【目次】
【「包む(ラッピング)の日」っていつ?意味と由来】
■いつ?
「包むの日」 は毎年2月26日です。別称「ラッピングの日」とも呼ばれます。
■「誰が」決めた?
「包むの日」は「株式会社 包む」が制定した記念日で、日本記念日協会によって認定・登録されています。ちょっと変わった会社名ですね!「包む」は1985年に東京都新宿区で誕生したラッピング専門メーカー。「人が人に想いを伝えるラッピング」だからこその個性的な名前が、よく似合います。
■「目的」は?
大切な人のことを想い、感謝の気持ちを込めて贈り物や商品を包むことで、楽しさや豊かさを届けられたら…。「包むの日」には、こんな思いが込められています。
■日付の「由来」は?
日付は、「つ(2)つ(2)む(6)」と読む語呂合わせに由来します。
【「包む」から「慎む」へ。語源】
■そもそも、漢字「包」とは?
「包」という文字は、母親の腹の中にいる未完成の児の形を表しており、子宮が胎児を包む形から「包む」という意味になりました。そして「包む」と「慎(つつし)む」は、共通の語源をもち、概念的にも非常に近い言葉であるといわれています。
■語源的な共通点
古語において、「包む」には「物全体を覆い隠す。周囲を取り囲む。くるむ」といった意味のほか、「人に知られないようにする。包み隠す。秘す」という意味があります。本来は、「ものを風呂敷などで覆う行為(=つつむ)」だったものが転じて、「行動を抑えたり用心したりする意味(=つつしむ)」に派生していったと考えられています。
現在では「慎む」は、「過ちや軽はずみなことがないように気を付ける」「度を越さないようにする」「控えめにする」といった意味で使われていますね。なお「うやうやしくかしこまる」は、文脈によっては「謹(つつし)む」に寄る言い方です。
■精神的なつながり〜「物」と「心」をつつむ
日本文化において、何かを「包む」という行為には、単なる「物理的な保護」以上の意味合いが含まれています。大切な中身を傷つけないよう、また相手に対して失礼がないよう、「心を込めて覆い、控えめに差し出す」という謙虚な姿勢が、「慎(つつし)み」の精神と重なっているのです。つまり…
包む:風呂敷や紙で物理的に物を覆い、大切に扱うこと ⇒ ギフトの文化に発展
慎む:自分の感情や行動を心理的に抑制し、隠すこと。過ちがないように用心すること。
「ものを大切に包むという行為」は「心や行動を慎み、相手を敬うという文化」に、密接につながっているのです。
【包む=ラッピング?「包装」「梱包」「ラッピング」の違い】
■「包装」とは?
「包装」という言葉は、JIS(用語規格)でも定義され、物品の輸送・保管・取引・使用などにあたって、その価値および状態を維持するために、適切な材料・容器などに物品を収納すること、ならびにそれらを施す技術、または施した状態を言います。これを個装・内装・外装に大別します。
キャラメルを例に挙げると、1粒ずつを包んでいるワックス紙が個装で、これを10粒包んでいる板紙箱が内装。さらに、これをまとめて輸送するための段ボール箱が外装(輸送包装)というわけです。
■「梱包」とは?
「梱包 (こんぽう)」 と「包装」は混同しがちな言葉ですが、「梱包」は「輸送や保管を目的として、荷物をまとめること」を意味します。物品を衝撃から守ったり、積み重ねやすくすることを目的とし、使われる材料は、ダンボールや木箱、緩衝材など。商品を目立たせるためのカラフルな内装などはありません。「見栄え」よりも「強固さ」や「効率」が優先される実務的な作業です。
■「ラッピング」
英語の[wrap(包む)]に由来するカタカナ語で、日本では「贈答品などを美しい包装紙で包むこと」を「ラッピング」と表現しています。贈り物に華やかさを添えたり、特別感を演出したり。リボンやきれいな紙を使って、贈る側の「気持ち」が主な目的ですね。
【文化としての「包む」とは?日本人が“包む”に感じる価値】
■日本の「包む」の歴史
日本における「包む」文化の始まりは、奈良時代まで遡るとされています。年貢として物産品を地方から運ぶようになったのです。包むための布の歴史は古く、風呂敷(という呼び名)が広まったのは室町時代以降とされます。
そして日本の「ラッピング」の原点は、600年以上の歴史をもつ武家社会の礼法「折形(おりがた)」にあるといわれています。
「折形」は起源に諸説はあるものの、鎌倉時代に誕生し、室町時代に足利義満が制定した礼法のひとつとして知られています。当時、紙は貴重で、贈答の場では檀紙や奉書紙など“格”のある和紙が用いられました。贈り物を奉書紙などで包むこと自体が、相手への敬意を形にする作法でもあったのです。用途や中身に応じて和紙の折り方や包み方を変える高度な作法であり、江戸時代までは秘伝として口頭で伝えられていました。
江戸時代後期には、伊勢貞丈が包みの作法を『包結図説』などにまとめ、後世に伝わる基礎資料のひとつになりました。また、明治から戦前まで、「折形」は女子のたしなみとして学校の教科書にも掲載されるほど、日本人にとって重要な教養でした。
■「清浄」の精神
贈答品を白い和紙で包むことは、中身を「穢れのない清浄なまま贈る」ことを意味します。「紙」は「神」に通じるとされ、贈り物をむき出しにしないことが相手への敬意となりました。「気配りの精神」や「思い遣りの心」が「包む」という行為に宿っていたのですね。
■現代の「ラッピング」は?
日本のラッピング文化は、明治期の文明開化以降、戦後の環境やライフスタイル、時代の変化と共に西洋化してきましたが、その根底にある「相手を思い、真心を込める」という精神は、「折形」の時代から変わらず受け継がれています。
「ラッピング」は単なる「包装」ではなく、包むという行為を通じ、「贈る心=気配り」を表現する日本独自の文化です。
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エコの観点から「過剰包装」は敬遠される傾向にあったものの、日本人にとっては「買った商品が美しく梱包されている」ことはごく普通の光景。海外からの旅行客の多くが驚くのが、日本の「ラッピングのきれいさ」だそうです。
とりわけ、ラッピングを上手に仕上げる技術は、SNSにも頻繁にアップされ、賞賛のコメントを集めています。皆さんはどんなときにラッピングをしますか? 美しい包装紙や袋を選んでいると、それを受け取った相手の喜ぶ顔が目に浮かびます! 美しくラッピングされたプレゼントを贈り贈られ…私たちは思いやりの心を交換しているのですね!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料: 『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /『全文全訳古語辞典』(小学館) /くすりの博物館「学芸員のちょっとコラム」(https://www.eisai.co.jp/museum/curator/column/050210c.html#:~:text=古くから物を包む,にいたいものですね%E3%80%82) /一般社団法人 日本記念日協会HP(https://www.kinenbi.gr.jp) /ステイタスラッピングスタジオ「知識編 包み、結びのルーツ、折形とは?」(https://www.wrapping2020.com/p/4/) :

















