【目次】

【「たまごの日」は誰が制定した?鈴木養鶏場と日本記念日協会の登録】

『デジタル大辞泉プラス』によれば、6月9日の「たまごの日」は、愛知県新城市で生産・販売を手掛けていた「有限会社鈴木養鶏場」が制定したとされています。日本記念日協会の公開情報によれば、同記念日は認定・登録されていましたが、2017年12月で記念日登録が終了しています。


【なぜ6月9日?数字の「6」と「9」に見える“卵”の文字】

日付の由来は「卵」という文字。「卵」の左右のパーツが「6と9が向かい合っているように見える」ことから6月9日が選ばれたそうです(『日本食糧新聞』より)。


【「卵」と「玉子」はどう違う?大人が知っておきたい使い分け】

■「卵」って何?

ひと文字の「卵」は孵化して育つ、生物の卵子としての「たまご」を指します。そのため、調理前の「生」の状態であるたまごを表記する際は、この「卵」を使います。

例)生卵、卵黄、卵白、卵かけご飯など

また、鳥類だけでなく、魚のたまご(鮭の卵=いくら等)や昆虫のたまごなど、生物学的な意味での「たまご」全般を指す場合は、すべて「卵」と表記するのが基本です。

■では「玉子」は?

ふた文字の「玉子」は、主に「玉子焼き」「厚焼き玉子」「錦糸玉子」のように、食用の鶏卵を使った料理名で用いられることが多い表記です。

例)玉子焼き、厚焼き玉子、玉子丼、錦糸玉子

「玉」という文字は「玉(丸い形)のような子」という意味合いから派生しているため、食用の「鳥類のたまご」について使われるのですね! そのため、魚や昆虫のたまごに対して「玉子」と書くことはありません。


【卵はなぜ“完全栄養食品”と呼ばれる?栄養の基本を確認】

卵が「完全栄養食品」と称される最大の理由は、鶏卵の主たる栄養素がタンパク質と脂質であり、食物繊維とビタミンCを除いたビタミンやミネラルがほぼすべて、バランスよく含まれているためです。

■豊富なタンパク質と脂質

卵に炭水化物はほとんど含まれておらず、タンパク質と脂質を多く含んでいることが特徴です。ただし、卵の脂質のほとんどは卵黄に含まれていることに留意してくださいね。また、含まれている脂質のうち、摂りすぎに注意したい飽和脂肪酸が約35%であり、残り約65%が不飽和脂肪酸。意識して摂取したいDHAも含まれています。

■卵の「アミノ酸スコア」は100!

特に注目すべきは、タンパク質の「質」を評価する世界的な基準である「アミノ酸スコア」において、卵は最高値の「100」を獲得している点です。

人間の筋肉や組織は、20種類のアミノ酸から構成されていますが、このうち、体内では合成できず、必ず食事から摂取しなければならないのが、9種類の「必須アミノ酸」です。そして、食品に含まれている必須アミノ酸が、体にとって望ましい量に対し、どれくらいの割合で入っているかを示したものが「アミノ酸スコア」です。卵のスコアが100であるということは、この必須アミノ酸が理想的なバランスで満たされていることを示し、摂取したタンパク質は体内で無駄なく効率的に利用されることが可能なのです。

■ビタミン・ミネラルも豊富!

卵黄には、視力維持や皮膚の健康に関わるビタミンAカルシウムの吸収を助けるビタミンD抗酸化作用を持つビタミンEなどの脂溶性ビタミンが豊富です。さらに、代謝をサポートするビタミンB群や、貧血予防に重要な鉄、亜鉛などのミネラルもバランスよく含まれています。

■不足したふたつの栄養素を補うには?

前述の通り、卵には「ビタミンC」と「食物繊維」だけが含まれていません。そのため、食事に取り入れる際は、野菜やブロッコリー、キウイフルーツなど、これらを補う食材と組み合わせることで、真の意味で「完全な栄養バランス」に近づけることができます。


【卵料理の魅力|朝食・お弁当・スイーツまで広がる食文化】

■卵の3つの料理特性とは

ご存知の通り、卵はさまざまな料理やお菓子に使われています。なぜ、これほど重宝されるのでしょうか。その理由は、卵がもつ3つの料理特性にあります。それは、熱凝固性(熱で固まる性質)、乳化性(油と水を混ぜ合わせる性質)、起泡性(泡立つ性質)。

たとえば、「起泡性」を利用したのがスポンジケーキやメレンゲ。「熱凝固性」はプリンやハムやかまぼこなどの練り製品に利用されています。そして「乳化性」はマヨネーズやアイスクリームに利用。なめらかな食感やコクが生まれます。これら3つの特性のおかげで、卵は朝食からスイーツに至るまで、あらゆる料理に活用されているのです。

■朝食なら…

卵は、肉や魚と比べると火が通りやすいため、調理に時間がかかりません。出勤前の慌ただしい時間帯、短時間で調理できる卵料理は定番ですね! 生食文化のある日本ならではの「卵かけご飯」をはじめ、目玉焼き、スクランブルエッグ、オムレツなど、火の通し方ひとつで異なる食感と味わいを楽しめることも卵の魅力です。「パンとコーヒーだけ」といった超簡単な朝食にも、ゆで卵や目玉焼きを添えれば良質なタンパク質の摂取が可能です。

■お弁当には…

お弁当のおかずのスタメンナンバー1といえば、「玉子焼き」。卵料理の「熱凝固性」を活かした代表格です。栄養価の点で優秀なだけでなく、卵黄の鮮やかな黄色は、お弁当の彩りを添えてくれますね。また、しっかり火を通せば、冷めても水分が出にくく、傷みにくい点も、お弁当に適していると言えます。

■スイーツなら…

洋菓子の基本であるスポンジケーキやプリン、シュークリームなどは、すべて卵の調理特性が活かされたもの。

起泡性: 卵白を泡立てることで空気を含み、生地をふんわりと膨らませる(スポンジケーキ、メレンゲ)。
熱凝固性: 熱を加えることで滑らかに固める(プリン、カスタードクリーム)。
乳化性: 卵黄に含まれるレシチンが、本来混ざり合わない水分と油分を均一に結びつけ、濃厚なコクを生み出す(クッキー、パウンドケーキ)。


【「いいたまごの日」「たまご料理の日」との違いも確認】

■「いいたまごの日」とは?

誰が決めた?

一般社団法人 日本養鶏協会

由来は?

11月5日の「1105」が「いい(11)たまご(05)」と読める語呂合わせから。

目的は?

日本の養鶏業界の全体団体が公式に制定した、国内で最も広く認知されている卵の記念日です。卵の正しい知識の普及や、消費拡大を目的とした大規模なイベントやキャンペーンが毎年11月を中心に全国で展開されます。

■「たまご料理の日」は?

誰が決めた?

一般社団法人 全日本うまいもん推進協議会

由来は?

5月は「たまご(05)」、22日は「ニワトリ(22)」の鳴き声(コッコ)などの連想や語呂合わせから。さらにもうひとつ、「5月は卵の品質が良い時期」であることにもちなんでいます。

目的は?

卵そのもののPRというよりも、「卵を使った料理(オムライスや親子丼など)」に焦点を当て、外食産業や家庭での料理文化を盛り上げることを目的としています。


【ビジネス雑談に使える「たまごの日」の豆知識】

■かつて卵は「高級薬」だった

今でこそ「物価の優等生」と呼ばれる卵ですが、江戸時代以前、特に平安時代や鎌倉時代においては、仏教の肉食禁忌(動物を殺生して食べてはならないという教え)の影響もあり、卵は一般庶民が食べるものではありませんでした。

江戸時代に入ると徐々に普及し始めますが、それでも依然として物価に対して高価な食材で、当時の卵は日常の食事というよりも、病気の際の栄養補給や、体力をつけるための「高級な薬(滋養強壮剤)」としての位置づけが強かったという歴史があります。

■卵が 「物価の優等生」と呼ばれるようになったのはなぜ?

昭和の高度経済成長期以降、卵は「物価の優等生」の代名詞でした。「物価の優等生」というのは、物価の上昇に対して、小売価格がほとんど変わらない商品を指していう言葉です。日本の鶏卵生産が本格的に近代化したのは、1964(昭和39)年の東京オリンピックの前後ですが、この時期以降、海外から効率的な養鶏技術や配合飼料が導入され、大規模な集約経営が進んだことで、生産コストが劇的に下がりました。

その結果、周囲の物価が何倍にも上昇する中で、卵だけは数十年にわたりほぼ同じ価格水準を維持し続けるという、驚異的なサプライチェーンが確立されたのです。

■新鮮な卵を見分けるには?

新しい卵は、殻がザラっとしているとか、食塩水に入れると沈むとか、「卵の見分け方」には諸説ありますが、実はどれも確実な方法ではありません。実は卵の鮮度は、割ってみないとわからないのです。鮮度がよいと、卵黄がこんもり盛り上がり、指でつまめます。これとは反対に、卵黄が平べったく卵白が大きく広がるものは鮮度の悪い卵です。

■卵は何度で固まる?

卵黄と卵白では、固まる温度が異なります。卵白は55℃付近で固まり始め、80℃付近で完全に固まります。20℃以上の幅があるんですね! 一方の卵黄は卵白とは違い、65℃付近で固まり始め、70℃付近で凝固状態となります。温度差がわずかですね。この、卵黄と卵白の固まる温度の差を利用してつくるのが、温泉卵です。

■卵黄の色が濃い方が栄養価が高い?

一見、「色が濃い方が濃厚なのかな?」と思いがちですが、卵黄の色はエサの色で決まり、栄養とは無関係なんです。トウモロコシが多いと黄色に、パプリカや甲殻類のエサなら赤くなります。つまり、色素を抑えたエサなら色が薄くなるんですね。また、殻の色は鶏の品種で決まります。いずれにしても、栄養価にはほとんど差がありません。

■卵の意外な利用法があるって知ってた?

近年、卵の成分を活用した高機能素材の研究が進んでいます。卵黄に多く含まれるレシチンは手術後などの栄養補給剤である脂肪乳剤の乳化剤として。また、加熱変性させた卵白のリゾチームはヒトノロウイルス(急性胃腸炎や食中毒を引き起こす感染性微生物)を不活化することが、キユーピーグループと東京海洋大学との共同研究で確認されています。これは現在、アルコール製剤などの衛生用品として応用されています。

■これだけは知っておきたい「たまご料理の基本のき」

Q.卵黄のとり出し方は?

A.たまごをボウルなどに割って手ですくうと、指の間から卵白が流れて卵黄が残ります。割った殻を使って卵黄をとり出す方法もありますが、初心者にはこちらのほうが簡単です!

Q.カラザは取った方がいい?

A.卵白の部分についた白いひも状のもの…これを「カラザ」といいます。見た目が今ひとつなため、とり除く人も多いようですが、カラザの主成分はたんぱく質。もちろん食べられますので、できるだけ食べるようにしましょう。

Q.ゆでたまごをキレイにむくには?

A.卵の殻をきれいに剥けないとイライラしますよね! 実は新鮮なたまごである程、炭酸ガスを多く含み、それが茹でるとふくらむために、卵白と殻がくっついてむきにくくなるのです。逆を言えば、少し時間が経った古い卵のほうが、新鮮なものよりも殻が剥きやすいのです。殻をきれいにむくにはいくつかの方法があります。

・茹でる前の卵(丸みのあるほう)にピンなどで穴をあける
・お酢を入れたお湯で茹でる
・ゆで上がったらすぐに冷水で冷ます

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普段あまり深く考えたことがない程、私たちの食生活にとって、卵は身近な存在です。「卵」と「玉子」の違いなど、なんとなく知っていたけど、改めて頭が整理された!という豆知識も多かったのでは? 関東甲信と東海でも梅雨入りが発表され、体調を崩しやすい季節の変わり目です。完全栄養食品といわれる卵の力を賢く取り入れ、健やかな日々をお過ごしください。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /日本食糧新聞「6月9日。今日はたまごの日」(https://news.nissyoku.co.jp/today/649773) /JA全農たまご株式会社「玉子と卵の使い分けは?」(https://www.jz-tamago.co.jp/customer/atoz/basic/a2z00018018/) /一般社団法人 日本養鶏協会(https://jpa.or.jp) /かんたん、わかる!プロテインの教科書「卵をタンパク質摂取に活用しよう!卵の栄養成分と活用レシピ」(https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=106&category=health) /kewpie(https://www.kewpie.com) :