「観光バス記念日」とは？由来・歴史・いま知りたい“観光バスの魅力”を解説 【大人の語彙力強化塾】

【目次】

• 「観光バス記念日」とは？
• 「観光バス」の「歴史」と「魅力」を知る雑学

【「観光バス記念日」とは？】

■いつ？

12月15日が「観光バス記念日」です。

■由来

「観光バス記念日」が12月15日なのは、民間のバス会社「東京遊覧乗合自動車」によって、日本初となる定期観光バス「ユーランバス」の運行が開始したのが1925（大正14年）のこの日だから。「ユーランバス」は、添乗員が同乗して東京周辺を巡るバスツアーでした。現在は「観光バス」という呼び方が一般的ですが、当時は観光目的のバスを総じて「遊覧バス」と呼ぶことが多かったようです。

当初のコースは8時間をかけて東京の名所を巡るもの。上野を午前9時に、新橋を午前10時に出発し、皇居や日比谷公園、芝公園、愛宕山、明治神宮、東宮御所（現在の迎賓館赤坂離宮の地）、上野公園、浅草観音、そして銀座通りなどと超盛りだくさん！ 料金は大人が3円（現代の4,000～5,000円くらいの感覚）でした。これが日本初の定期観光バスですが、運行上は路線バス扱いだったとか。観光バスといえば途中下車・乗車は基本的にNGですが、この「ユーランバス」は行程途中からでも乗車可能。その場合の運賃も定められていたようです。

【「観光バス」の「歴史」と「魅力」を知る雑学】

観光バスといえば、旅先での周遊のほか、目的地までの移動から観光地の周遊、宿泊、食事などがパッケージになったツアーでも利用されますね。時間的な自由度は低くなりますが、あちこち手配をしなくて済んだり、移動が困難な行程もスムースにこなせるなどのメリットがあります。そんな観光バスの歴史や魅力をご紹介します。

■観光バスとは？

団体で観光地などを巡るためにつくられた大型自動車のこと。普通の路線バスより床面が高いのは、景色がよく見えるようにするためと、下部にキャリーケースなどの大型荷物や大量の荷物が収納できるスペースを確保するためです。

■観光バスは時代に切望された

前述したように、日本初の定期観光バスは1925年12月15日に運行が開始されました。今年でちょうど100年になります。昭和初期には観光バスの需要が全国的に高まります。観光資源に恵まれていながらもアクセスに難があり、遊覧サービスを必要としていた地域は少なくなかったよう。そのひとつだった兵庫県神戸市は、市が先導して観光バスを走らせる計画を立てたこともあったようです。

■はとバスが人気のわけ

レモンイエローの車体に社名のロゴでおなじみの株式会社はとバスは、東京を拠点に定期観光バスや日帰りツアー、宿泊バスツアーなどを運行する大手バス会社です。創業は1948（昭和23）年で、戦後の復興とともに事業を大きくしていきました。

はとバスの人気理由ナンバーワンは、なんといってもコースが豊富なことでしょう。東京の主要観光地を巡るコースでも、気軽に参加できる半日コースから、たっぷりの東京観光とディナーまで楽しむ充実コースまでさまざま。例えば、夜6時に東京駅丸の内を出発し、浅草の老舗牛鍋店で夕食、そして浅草演芸ホールで落語や演芸を楽しみ、浅草観音や歌舞伎座のライトアップを車窓から楽しんで東京駅で解散という、3時間40分ほどの気軽で大充実なコースも人気です。

そして「はとバス名物！」と言ってもいいのが、ユーモアたっぷりで観光地・名所を案内してくれるバスガイドさん。近年はインバウンド需要に応えるため、英語や中国語、韓国語など、外国語に対応したガイドの採用にも力を入れ、多言語対応のガイド付きツアーも充実しています。 

■観光バス特有の「補助席」は消滅する？

車体中央の通路に簡易的に設けられた「補助席」。これは日本の観光バス特有の設備とされ、海外ではほとんど見られません。クッション性がよくなかったり背もたれが低かったりなど、通常の座席に比べて乗り心地が劣るため「補助席でアンラッキー…」という経験をしたことがある人もいるのでは？

しかし、2008年6月1日に全席シートベルト着用が義務づけられて以来、補助席を設けているバスは減少傾向にあるのだとか。補助席のシートベルトは腰のみのタイプですから、乗り心地だけでなく、安全面から見ても補助席の廃止はいい傾向ですね。

■床下に仮眠室!?

床下スペースにはキャリーケースなど大型荷物も積載できる収納スペースがありますが、実はここに仮眠室が設置されているバスもあります。長時間運行のツアーの場合、運転手は交替で勤務にあたりますが、運転していない間に仮眠を取ることができるようにという配慮から。ちょっと寝てみたい…と思いませんか？

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観光バスで巡る旅には、自由旅行とはまた違う贅沢があります。めんどうな段取りから解放され、ゆったりシートに身を預けているうちに、気付け次の名所へ――そんな“時間のゆとり”こそ、大人の旅の醍醐味。

近年はインバウンドの増加にあわせて、ツアー内容もさらに洗練され、多言語ガイドや特別な体験が組み込まれたプランも増えています。忙しい日常を少し離れ、プロにすべてを委ねる旅。次の休暇には、観光バスでの“スマートな旅”を選んでみるのも、素敵ではないでしょうか。