【目次】
【「豆腐の日」はいつ?】
10月2日は「10(とう)」「2(ふ)」と読んで「豆腐の日」。日本の豆腐業界を代表する豆腐製造業者の方々による日本豆腐協会が制定しました。同様の語呂合わせで、毎月12日も「豆腐の日」です。
【豆腐の歴史と日本文化における役割】
■中国から日本へ
豆腐は中国がルーツとされ、その起源は紀元前2世紀、前漢の淮南王・劉安の創作だという説があるようです。日本には奈良時代から平安時代にかけて遣唐使や仏教僧によって伝えられたと考えられています。文献上では、寿永2(1183)年、春日大社の神主の日記にお供物として「春近唐符一種」の記載があり、この「唐符」が豆腐に関する初の記録といわれています。日本で豆腐がつくられたのは奈良・平安時代あたりからといえそうです。
■奈良から京都へ
まずは奈良の寺院で食され、次に精進料理の普及に伴って貴族や武家社会に伝わりました。庶民の口に入るのは室町時代になってから。製造も奈良から京都へと伝わり、次第に全国へと広がっていきます。特に良質の水に恵まれた京都では、土地を代表する食材のひとつに数えられるほど。現在でも南禅寺周辺には豆腐料理専門店や製造販売店が連なり、年中賑わっています。
■日本文化とのかかわり
江戸時代の天明2(1782)年に出版された『豆腐百珍』には100種類の豆腐料理のレシピが紹介されていて、大ヒットしたのだとか。翌年に続編が、翌々年には『豆腐百珍余禄』が出版され、当時ブームとなった料理本“百珍もの”のさきがけとなりました。主原料である大豆は「畑の牛肉」と呼ばれるほど栄養価にすぐれ、安価で手に入ったため、庶民にも一気に普及したことがうかがえます。
蒸し暑い夏は涼やかに冷や奴、寒い時期には湯豆腐でと、日本の気候風土にあった食べ方で豆腐そのものを味わうだけでなく、田楽にしたりすき焼きの具材にしたり、沖縄のちゃんぷるーなど地域の伝統食に使われたり。さらには神事や仏事の行事食にも用いられるなど、日本の文化に深く根付いているのです。
【豆腐の種類と特徴|木綿・絹・充填豆腐の違いとは?】
スーパーの豆腐コーナーにはさまざまな豆腐が並んでいます。沖縄の島豆腐なども日常的に見かけるようになりました。豆腐は大豆による豆乳をにがりなどの凝固剤で固めてつくりますが、製造工程の違いなどによって食感の違いや味わいが異なります。それぞれの豆腐の違いを紹介しましょう。
■木綿豆腐
最も一般的な昔ながらの豆腐。型に流し入れ、重しを乗せて圧力を加えて固めることで「ゆ」と呼ばれる水分が抜け、しっかりした豆腐ができ上がります。これにより、量目当りのたんぱく質の割合が高くなります。「木綿」という名称は、型箱の中に木綿の布を敷いて濾していたため、豆腐の表面にその布目が付いたことに由来します。
■絹ごし豆腐
型に入れて加熱して固めたのが絹ごし豆腐。きめが細かく柔らかいのが特徴です。「ささのゆき」や「あわゆき」とも呼ばれます。
■焼き豆腐
水切りした木綿豆腐の表面を軽く炙って焼き目をつけたもの。崩れにくいので、すき焼きや田楽、煮物、おでんなど、さまざまな料理に使われます。
■寄せ豆腐
木綿豆腐を型箱に入れる前の寄せた状態を製品としたもの。圧搾や晒しをしないので、木綿豆腐とは異なる食味や風味に。この寄せた状態をざるに盛ったものがざる豆腐です。これも木綿豆腐とは一味違ったものです。
■充填豆腐
絹ごし豆腐と同じようになめらかな食感の充填豆腐。冷やした豆乳を凝固剤と一緒に容器に直接充填(注入)して密閉、加熱して凝固させたもの。機械化による大量生産に適しているため、戦後の機械化進展に伴って誕生しました。容器密閉後の加熱凝固で殺菌が行われるため、日持ちがいいのも特徴です。
■島豆腐
ひと晩水に浸けておいた生の大豆から、生絞り製法でとった豆乳を使用する沖縄の島豆腐。大きな地釜で煮てつくるので「地釜豆腐」とも呼ばれています。
■ジーマミー豆腐
島豆腐と並ぶ沖縄の伝統豆腐。琉球王朝時代から栄養価が高い貴重な食材として扱われてきました。主原料は大豆ではなく落花生。落花生の絞り汁にサツマイモのでんぷんなどを加えて固めてつくられます。なので、実は一般の豆腐とは異なるカテゴリです。もちもちした弾力のある食感が特徴で、落花生の香ばしさとほんのりした甘みも。しょうが醤油などでおかずとして食べるほか、黒糖ときな粉をかけてデザートとしても楽しめます。
【知っておきたい!豆腐の栄養と健康効果】
■栄養
・たんぱく質、リノール酸:血圧やコレステロールを下げ、動脈硬化に効果があるとされています。
・レシチン、βコングリシニン:脂肪の代謝を促し、脂肪肝にも効果的。
・レシチン、コリン:記憶力を高め、脳の老化やボケ予防に効果的。
・サポニン:活性酸素の抑制などにより、成人病や老化防止に効果ありといわれています。
・イソフラボン:女性ホルモンに似た働きをします。骨粗鬆症やがん、動脈硬化に。
・オリゴ糖:腸内の善玉菌やビフィズス菌を増やします。
・カルシウム:骨や歯に良い効果があるほか、ストレスの改善にも役立ちます。
・ビタミン類:製造工程で熱を加えるため、大豆に含まれるビタミンの豆腐への移行はさほど多くはありませんが、豆腐になってもビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンを含んでいます。とくに“美容ビタミン”ともいえるビタミンEには血行をよくする作用があり、美肌づくりや肩こり・腰痛解消などに効果があるほか、活性酸素や脂肪の酸化を抑制し、がんや成人病の予防効果も指摘されています。
■健康効果
私たちの体にたんぱく質が必要不可欠なのは、細胞の成長や維持、筋肉を動かすために必要な栄養素だから。遺伝子やホルモン、消化酵素、免疫をつかさどる抗体は、すべてたんぱく質でできています。たんぱく質に次いで植物性の脂肪を多く含んでいる点も、豆腐が健康食品と言われる所以です。植物性の脂肪は不飽和脂肪酸で、コレステロールを減少させる働きをもっています。
生活習慣病の原因にもなる肥満や動脈硬化、心臓病などに効果的。成長期の子どもの肥満解消にも豆腐が効くのだそう。基礎的な栄養素だけでなく、体を調節して健康を維持増進させる「機能性食品」としても注目され、欧米を中心に「TOFU」ブームも起こりました。
たんぱく質以外で近年注目されている成分がイソフラボン。特に女性ホルモンが低下した更年期の女性の骨粗しょう症を予防してくれることがわかっています。細胞が酸化されるのを防ぐ抗酸化成分も豊富なので、動脈硬化やガンを予防するのに役立つという研究も。不足すると筋肉の収縮が悪くなり、心臓の働きに支障が出たり血圧が上がったりするカルシウムやマグネシウムも豊富です。
消化吸収率が高いので、胃への負担が少ないのもうれしい特徴ですね。
【主食代わりにも!続けられる豆腐レシピ】
糖質の多い白米の代わりに主食を豆腐に置き換えたり、メインのおかずを豆腐料理にしたりと、健康やダイエットのために豆腐を食べる人が増えているようです。
■カロリーは半分以下、たんぱく質は約3倍!
木綿豆腐と炊いた白米(いずれも100g)を比べてみましょう。脂質にもご注目!
・カロリー:木綿豆腐73kcal/白米156kcal
・たんぱく質:木綿豆腐7.0g/白米2.5g
・脂質:木綿豆腐4.9g/白米0.3g
・糖質:木綿豆腐0.4g/白米35.6g
・食物繊維:1.1g/白米1.5g
■ご飯代わりにソイライス!
水切りや炒めて豆腐の水分を飛ばしてそぼろ状にする手間がかかるものの、ダイエット中にご飯を食べる量を減らしたい……という人に人気のソイライス。チャーハンやオムライス、カレーライスなどにも活用できます。
ほかにも、ひき肉の一部を豆腐に置き換えた豆腐ハンバーグや、ホワイトソースの代わりに豆腐を用いる豆腐グラタン、豆腐そのものを焼いたり揚げたりなど、レシピサイトに多数投稿されているのでチャレンジしてみては? 豆腐スムージーは忙しい朝の朝食にもよさそう! ただし、健康食品とはいえ過剰摂取は禁物です。1日300g(1丁程度)まで、1回の食事で150gまでなどの具体的な上限は個人差があります。
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低カロリーで高たんぱく質、脂質が少なく満腹感が得られて消化にもいい…と、プラスだらけの豆腐。長寿食ともいえる豆腐は欧米などでも関心が高く、今や「TOFU」という名称は世界で通用する言葉です。10月2日だけでなく、毎月12日の「豆腐の日」には努めて豆腐をいただきたいものです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『日本食材百科事典』(講談社)/日本豆腐協会( http://www.tofu-as.com/index.html )/一般社団法人 全国豆腐連合( http://www.zentoren.jp/ ) :

















