【目次】

回文の日とは?

■いつ?

12月21日が「回文の日」です。

■目的は?

回文俳句などを手掛ける宮崎二健氏が、言葉遊びのおもしろさを広める目的で制定しました。


【そもそも回文とは?意味と特徴】

■回文とは

「回文」とは、順方向に読んで意味を持ち、逆方向から読んでも「同じ音」になる単語や文章のこと。上から読んでも下から読んでも(左から読んでも右から読んでも)同字・同文になる詞句のことです。「かいもん」とも読み、日本語だけでなく英語などほかの言語にも見られる言葉遊びで、(英語では「palindrome(パリンドーム)」と言います)言語能力や思考力の向上にもつながるそうです。

■特徴

「竹やぶ焼けた」は逆から読んでも「たけやぶやけた」、英語で[Madam, I'm Adam](本来、英語の回文は大文字、句読点、空白を無視するルールが一般的ですが、ここではわかりやすく表記しています)も同様ですね。言語表現としては特殊なものも多く、日常的なフレーズより遊戯的な要素が強いのが特徴です。とはいえ意味が通じなくてはならないので、濁音や拗音、超音などを無視する寛容ルールでつくられることも。


【回文はいつから楽しまれてきた?】

実は、回文は、言葉遊びとして古くから親しまれています。

平安後期の歌学書『奥義抄(おうぎしょう)』 に掲載された「むら草に草の名はもしそなはらばなぞしも花の咲くに咲くらむ」が古い例。

また、よく知られる例としては、江戸時代に宝船の絵に添えられた「長きよの とをのねぶりの 皆めざめ 波乗り舟の 音のよきかな」などもあります。江戸初期の石田未得(みとく)という俳人による狂歌集『吾吟我(ごぎんわが)集』には逆から読んでも同じになる句が多数掲載されています。上句と下句で文字数が異なる和歌は技巧的に無理がありますが、遊戯的な特徴もあるためか、狂歌に作例が多く見られます。


【日本語の有名な回文】

では、よく知られている回文を挙げてみましょう。言葉遊びですから、意味の深掘りは厳禁です。

■私、負けましたわ(わたしまけましたわ)

■鯛焼き焼いた(たいやきやいた)

■確かに貸した(たしかにかした)

■まさか逆さま?(まさかさかさま)

■夜、すき焼きするよ(よるすきやきするよ)

■よき月夜(よきつきよ)

■馬が舞う(うまがまう)

■なるとは取るな(なるとはとるな)

■留守に何する?(るすになにする)

「トマト」「新聞紙」「八百屋」などの単語も回文のひとつですね。


【なぜ回文はおもしろい?脳と心理の話】

先に「回文は言語表現としては特殊で言語遊戯的な要素が強い」と解説しましたが、まさにそこが回文をおもしろいと感じる要因です。脳は常に刺激を求め、より刺激が大きいことを望むからです。

回文づくりを言語障害のリハビリや認知症予防に取り入れることもあるよう。多言語学習と同じように、回文を声に出して読むことでも脳の活性に役立つと言われています。

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バイリンガルは、言語を切り替える脳の活動によって神経回路が強化され、認知症の発症を遅らせる効果が期待されているのだとか。回文や早口言葉など、遊戯的要素が強い言語も脳トレによさそうですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『世界大百科事典』(平凡社)/厚生労働省( https://www.mhlw.go.jp/index.html ) :