グッチ、サンローラン…などを擁するグローバル・ラグジュアリー・グループ「ケリング」主催の第1回『ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン』授賞式が東京・虎ノ門『TOKYO NODE』にて開催

第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」
 

グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタなどのファッションブランドや、ブシュロン、ポメラートなどのジュエリーブランドを擁するグローバル・ラグジュアリー・グループ「ケリング」が主催する、第1回『ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン』授賞式が東京・虎ノ門の『TOKYO NODE』にて開催されました。

このアワードは、ラグジュアリーアパレル業界において、社会や環境にポジティブなインパクトをもたらすスタートアップや技術を発掘、育成することを目的に2018年に発足。同年、中国でのスタートを皮切りに、2024年にはサウジアラビア、そして今回、日本へと規模を拡大して開催。昨年には『ケリング・ジェネレーション・アワード × ジュエリー』も創設し、ジュエリー分野にも取り組みを広げています。

国内のスタートアップ企業を対象に、「サステナブル・ファッション& ビューティ」をメインテーマに【代替原材料・素材・製造工程、リテール、消費者エンゲージメント】の4つのサブテーマに取り組む企業を募集したところ、予想を超える120社以上が殺到。スタートアップ成長支援の専門部隊である「CIC Institute」サポートのもと、書類選考と2回のピッチイベントを経て、ファイナリスト11社を選出。授賞式に出そろいました。

第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」
左/「ケリング」会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏、右/授賞式の冒頭に開催されたトークセッションに登壇された日本発バイオスタートアップ「Spiber」代表執行役の関山和秀 氏

「ケリング」会長兼CEOのフランソワ=アンリ・ピノー氏は、日本でのアワード開催について、次のようにコメントされました。

「グループのビジネスにおいて重要な拠点であり、イノベーションとクラフツマンシップに対する深い理解のある日本という国において本アワードを開催することは自然な選択でした。私たちは、ラグジュアリーがより持続可能なモデルへと移行する中で、イノベーションが重要であると強く信じ、このケリング・ジェネレーション・アワードを通じて、ファッション業界の新しいパラダイムに貢献できるアイデアやソリューションを促進したいと考えています」

最優秀には賞金1,000万円!上位3社には2025年4月パリで開催のサステナビリティサミット「ChangeNOW」への出展チャンスも!

第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」授賞式
 

授賞式会場では、ファイナリストとなった11社の革新的な技術についての製品や写真が披露され、多くのゲストが研究結果に興味深く耳を傾けていました。

第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」授賞式
 

また、「ケリング」が誇るブランド「グッチ」「バレンシアガ」「ブシュロン」などが手がける、サステナビリティへの取り組みについても商品や写真が展示され、世界をリードするグローバル・ラグジュアリー・グループならではの先進的な取り組みも紹介されました。

第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」授賞式
左から/フランソワ=アンリ・ピノー氏(ケリング会長兼CEO)、ラファエラ・コルナッジャ氏(ケリング ボーテCEO)、酒井里奈 氏(株式会社ファーメンステーション代表取締役)、北畠勝太 氏(株式会社ファーメンステーション取締役COO)、マリー=クレール・ダヴー氏(ケリング チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者)、ティエリ・マルティ氏(ケリング ノース&サウスイースト・アジアパシフィック プレジデント)、梅澤高明 氏(CIC Japan会長)

今回、記念すべき第1回『ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン』授賞式で見事、最優秀賞に輝いたのは、独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築する、研究開発型スタートアップ「ファーメンステーション」となりました。

「ファーメンステーション」は、発酵技術を用いて食品廃棄物など、まだ活用されていない未利用資源から天然由来の芳香エッセンスなどのバイオ原料を生産。新たな資源を地球に負担をかけることなく生み出している点や、生成プロセスのライセンス供与により、グローバルにビジネス展開できる将来性が高く評価され、最優秀を受賞されました。

第2位は、英国と日本に拠点を持つ材料系スタートアップの「アンフィコ」が、そして第3位は多種多様な藻類を保有し、その実用化を手がける研究開発型バイオベンチャー「株式会社アルガルバイオ」が受賞。さらに、バイオマス由来の原料を活用した微生物発酵で、化学品生産に取り組むスタートアップ「マイクロバイオファクトリー」が特別賞を受賞する結果となりました。

『ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン』
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第1回「ケリング・ジェネレーション・アワード・ジャパン」
「ケリング」チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者のマリー=クレール・ダヴー氏

今回、審査員を務めた「ケリング」チーフ・サステナビリティ・オフィサー兼渉外担当責任者のマリー=クレール・ダヴー氏は、日本のスタートアップ企業について、

「持続可能なイノベーションを発掘し、表彰することを目的とした、ケリング・ジェネレーション・アワードの日本初開催を非常に誇りに思います。日本のスタートアップ企業は新しいテクノロジーと日本のクラフツマンシップが、同じ組織の中に存在できる点が大変ユニークな部分だと考えます。日本には洗練されたマーケットがあり、スタンダードのクオリティが世界でもトップクラスである点も日本のスタートアップの特徴だと感じます」とコメントし、表彰式を締めくくりました。


最優秀を受賞した「ファーメンステーション」には賞金1,000万円が授与され、さらに上位3社には、パリ「ケリング」本社での研修に加え、2025年4月にパリで開催されるサステナビリティサミット「ChangeNOW」への出展チャンスが提供されます。さらに、特別賞を受賞の「マイクロバイオファクトリー」にも、ヨーロッパにおける研修参加の権限が与えられました。

今回、受賞されたスタートアップ企業の革新的な技術が、「ケリング」擁するラグジュアリーメゾンとどのようなコラボレーションを遂げるのか。サステナビリティに寄与した最先端の新アイテムが誕生することを心待ちにしたい、そんな希望あふれる一夜となりました。

問い合わせ先

ケリングジャパン

この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
松野実江子(Precious.jp)