野があること、ヨーロッパや北米から直行便で3〜6時間と便がいいこともわかり、ロンドン滞在の機会にアイスランド・レイキャヴィークへ足を延ばしてみることに。
いちばんの目的はやっぱりオーロラ。実際、それはとてもはかなく、揺らぎが強くなったり弱くなったり、まるで生き物のよう。太陽のフレアと磁場によるものと思うと、宇宙の神秘を感じずにはいられない時間に。またヨーロッパからの帰国便は、北極側のシートをリザーブすれば観測できることも。
目線と同じ高さで揺らぐオーロラを見て浮かんだのは『帰ったらまた頑張ろう』という素直な思い。氷の国へのひとり旅。それが大人の自己肯定感を後押ししてくれたのだと思います」
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、喜多容子(Precious)