温泉地・熱海のランドマーク『お宮の松』の「お宮」ってどんな人?

明日、1月17日は、例年、静岡県熱海市で『尾崎紅葉祭』が行われる日です。今年・令和8年は土曜日にあたりますので、名所『お宮の松』前で午後1時から行われるメインイベントには、観光客や見物客がたくさん集まりそうですね。

尾崎紅葉(おざきこうよう)は皆さまご存知、明治時代の文豪ですが、熱海で『尾崎紅葉祭』が行われる1月17日が生誕日や忌日というわけではありません。熱海を舞台にした代表作の中で、大変重要なトピックのあった日なのです。…というところで本日1問目のクイズです。

※尾崎紅葉祭は雨天時は起雲閣音楽サロン(熱海市昭和町)で開催予定です。詳しくは公式サイトでご確認ください。

【問題1】『金色夜叉』ってなんと読む?

尾崎紅葉の代表作『金色夜叉』の正しい読み方をお答えください。

ヒント:1897(明治30)年1月1日から『読売新聞』に連載された新聞小説で、主人公の名は「寛一(かんいち)」と「お宮(みや)」です。

かな7文字です。
かな7文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 『金色夜叉(こんじきやしゃ)』 です。

当時、一斉を風靡し、熱海を全国的に有名な憧れの地にした作品名です。
当時、一斉を風靡し、熱海を全国的に有名な憧れの地にした作品名です。

『金色夜叉(こんじきやしゃ)』には、大変に有名なセリフがございます。『来年の今月今夜のこの月を、僕の涙で曇らせてみせる』…皆さまも聞いたことがあるのではないでしょうか? これは『金色夜叉』が舞台や映画、ドラマなどにメディアミックスされた際、原作の寛一のセリフをより印象的に簡略化したものです。原作上はもう少し長く、「可(い)いか、宮さん、1 月の17日だ。来年の今月今夜になったらば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから」でした。そう、この有名なセリフが放たれた日付が1月17日で、その舞台であった熱海の海岸には、お宮を蹴り飛ばしてこう言い放つシーンを模したふたりの石像が立てられています。そのかたわらにある松の木は『お宮の松』という名称で、現在も熱海のランドマークになっております。

これを踏まえて、2問目にまいりましょう。

【問題2】寛一とお宮はどういう関係?

『金色夜叉』の寛一とお宮の関係性として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。

1:婚約者同士

2:義弟と兄嫁

3:常連客と芸妓

『金色夜叉』の「寛一」と「お宮」の関係は?
『金色夜叉』の「寛一」と「お宮」の関係は?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 1:婚約者同士 です。

婚約者でしたが、お宮が寛一を裏切ります。

寛一は将来を嘱望されていた学生で、寄宿先の娘・お宮と恋仲になり、いずれ結婚しようと誓い合います。しかし、お宮が銀行頭取の息子に見そめられ、求婚されたことで、お宮は経済的に条件のよい結婚への憧れが募り、婚約者である寛一を捨ててしまうのです。…そこで、熱海の海岸で別れ話となり、かの有名な寛一のセリフが登場するのです。

寛一のセリフはこの前後も強烈で「来年だけでなく、再来年も、十年後も、一生を通して僕は今月今夜を忘れない」「月が曇ったら、寛一はどこかでお前を恨んで、今夜のように泣いていると思ってくれ」というようなことを、せつせつとお宮にぶつけるのです。『金色夜叉』は「金に目がくらんだ夜叉(=鬼神の名)」というイメージです。

作中では寛一とお宮の数年後の再会や、その後の様子も綴られていきますが、作者・尾崎紅葉の死によって『金色夜叉』は未完のまま幕を閉じました(その後、作者の門下生などの手で続編がつくられています)。現代、推しコンテンツの舞台を訪れる「聖地巡礼」なる文化がございますが、『金色夜叉』と熱海の海岸は、そのさきがけと言えるでしょう。

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本日は、1月17日『尾崎紅葉祭』にちなんで、

・『金色夜叉(こんじきやしゃ)』

の読み方、

・寛一とお宮の関係…婚約者(であったが、のちにお宮が裏切る)

などの関連知識をおさらいいたしました。

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『熱海市観光協会公式サイトあたみニュース』ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱