デザインを工夫した「格上」のブラウスは、出番を選びません。素っ気ない白シャツと違って、華やぎを備えている分、着こなしの選択肢が多いのです。かしこまった場所はもちろん、晴れやかな機会、プライベートなシーンなど、多くのシチュエーションで活躍してくれます。それぞれの場面にふさわしい色・柄・形のブラウスを上手に操るテクニックとは? 今回は、ブラウス選びで自分の魅せ方をコントロールする、スペインのレティシア王妃のエレガントな着こなしから学びます。

スペイン王妃のエレガントな「ブラウス」の着こなし方4選

■1:ドット柄ブラウスはパンツで大人っぽく

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ブラウスとパンツの色味をそろえて、シックに

水玉(ドット)模様のブラウスには、やや甘いイメージがありますが、礼拝に向かうレティシア王妃はハンサムなパンツと引き合わせました。ドット柄ブラウスの裾を、ハイウエストのパンツにイン。すっきりとしたパンツルックに仕上げています。パンツの両サイドに並んだゴールドのボタンがノーブル感を漂わせるアクセントにもなっています。

ブラウスの袖先は優美に広がるベルスリーブで、エレガンスを薫らせました。揺らめくイヤリング、ピンクのチェーンバッグ、そして曲線がきれいなハイヒールが水玉ブラウスから幼さを遠ざけています。

■2:白ブラウスはディテールにこだわって

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ウエストリボンの位置を正面から少しずらすだけで、こなれたムードに

白系のブラウスはお仕事シャツのようにも見えがちです。この日のレティシア王妃が選んだような、胸元にプリーツ風のタックを配した、ディテールの凝ったブラウスを選ぶと、素っ気なさとは無縁に。袖のひじから先にも程よい量感があって、高貴なたたずまいです。

公務の場とあって、ベージュのパンツを合わせて、クラス感を帯びたお仕事ルックに整えています。レザーベルトではない、共布のウエストベルトはリボンのように結んで、フェミニンを宿らせました。パンプスもパンツの色と合わせて、穏やかなカラートーンで統一しています。

■3:ジューシーイエローでポジティブ気分

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イエローとネイビーは好相性のカラーマッチング

ジューシーなイエローのブラウスは正面や肩口にドレープが入っていて、やわらかい表情を帯びています。ボトムスに選んだのは、ダイナミックなフラワープリントが躍るスカートです。花柄はピンクやオレンジ、赤といった色が主流ですが、落ち着いたブルーやブラウンにすれば、凛とした雰囲気にまとまります。植物(ボタニカル)モチーフがナチュラルなムードを添えました。

イエローは顔周りにポジティブなムードを呼び込んでいます。国際的なVIPが集まるような場でも、妙に堅苦しい見え具合を避けつつ、貴婦人らしさとパワーを感じさせる出で立ちです。ブラウスは色で遊び、花柄スカートは落ち着いた色を選んでシックにまとめています。

■4:パワーを与えてくれるレッドブラウス

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胸元のボタンを開けて、素肌の健康美をアピール

エネルギーをもらえる色の代表格が情熱的な「赤」です。公の場や仕事の大舞台など、ここぞというときにぴったり。公務のレティシア王妃は、深みのある、ワインカラー系のレッドを装いのキーカラーに据えました。ベーシックなシャツカラーのブラウスですが、ムードの濃い色と、とろみを帯びた艶やかな生地のおかげで、ドレスライクな見え具合に。

同じトーンのレッドを、花柄とも抽象絵画とも見える、アート風の柄で、白い膝丈スカートに写し込みました。主張が強めの色を取り入れながらも、全体の色数を抑えて、品よくまとめ上げています。

ロイヤルファミリーに迎えられるまでは、敏腕ジャーナリストだったというだけに、レティシア王妃は自分をプロデュースするスキルを備えています。ブラウス1枚で十分、様になる装いを組み立てているのは、さすがのスタイリング力です。王妃のアレンジをお手本にすれば、ブラウスの出番をもっと増やしていけそうです。


■毎週水曜日更新中!「宮田理江のファッションチェック」

Precious.jpでは、海外の王妃やセレブリティー、おしゃれなマダムなどの着こなしを紐解くファッション連載を毎週水曜日に掲載しています。こちらのページに、これまでの記事がまとまっています。是非、ご覧ください。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
Getty Images
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃