1937年にスカーフ(カレ)のプリントを初めて以来、エルメスでは7万5千色以上もの独自のカラーを生み出してきました。無限に広がる色の組み合わせが、芸術的な一枚をつくる秘密となっています。今季登場したカレ『ブケ・フィナル』は、躍動的な花が描かれて話題となった作品のひとつ。
デザインを手がけたのは、ロンドンを拠点として活躍するイラストレーター、ケイティ・スコット。一枚のカレの誕生には、偶然の出会いとインスピレーションから生まれたというエピソードが隠されています。
2024年のプロジェクト「ランタンエルメス」の一環として、「銀座メゾンエルメス」で日本のフラワーアーティスト東信氏と対談を行ったスコット氏。東氏がつくったブーケをスコット氏がドローイングとして描き出し、イラストにしたのです。
そのデザインが、2025年の新作カレ『ブケ・フィナル』としてシルクの上に色鮮やかに咲き誇ります。
■精緻な花の表現で、アート作品のような風情に
自然を賛美するイラストを得意とするケイティ・スコット。彼女が描く花は繊細でいて力強く、躍動的なパワーを秘めています。花びらに浮かぶ花脈まで丁寧に表現されています。
咲き誇る花々が放つ鮮やかな色の競演は、シルクエクスパートによる職人技の賜物。製版職人、デザイナー、カラリストたちの技術が重なり、リヨンの工房で時間をかけて一枚のカレが完成します。
■『ブケ・フィナル』=「最後の花束」を意味する名前に
カレに名付けられた『BOUQUET FINAL=ブケ・フィナル』のレタリングは、シルクにも刻まれています。『ブケ・フィナル』は最後の花束を意味したフランス語。花火のような華やぎや高揚感が宿っています。
花の優美さや逞しさを表現した新作カレ『ブケ・フィナル』。ロンドンをベースとするケイティ・スコットが描いた一枚には、生命の喜びをたたえるような、ポジティブなエネルギーが宿っています。
※掲載商品の価格は、税込みです。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 大原敏政(aosora)
- WRITING :
- 川口夏希(NTK CREATIONS)

















