【目次】
- 「持続可能な食文化の日」とは? 意味・由来・いつなのか解説
- 国連が制定した理由とは? SDGsとの関係も確認
- 「持続可能な食文化」とは? わかりやすく説明
- なぜ食文化を守る必要がある? 「フードロス問題」とは…日本で起きている現状
- 和食はなぜサステイナブルと言われる? 世界的評価の理由
【「持続可能な食文化の日」とは? 意味・由来・いつなのか解説】
■意味
国連によって制定された国際デー(世界共通の記念日)のひとつである「持続可能な食文化の日」。英語では[Sustainable Gastronomy Day]と言います。
■由来
「持続可能な食文化の日」が制定される前年の2015年、国連で「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されたことによって、飢餓の撲滅や陸・海の豊かさを守る目標など、「食」が持続可能な未来に深く関わっていることが強く意識され始めました。そして2016年12月に、ペルー共和国などの提案を受け、「毎年6月18日を持続可能な食文化の日とする」という決議が正式に採択されました。
■なぜ6月18日?
実は、6月18日という日付自体に明確な由来や直接的なエピソードは公表されていません。国連が国際デーを制定する際、まだ記念日が設定されていない日や、議論がまとまったタイミングなどを考慮して日付が選ばれることがよくあるのだそう。「持続可能な食文化の日」もそのケース。ちなみに2026年6月現在、国連の国際デーは200を越し、なかには複数の記念日が制定されている日付もあります。
【国連が制定した理由とは? SDGsとの関係も確認】
SDGsの多くの目標は食と密接に関わっています。国連としては特定の起源をもつ日付より、「毎年この日(6月18日)をきっかけに、世界中で一斉に食の未来について考え、行動を起こす日」としての機能をもたせることを重視したようです。
【「持続可能な食文化」とは? わかりやすく説明】
「持続可能な食文化」とは、国や地域の特性や伝統を守りつつ、地球の環境を壊さず、未来の世代まで豊かに続けていける食のあり方のこと。具体的に解説しましょう。
■環境を守る
自然との共生のなかで、地球に無理をさせない方法で食物を育てること。
たとえば「地産地消」。地元で採れた旬のものを食べることで、輸送距離が短くなり、環境負荷の低減につながる場合があります。土壌を枯らさない有機農業や、魚を獲りすぎない計画的な漁業など、自然の再生能力を超えない範囲で恵みをいただくことも、環境を守ることに繋がります。
■文化を守る
その土地で長年受け継がれてきた食文化を次世代へ残すこと。
土地による個性豊かな伝統野菜(京野菜や加賀野菜など)や、古くからの在来品種を絶やさないことも大切です。また、味噌や醤油、漬物など一般的なものから、沖縄の豆腐餻や滋賀県の鮒ずしといった地域の気候風土から生まれた発酵食品など独自の食材、調味料、料理なども、継承していくことが求められています。
■人と社会を守る
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フードロスの削減や、生産者は将来に展望をもって仕事を続け、消費者は安心・安全な食品を手にすることができる――これが人と社会を守ること。フェアトレード(適正な価格での取引)を意識したり、地元の生産者から直接購入するなどもその一端です。
【なぜ食文化を守る必要がある? 「フードロス問題」とは…日本で起きている現状】
■フードロスの現状
環境省の報道発表によると、事業系食品ロスについては食品リサイクル法に基づく事業者からの報告等をもとに、家庭系食品ロスについては市町村に対する実態調査等をもとに、令和5年度の食品ロスの総量は約464万トンと推計されました。緩やかですが、年々その量は減っています。
■フードロスとSDGs
「持続可能な開発目標」のターゲットのひとつとして、2030年までに世界全体のひとり当たりの食料の廃棄を半減させることが盛り込まれています。国内では、食品ロス削減推進法に基づく「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」(令和7年3月25日に閣議決定)において、家庭系食品ロスについては2000年度比で2030年度までに半減、事業系食品ロスについては2000年度比で2030年度までに60%削減することが目標。これらの削減目標の達成を目指し、総合的な取り組みを推進することが求められています。
家庭系食品ロスについては、目標の2030年を待たずに半減を達成。個人や家庭単位で、フードロスを出さない取り組みが浸透している証拠ですね。
■なぜフードロスに取り組むのか?
・気候変動の悪化:「フードロスは、地球温暖化を加速させる大きな原因のひとつ」と言わわれているのはご存知ですよね。生ゴミを焼却処分する際に大量の二酸化炭素(CO₂)が出るだけでなく、埋め立てられた際にはメタンガスが発生します。また、猛暑や局地的な豪雨、干ばつなど、地球温暖化による異常気象が頻発すると、野菜や米、魚などの収穫量が減り、私たちが新鮮な食材を安心して手に入れることが難しくなるといわれています。
・日本の「食料安全保障」の危機:世界中で人口が増えて食料不足が懸念される現代、輸入食料に頼って食生活が成り立っている日本は「海外から大量に輸入しておきながら、大量に捨てている国」とみなされています。この状態を続けると、国際的な非難を受けかねません。
・家計へのダメージ:食品が廃棄されるということは、生産、輸送、店舗での管理、そしてゴミとしての処分にかかった全てのコストが、最終的に商品の価格や税金に上乗せされることを意味し、消費者の出費の増加につながることも懸念されています。
【和食はなぜサステイナブルと言われる? 世界的評価の理由】
南北に長く、四季が明確な(最近はそうとも言えませんが…)日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。
このような自然を尊ぶという日本人の気質に基づいた「食」に関する習わしを、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録されたのは平成25年12月のこと。和食がサステイナブルだと言われる所以はこの登録にも表れているように、他国の食文化とは異なる下記の4つの特徴があるからなのです。
■多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。また、素材の味わいを活かす調理技術や調理道具が発達していることも大きな特徴です。
■健康的な食生活を支える栄養バランス
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは、理想的な栄養バランスと言われています。また魚介や野菜、きのこ類などの「うま味」を上手に使うことによって、動物性油脂の少ない食生活が実現。日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
■自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも和食の大きな特徴です。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を用いたりして季節感を楽しみます。
■正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は年中行事と密接に関わって育まれてきました。「食」は自然の恵み。それを分け合い、いただく時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきたことも、和食が世界に誇れる「食」である所以です。
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徐々に減っているとはいえ、日本のフードロスはまだまだ深刻です。「持続可能な食文化の日」をきっかけに、「買い過ぎない」「注文し過ぎない」「食べ残さない」を常に意識したいもの。まずは今日、冷蔵庫や冷凍庫の中や、ストック食品を点検してみませんか?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『世界大百科事典』(平凡社)/国際農研( https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20230619 )/公益社団法人 国際農林業協働協会( https://www.jaicaf.or.jp/en/ )/国際連合広報センター( https://www.unic.or.jp/activities/international_observances/days/ )/環境省( https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/general.html#EN1 )/農林水産省( https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/ ) :

















