スーパーカーブームの時代から、ランボルギーニは最も集客力(!?)のあるブランドだった。違うのは、昔は並行輸入車しかなかったのが、今は日本法人による正規輸入車が手に入ることである。とはいえデリバリー数には限りがあり、最新モデル「ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダー」も日本で披露された時点で、すでに2018年分は完売済み。人気の秘密は、無二のデザインとパフォーマンス。これに尽きる。

ランボの行くところ、人だかりあり!

お披露目は原宿・キャットストリートそばのバツアートギャラリーを使った「ランボルギーニ・ラウンジ」で行われた。これは現在ランボルギーニが世界の各都市で展開中の、ライフスタイル面でのPRを目的とした期間限定の施設。外に出れば、渋谷川遊歩道でまったりとアイスクリームを食べる、若いカップルたちの姿が。そのギャップが何とも愉快な気にさせてくれた。
お披露目は原宿・キャットストリートそばのバツアートギャラリーを使った「ランボルギーニ・ラウンジ」で行われた。これは現在ランボルギーニが世界の各都市で展開中の、ライフスタイル面でのPRを目的とした期間限定の施設。外に出れば、渋谷川遊歩道でまったりとアイスクリームを食べる、若いカップルたちの姿が。そのギャップが何とも愉快な気にさせてくれた。

 エッジの効きまくったスタイリングと圧倒的なパフォーマンスで無二の存在感を放つスーパーカーブランド、ランボルギーニ。銀座などの大通りに停車すると、たちまち観光客が集まってカメラのシャッターを切るのは、もはや名物となっている。そうした光景を冷ややかに見る向きも少なくないが、70年代のスーパーカーブームはもっとすごかった。お金を払うと助手席に乗せて写真を取ってくれる展示イベントが、町のスーパーマーケットで行われていたくらいだ。むしろ、都市部でハイエンドカーを見かける機会が多い今の時代に、なおも絶大な吸引力を誇るランボルギーニの魔力を評価すべきではないか。

 人々の関心は「乗った感じ」がどうなのかというところにある。そういう意味では、ランボルギーニとは「自己所有ができるアミューズメントパークのアトラクション」といえる。アトラクションとなれば、刺激が必要だ。それも一般的なスピードで体感できる範囲で。そんな要求に応えてくれるのが、「ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダー」である。

「特別なウラカン」完売しました!

横から見て、ボンネット先端からフロントウインドウまで、ほぼ同じ角度で傾斜が続くのが、ランボルギーニの伝統。したがってオープンエア状態では、頭上から背後にかけて露出した感覚だ。
横から見て、ボンネット先端からフロントウインドウまで、ほぼ同じ角度で傾斜が続くのが、ランボルギーニの伝統。したがってオープンエア状態では、頭上から背後にかけて露出した感覚だ。
こじんまりとした会場に殺到したメディア関係者たち(筆者含む)。仕事とはいえ、やはりみんなランボルギーニが好きなのだ!
こじんまりとした会場に殺到したメディア関係者たち(筆者含む)。仕事とはいえ、やはりみんなランボルギーニが好きなのだ!

 車名でお分りのように、「ペルフォマンテ=パフォーマンス」を強化したのが、このオープンボディ・スーパーカーだ。カーボンファイバーを最新のテクノロジーで処理した複合材からなる車体は、わずか1,507kg。これに5.2リッターV10エンジン(640馬力)、専用セッティングが施された可変エアロダイナミクス機構、サスペンションやステアリング特性をコントロールする機構などを装備することで、0-100km/h加速は3.1秒、最高速度は325km/hを実現したという。

 超高速のオープンエア体験が、果たして気持ちいいのか微妙な気もするが、地を這うように低い車体のウラカンだけに、低速でも笑いが込み上げてくるのは間違いないと思われる。と、推定の話しかできないのも、すでに日本公開時点で(5月末)、2018年のデリバリー台数はクリア。つまり完売していて、展示車両のみがメディアに披露されたからだ。もちろん納車時期は未定なれど、予約は可能。新たなスーパーカー小僧の育成という意味も込めて、我こそは思う紳士は、この刺激的すぎるランボルギーニの魔力に引き込まれていただきたい。

〈ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォマンテ・スパイダー〉
全長×全幅×全高:4,506×1,924×1,180㎜
車両重量:1,507kg
排気量:5,204cc
エンジン:V型10気筒DOHC
最高出力:640PS/8,000rpm
最大トルク:600Nm/6,500rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:7AT(DCT)
価格:35,613,532円(税抜)

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この記事の執筆者
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。