【目次】
- 「めんの日」とは?いつ・なぜ制定されたの?
- 実は奥が深い「麺」の文化と歴史
- 「めんの日」に食べたい!全国ご当地麺10選
- 意外と知らない?麺に関する雑学・トリビア
- 「麺類」は体に悪い?健康との付き合い方
【「めんの日」とは?いつ・なぜ制定されたの?】
■「いつ」?
「めんの日」は、11月11日および毎月11日です。
■「誰」が決めた?
「めんの日」は、生めん類の製造業者団体である、全国製麺協同組合連合会が制定し、一般社団法人 日本記念日協会によって認定・登録された記念日です。
■日付の「由来」は?
日付は、細長い麺(めん)を数字の「11」に見立てたことに由来します。細く長い麺のイメージと、「11」を「いい」と読む語呂合わせからも、11月11日が選ばれました。めんをつなぐことで、「細く、長く、末永く…おつき愛、そしてご長寿を」という意味も込められています。また、毎月11日も、同様の意味合いから「めんの日」と制定しています。
■「目的」は?
「めんの日」が生まれた理由は、麺類をPRし、麺類への関心をいっそう深めてもらうこと。麺を食べる姿は、「つるつる(鶴)、かめかめ(亀)」と、縁起がいいそうですよ!
【実は奥が深い「麺」の文化と歴史】
■麺の起源
麺の歴史は古く、中国北部の黄河流域が発祥ではないかとされています。紀元前8000年ごろから西アジアで栽培されていた小麦が、のちにシルクロードを経て中国に伝わりました。石臼などの製粉技術とともに伝わった小麦文化は、中国で普及・進化していきます。当初は小さくちぎったすいとん状や平たいワンタンの皮状のものを食べていたようですが、中国北魏時代(6世紀)に書かれた、現存する中国最古の総合的な農業技術書・生活技術書『斉民要術』には、「小麦粉をよくふるい、さめた肉の煮出汁でよくこね、箸の太さほどの棒状にし、水を張った器の中で、指でもみ押さえながら引き伸して麵状にする」という「水引餅」のつくり方が書かれています。
実は中国では「麺」という文字は小麦粉を指し、「餅」は小麦粉を使った食品全般を指しています。餅には、水で煮る「湯餅」、蒸してつくる「蒸餅」、焼いてつくる「焼餅」、油で揚げる「油餅」の4種類があり、このなかで、茹でる湯餅が日本語でいう「麺」に発展していきます。
■日本への伝来(奈良〜平安時代)
奈良時代に、中国から伝来した「索餅(さくべい)」「餺飥(はくたく/ほうとう)」 が日本の麺の原型といわれています。小麦粉や米粉に塩水を加えて練り、縄のような形にねじった麺で、「麦縄」とも呼ばれていました。現在のうどんよりも太く、茹でてそのまま食されていたようです。
■日本独自の麺文化の成立へ(鎌倉〜室町時代)
室町時代には、現代に近い製法が確立され、「そうめん」という呼び名に変わっていきました。鎌倉時代に伝えられた人の斎食(さいじき)のなかに「饂飩」があり、これがうどんの元祖とされています。饂飩は、室町時代の日記類に、小麦粉でつくった麺を細く切って煮て食べたと書かれており、この時点ですでに現在のうどんとほぼ同じ製法でつくられていたことがわかります。製粉技術が向上し、「切り麺」が一般化することで、そばも成立します。
■庶民へ普及(江戸時代)
江戸時代になると、そうめんの名産地として名高い三輪、播州地方などで特色あるそうめんづくりりが始められます。
江戸ではそば屋が急増。「立ち食い」「屋台」文化が誕生します。「早い・安い・腹持ちがよい」そばは、忙しい都市の労働者たちにとって、手早く食べられる便利な食事として親しまれていきました。
■ラーメン文化の誕生
ラーメンのルーツである中国の麺料理が日本に伝わったのは、江戸時代末に開港した横浜や神戸、長崎、函館に、多くの外国人が移り住んだことがきっかけです。明治時代には、麺料理を含む中国料理が港町を中心に紹介され、徐々に庶民にも浸透していきました。さらに中国からの留学生増加により、東京の神田、牛込、本郷あたりに大衆中国料理店が増えていきました。1910(明治43)年には、尾崎貫一氏が中華そば店「淺草 來々軒」をオープン。その後の一大ラーメンブームを起こすきっかけになります。
■日本の麺文化の特徴は…
・「すする」文化……香りや喉ごしを重視し、音を立てて食べるのを「よし」とする。
・出汁文化との融合……かつお節・昆布などの出汁が味の要(そば・うどん・ラーメン)に。
・年中行事・縁起と関係が深い……年越しそば=長寿・厄切りなど、意味を持って食べる。
・地域性が非常に強い……讃岐うどん、信州そば、博多ラーメンなど、土地の顔になる。
・日常食からごちそうまで幅が広い……立ち食い店から高級な専門店まで、価格帯も幅広く、生活に密着した存在。
【「めんの日」に食べたい!全国ご当地麺10選】
■稲庭(いなにわ)うどん
誕生:江戸時代初期の秋田県稲庭地区(現在の湯沢市稲庭町)
発祥の由来:麺めんの製造業者が、地元の小麦粉で干うどんを作ったのが始まり。
味・特徴:伝統を守るため、製法や産地が限られています。手延べで作られる麺は、細くて平たく透明感があり、強いコシがあります。また、表面がつるっとしていてなめらかです。
■ほうとう
誕生:諸説ありますが、平安時代。山梨県
発祥の由来:語源は平安時代の煮込うどん「餺飩(はくたく)」が語源とされ、時代とともに「ほうとう」と呼ばれるようになりました。
味・特徴:小麦粉を練ってつくる平たく太い麺と、季節の野菜をみそ味で煮込んでいます。汁にとろみがあるので、寒い時期には「体が温まる食事」と重宝されています。
■きしめん
誕生:江戸時代の愛知県
発祥の由来:碁石の形の麺を茹で、きな粉で食べる「碁石麺(きしめん)」という中国のお菓子が原型(諸説あり)。
味・特徴:柔らかく、やや幅広の薄く平たい麺めんで、幅4.5mm以上、厚さ2.0mm未満という基準があります。名古屋名物として広く知られ、かけうどんとして、味噌やしょうゆなどの濃いめのかつおだしで食べられることが多い。
■讃岐うどん
誕生:讃岐さぬき国(今の香川県)
発祥の由来:西暦806年に弘法大師 空海が中国から持ち帰ったという伝承もあります。
味・特徴:つやのある麺で、コシが強くもっちりとした食感です。つけ汁は「いりこだし」が主流。かけうどん、ぶっかけうどん、釜揚あげうどんなど、食べ方の種類が豊富なのも特徴です。
■三輪みわそうめん
誕生:約1200年前の三輪地方(奈良県桜井市三輪)
発祥の由来:日本のそうめん発祥の地。日本最古の神社である三輪山の大神神社の神職が市民の飢餓と疫病に苦しむ人々のためにそうめんをつくったのが始まりとされています。
味・特徴:コシが強い手延そうめん。茹でても伸びにくいので、温かいにゅう麺にしたり、炒め物でもおいしく食べられます。
■札幌ラーメン
誕生:昭和33年の北海道札幌市
発祥の由来:札幌市にあるラーメン店がみそ味のスープを考案し、製麺業者が麺を開発したのが始まり。これが札幌ラーメンの代表的なスタイルとなりました。
味・特徴:定番は味噌味ですが、最近では塩味やしょうゆ味も人気。中太ちぢれ麺めんとお店こだわりのスープに加えて、もやしや玉ねぎなどの野菜も入ります。
■盛岡冷麺
誕生:昭和29年の岩手県盛岡地方
発祥の由来:盛岡の麺職人が、朝鮮半島に伝わるふたつの冷麺をアレンジしてつくった創作料理。
味・特徴:麺は半透明で強いコシがあり、表面はなめらか。地元のお店では、冷たい麺に、キムチやきゅうり・チャーシュー・ゆで卵・梨のスライスなどを乗せ、濃厚なスープで食べるのが定番です。
■博多ラーメン
誕生:福岡県福岡市博多区
発祥の由来:久留米で誕生した豚骨ラーメンがルーツとされ、戦後に博多で広まり、「博多ラーメン」として定着しました。
味・特徴:極細ストレート麺を白く濁った豚骨スープでいただきます。具は、チャーシュー、紅しょうが、万能ばんのうねぎ、白ごまなど。
■ちゃんぽん
誕生:長崎県にある明治創業の「四海楼」(しかいろう)
発祥の由来:中国福建省の料理をもとに考案、語源は福建語で「ご飯を食べる」という意味の「吃飯(チャポン)」という説も。
味・特徴:豚肉・野菜・魚介(えび・練り物など)が入って具沢山。味は、地域によって違いますが、主流は豚骨スープです。ちゃんぽんと同じ具材をあんかけにして、揚あげた細麺めんの上にかけたものは「皿うどん」と呼よばれています。
■沖縄そば
誕生:明治中期の沖縄県那覇地方
発祥の由来:沖縄県の那覇で提供が始まったとされ、に中国人が開いたそば屋が始まり、という説も。
味・特徴:そばという名前ですが、小麦粉の麺です。見た目はうどんのようで、もちもちした食感です。豚骨やかつお節で取るこってりしたスープで、具は豚の三枚まい肉、棒かまぼこ、紅しょうが、ねぎが定番。
【意外と知らない?麺に関する雑学・トリビア】
■香川県人は麺が大好き!
うどんの消費量が全国1位の香川県は、麺類の消費量ランキングでも全国1位です。うどん屋の店舗数では、香川県は全国平均の3.5倍で人口10万人あたり50.16軒のうどん屋があります。また、西日本より東日本のほうが麺類の消費量が多い傾向にあります。さらに、西日本ではうどんの消費量が多く、東日本ではそばの消費量が多い傾向にあります。そば屋が最も多いのは信州そばで有名な長野県で、人口10万人あたり44.54軒です。
■日本で初めてラーメンを食べたのは誰?
答えは…時代劇でも有名な「黄門さま」こと水戸光圀だといわれています。中国から来た儒学者・朱舜水との交流のなかで、小麦を使った料理をふるまったという記録があります。ただし、現在のラーメンとは異なる料理だった可能性もあります。
■世界初の即席麺は?
世界初の即席ラーメンは、日清食品株式会社(創設当時の社名はサンシー殖産)によって開発・製造販売された「チキンラーメン」です。「チキンラーメン」の発売が開始された1958(昭和33)年8月25日は、「即席ラーメン記念日」に制定され、「チキンラーメン誕生の日」と呼ばれることも。2018年10月から2019年3月まで放映されたNHKの朝ドラ『まんぷく』は、即席ラーメンの開発者で日清食品の創設者である、安藤百福さんとその妻をモデルにしたドラマでした。
■「日清焼そばU.F.O.」「チキンラーメン」や「カップヌードル」は宇宙食にも!
日清食品が製造販売している製品は、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在する日本人宇宙飛行士に、日本食の味を楽しんでもらい、長期滞在の際の精神的なストレスを和らげてもらうために開発された「宇宙日本食」にも選ばれています。現在、認証された「宇宙日本食」は、52品目(29社/団体)で、私たちの日常でも人気のカップ焼そば「日清焼そばU.F.O.」を宇宙食に進化させた「スペース日清焼そばU.F.O.」、「日清チキンラーメン」を進化させた「日清スペースチキンラーメン」や「日清スペースカップヌードル」など、日本が誇る麺文化は宇宙でも人気です!
■麺の記念日がたくさん!
日本には「麺の記念日」たくさんあります。
・うどんの日(7月2日)
香川県讃岐地方では、古くから田植えの終わる頃ころ、田植えの手伝いにきた人に、うどんをふるまう習慣があるそうです。田植えの終わる時期が半夏生(夏至から数えて11日目、7月2日ごろ)にあたることから、7月2日が「うどんの日」になりました。
・沖縄そばの日(10月17日)
「沖縄そば」は小麦粉100%でつくられているため、そば粉はまったく含んでいません。そのため、沖縄が本土復帰を果たして4年目となった1976(昭和51)年、公正取引委員会から「『そば』と表示してはならない」と指摘を受けてしまいます。これに対し、沖縄生麺協同組合の当時の理事長・土肥健一氏らは粘り強い交渉を続け、1978年の10月17日、ついに伝統的な呼称である「沖縄そば」の使用が、公正取引委員会により公式に認可されたのです。この経緯に関わった、沖縄そばを愛する人々の熱き想いと努力を讃え、1997(平成9)年に制定されたのが「沖縄そばの日」です。
・きしめんの日(10月26日)
愛知県の名物「きしめん」をもっと多くの人に食べてもらおうと、愛知県名古屋市の「愛知県製麺工業協同組合」が制定した記念日です。日付の由来は、食欲の秋である10月と、「きしめん」の特徴であるツルツル感を2(ツ)と6(ル)で表した26日の組み合わせから。
・ラーメンの日(7月11日)
一般社団法人日本ラーメン協会が制定。ラーメン産業の振興・発展とともに、日本独自のラーメン文化を支えるのが目的。日付は7と11の7をレンゲに、11を箸に見立てたことと、ラーメンを最初に食べた人物とされる水戸黄門(水戸光圀公)の誕生日(新暦・1628年7月11日)に由来します。
・長崎ちゃんめんの日(6月1日)
飲食事業の経営・企画・運営などを行う株式会社焼肉坂井ホールディングスが制定。「長崎ちゃんめん」とは同社が展開する外食レストランチェーンの名称であり、店の看板メニュー。ラーメンとちゃんぽんのよさを混ぜ合わせた「長崎ちゃんめん」は、肉、野菜、海産物などの具が約13種類とボリュームたっぷりで、コクはあるがさっぱりとした味わいが人気です。
【「麺類」は体に悪い?健康との付き合い方】
ラーメンは手軽でおいしく、満足感のある食べ物ですが、スープの塩分や脂質が高めになりやすい点には注意が必要です。特に外食やカップ麺では、スープを全部飲み干すと1食で1日の塩分摂取量に近づいてしまうこともあります。もちろん、ラーメンを完全に避ける必要はありません。大切なのは頻度とバランス。健康的に楽しむアイデアを紹介します。
■具だくさんにする
ねぎやほうれん草、もやし、海藻などおトッピングしたり、卵・鶏肉・豆腐・納豆などでたんぱく質をプラス。具だくさんにする分、麺の量を少なめに、など工夫して。
■スープやつゆは控えめにして塩分対策を
ラーメンのスープは残す。そばやうどんは「つけ麺形式」をセレクトすることで塩分対策を。
■調理法を工夫
パスタなら、カルボナーラやクリーム系より、オリーブオイルやトマトソースを。そばやうどんなら温野菜やきのこをのせるなど、調理法でヘルシーに。
■血糖値や栄養面が気になる方には「そば」もおすすめ
麺類の中でも、そばは比較的ヘルシーな選択肢といえます。特に「十割そば」などは、小麦粉を含まず、食物繊維やビタミンB群、抗酸化作用のあるルチンなどを豊富に含みます。また、血糖値の上昇を緩やかにする「低GI食品」としても知られています。
日によって「ラーメン」「うどん」「そば」など、メニューを変えながら楽しむのも、体への負担を減らすポイントです。
***
「毎月11日は、麺でいい日に」。麺の種類や味のバリエーションが豊富な日本の麺は、日本の食文化そのものです。「つるつる(鶴)かめかめ(亀)」にあやかって、細くなが〜く、健康的に、麺をいただきましょう!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /全麺連(https://www.zenmenren.or.jp/index.html) /一般社団法人 日本記念日協会HP(https://www.kinenbi.gr.jp) /愛知県共済「私は麺食い人!」(https://www.aichi-kyosai.or.jp/service/culture/internet/cook/cooking/cooking_23/1_70.html) 株式会社 明治「日本の食と文化」(https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/japaneseculture/column/noodles/) /JAXA(https://humans-in-space.jaxa.jp/?_ga=2.241420358.538770442.1764209726-2053700369.1764209726&_gl=1*bh3obx*_ga*MjA1MzcwMDM2OS4xNzY0MjA5NzI2*_ga_TD7E2WGH8Z*czE3NjQyMTA2 :

















