「禿筆」ってなんと読む?「はげふで」ではありませんよ!
明日、1月21日は『初弘法』です。弘法大師を祭るお寺では、その忌日(3月21日)にちなんで毎月21日に縁日が行われますが、1年の最初の縁日は『初弘法』と呼ばれ、特に盛大に賑わいます。特に京都の東寺の『初弘法』は大変有名です。弘法大師といえば「弘法も筆の誤り」ということわざになるほどの、書の達人…ということで、本日は「筆」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「禿筆」ってなんと読む?
「禿筆」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「使い古されて擦り切れたり、ちびた筆。転じて、自分の文章や筆力を謙遜して言う語」です。
<使用例>
「今回、禿筆を呵して、こちらの機関誌に寄稿させていただきました」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 禿筆(とくひつ) です。
「禿」は「はげ」「かむろ」などの訓読みの印象が強いですが、音読みは「トク」です。「禿筆(とくひつ)」は謙遜語のひとつですので、覚えておくと無難です。「禿筆を呵する」の「呵」は「呵呵(かか)笑う」「呵責(かしゃく)」などの熟語に使う「呵う(わら-う)」「呵る(しか-る)」とも読む字です。
さて2問目にまいりましょう。
【問題2】「一筆啓上」ってどういう意味?
手紙の書き出しに使われる慣用的な表現「一筆啓上」の意味として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:小言・文句を申し上げます
2:簡単な手紙を差し上げます
3:心を尽くして申し上げます
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 2:簡単な手紙を差し上げます です。
「一筆啓上(いっぴつけいじょう)」は、男性の手紙の冒頭に用いる、定型的な挨拶の言葉です。女性が類似表現を使う際は「一筆申し上げます」と書き始め、最後に「かしこ」で結ぶ…とされています。
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本日は1月21日『初弘法』にちなんで、「筆」という字の入った日本語から、
・禿筆(とくひつ)
の読み方、
・一筆啓上(いっぴつけいじょう)
の意味や使い方などをおさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/京都新聞ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱