「酌み交す」ってなんと読む?「しゃくみこうす」ではないですよ!

明日、12月16日は『運命』『エリーゼのために』などの作曲家として知らぬ人はいないドイツの楽聖・ベートーヴェンの生誕日です。日本では特に年末に、『第九』ことベートーヴェンの『交響曲第九番ニ短調 作品125』の演奏会が行われる事が風物詩になっていますね。なぜこの時期にこの曲が定着したのかについては諸説ございますが、有力とされるのは「戦後の混乱期、オーケストラが年越しの為の収益を確実にあげるため、人気が高く客入りが盤石そうな曲として『第九』を選んだ」という説です。『歓喜の歌』とも呼ばれる第四楽章は特にドラマティックで、誰もが高揚感を感じそうな名曲ですから、納得の説ですね。本日は「交響曲」の「交」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「酌み交す」ってなんと読む?

「酌み交す」という日本語の正しい意味をお答えください。

ヒント:「互いに杯をやりとりしながら酒を飲む」という意味です。

<使用例>

「年末年始は、実家に集まって親族でお酒を酌み交すのが恒例の過ごし方です」

「○み○○す」。
「○み○○す」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 酌み交す(く-み-かわ-す) です。

「酌み交わす」とも表記します。
「酌み交わす」とも表記します。

公文書や漢字辞典では「交わす(かーわす)」の表記となっていますが、国語辞典や一般には「交す(かわ-す)」という表記も使われているので、取り上げてみました。中学校程度で学習する常用漢字の読み方ですが、読めたでしょうか? これを踏まえて2問目にまいります。

【問題2】「出交す」ってなんと読む?

「出交す」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「偶然に出会う。ばったりと出会う」という意味です。

<使用例>

「こんなタイミングで出交すとは、私たちってやっぱり縁があるのよ」

「○○○す」。
「○○○す」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 出交す(でくわ-す) です。

この言葉では「交す」が「くわ-す」と音変化します。

「出交す(でくわ-す)」はこの読み方で定着している言葉ですので「でかわ-す」とは読みません。小さなポイントですが、細かい言い回しの差が、使う人のイメージを左右することもおおいにございます。お気を付けください。

***

本日は、12月16日、楽聖・ベートーヴェンの生誕日にちなんで、「交」という字の入った日本語から、

・酌み交す(く-み-かわ-す)

・出交す(でくわ-す)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/読売新聞オンライン(2012年1月19日)/『文部科学省_用字用語例』(平成23年3月文部科学省)(平成29年4月一部改定)/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱