【目次】

【「麦とろの日」とは?由来】

■「誰が」決めた?

6月16日は「麦とろの日」。「麦とろの日」は山梨県富士川町に本店を置く、大麦や雑穀、小麦などの穀物の囲う商品を手がける食品メーカー「株式会社はくばく」が制定しました。

■目的は?

「麦とろの日」が制定された目的は、栄養のバランスがよく、夏バテ解消の効果もある「麦とろ」のおいしさを、より多くの人々に知ってもらうことです。

■日付の「由来」は?

日付は6と16で「6(麦)16(とろ)」と読む語呂合わせが由来です。


【ビジネス雑談に役立つ「麦とろ」の雑学】

■そもそも「麦とろ」って何?

「麦とろ」とは、とろろ汁を麦ごはんにかけたもの。江戸時代、東海道五十三次の宿場町であった鞠子 (まりこ/現在は丸子)や駿河の宿の名物として知られ、400年以上経った今も受け継がれる、静岡県の郷土料理です。

とろろ汁は、自然薯(じねんじょ)や山芋、長芋などのとろろ芋をすりおろし、しょうゆ数滴とあく止めも兼ねた卵を割り込み、温かいだし汁で薄めてから、温かい麦飯にかけていただきます。現在では魚の煮汁や味噌汁、すまし汁などでのばすなど、お店や家庭によって味の工夫がされているようです。

■「麦とろ」を夏バテ防止に活用!

「麦とろの日」は6月16日ですが、この時期から「麦とろ」を食事に取り入れることで、夏バテの予防が期待できます。

例えば、梅雨の不快さで食欲が出ない日…麦ごはんは白米よりもさっぱりとしていて、とろろと合わせることでのど越しよくサラッと食べることができます。しかも、大麦は白米に比べ、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラル類、ビタミンB群、食物繊維などを多く含んでいるため、発汗で失われがちな栄養分の補給ができ、食物繊維が腸を整えてくれます。

一方の山芋も、ビタミンB群や食物繊維、カリウム、マグネシウムなどが豊富。さらに、山芋のぬめり成分には胃腸の粘膜を保護する働きがあり、でんぷんを消化する酵素のジアスターゼも多く含んでいます。こうしたことから、「麦とろごはん」は栄養バランス的にも、非常に理にかなった組み合わせなのです。

■使う芋の違いによって、とろろ汁はどう変わる?

・伸びやかな粘りが特徴の自然薯
自然薯は日本原産。古くは弥生時代から食べられてきた、日本人には馴染みのある食べ物です。山野に育った自生の自然薯は希少価値が高く値段も高価ですが、独特の風味と強い粘りが特徴。「本格派のとろろ飯」とえば、やはり自然薯! といわれていますよ。

・強い粘りが特徴の山芋(大和芋)
山芋は自然薯に比べ、しっかりした強い粘りが特徴。そのため、だしや味噌汁でのばすとろろ汁には向いています。自然薯ほど風味が強くないので、自然薯が苦手な方にもおすすめ。

・サラサラした食感で水分が多い長芋
長芋のとろろ汁はサラサラとした食感に仕上がります。水分が多く、風味も粘りも弱いので、すりおろしたものに醤油などの味の濃いものを少し加えるのがベスト。反対に、味噌汁やだしでのばすとろろ汁には不向きです。

■「麦とろ」は麦ごはんでないと駄目なの?

とろろ汁は白米にかけて食べてもおいしいもの。ですが、こちらは「とろろご飯」と呼ばれています。そして「麦ごはん」は「麦100%」ではなく、白米に自分の好きな配合の麦と水を加えて炊けばいいのです。ちなみに、「麦とろの日」を制定した「株式会社はくばく」おすすめの割合は[米:麦=3:1]。食物繊維をはじめ大麦がもつ多くの栄養価が期待でき、麦の食感を感じながらも、大麦特有のクセが出すぎず、冷めても食べやすい配合なのだそうです。よりサラサラに仕上げたい場合は、麦の量を増やしてみてくださいね。

■「麦とろ」をおいしくつくるコツは?

引き続き、「株式会社はくばく」おすすめの「麦とろ」のつくり方をご紹介しますね。

「麦ごはん」の炊飯時のポイントはふたつです。まず、大麦は白米よりも多めに水を吸収するため、その分の水を加えること。そして、炊飯前に軽く全体をかき混ぜ、30分くらい浸水させることです。具体的には、白米を2合にした場合、水加減はいつも通りにし、そこに押麦100gと水200mlを加えます。大麦を米の計量カップで計る場合は、押麦100gは約4/5カップが目安です。

とろろ汁用の芋をなめらかにすりおろすには、すり鉢がベストですが、すり鉢がない場合は、できるだけ目の細かいすりおろし器やおろし金を使います。大和芋は皮が硬いので、皮をむいてから。一方、長芋は皮をむかずにすりおろしても、おいしくいただけます。

仕上げの味付けは、芋の自然な甘みを生かして控えめにするのがコツ。醤油の代わりに、白だしや味噌、めんつゆなどをお好みで少し加えてもおいしいですよ。山芋の場合は水分量が少ないので、だし汁でのばすと食べやすくなります。トッピングは定番の生卵や刻みのりのほか、ネバネバ仲間のオクラやなめこを加えたり、ぷちぷち食感が楽しめる明太子をいれるのもおすすめ。さらに、まぐろアボカドやウナギの蒲焼き、焼肉などを上に載せれば、ちょっとしたお料理になりますね。

■「麦とろ」のおいしい「食べ方」は?

「麦とろ」を郷土料理とする静岡県静岡市丸子で、400年以上にも渡ってとろろ汁を提供し続けている「元祖 丁子屋(ちょうじや)」に伝わる、おいしい食べ方をご紹介しましょう。

1)麦飯を茶碗に半分程度盛る
2)米粒がおよぐぐらいに、たっぷりととろろ汁をかける
3)お好みの量の薬味(ねぎ)をかける
4)ザーザーと音をたて、流し込むように食べる

お茶碗のご飯が泳ぐぐらいとろろ汁をたっぷりとかけ、泡立つくらいによくかき混ぜるのがコツ。そして最後に、音を立ててザーザーとかき込むと、空気を多く吸い込んで、とろろやかつおだしなどの香りがいっそうを楽しめるそうです。

■芋をすりおろすと、手が痒くなる…

とろろ汁用の芋をすりおろすときに手にかゆみを感じる場合は、あらかじめ酢水に手を浸しておくと、かゆみ防止になります。また、芋に深くフォークなどを刺して、直接芋を触らないようにするのもアイデアです。

■すりおろした芋が余ってしまったら?

すりおろして時間が経った山芋は、酸化して赤茶色になってしまいます。食べる分のみすりおろして早めにいただくのがいちばんですが、余ってしまった場合は、冷凍保存がおすすめです。フリーザーバッグなどに入れたら薄く平らに伸ばし、空気を抜いて封をします。使うときには必要な分だけ折って使いましょう。冷凍庫で約1か月保存できますよ。

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とろろの味は淡泊なので、いろいろな食材との組み合わせも楽しめます。お蕎麦や冷や奴、ナスやオクラなど夏野菜にかけてもおいしいですし、お肉と合わせて、スタミナ満点の一品にすることも。夏が本格的に始まる前の季節から「麦とろ」をいただいて、夏バテ予防を始めてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /一般社団法人日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp) /株式会社はくばくHP(https://www.hakubaku.co.jp) /おいしい大麦研究所(https://www.hakubaku.co.jp/omugi-lab/hyakka/highergrade/#:~:text=白米に自分の好き,も食べやすい配合です%E3%80%82)/Precious.jp「「とろろご飯は音を立てて食べるべし」その理由を400年続くとろろご飯専門店が解説!」(https://precious.jp/articles/-/17909) :