誇り高き美の象徴——高貴に潤う「ローズの恵み」を肌に

人がまだ、地球上に存在していない頃から、したたかに種を守り、時代と共に美しく変貌を遂げながら、私たちを魅了し続ける花、ローズ。なぜこんなにも、惹きつけられるのでしょう。麗しい佇まいのみならず、芳しい香りや心身に働きかける高機能性、そしてフェミニニティや愛と美の象徴としてすべてを兼ね備えているからなのでしょうか。今改めて、ローズのまだ見ぬ奥深い魅力を、植物学や占星術学的視点からホリスティックに分析。ローズの恵みを凝縮させた最高峰のコスメと共に、真の美しさ、健やかさへと誘われるローズのすべてを解き明かします。
有機機栽培では新月に種をまき、満月に花を摘む。自然界のサイクルを自社農園で守り・育む、3つのメゾンのローズガーデン
1.「ディオール ガーデン」
クリスチャン・ディオール縁の地、ノルマンディ地方の類稀な生命力をもつ野生のバラを独自の交配を重ね、4万種のなかから選ばれたグランヴィル ローズ専用の「ディオール ガーデン」。化学肥料等を使わず、生態系を守りながら栽培。敷地内のローズ ラボでは有用性の研究も続けられています。
2.「ドメーヌ ド ラ ローズ by ランコム」
2022年、南フランスのグラースに、敷地面積4ヘクタールの生態系と調和する農園を買い受け、ラボや蒸留所を併設した独自農園を開設。ブランドのスキンケア・メイク製品の約99%に、ここで有機栽培されているセンティフォリア ローズから抽出した有用成分を採用。
3.「アンリ・ジャック」
世界屈指の香水の街グラース近郊にラボラトリーを構えるオーダーメイドパフューマリーの「アンリ・ジャック」。自社のバラ農園で育てたローズ ド メから抽出したこだわりのアブソリュートは、テロワールにこだわるワインのごとく。収穫年によってその希少性、ヴィンテージ性を誇っています。
フェミニニティで語られるローズの宿命。愛と美の象徴であり続ける理由
ご存じでしたでしょうか? 世にも美しいこの花の起源は、一説によると今から約7000万年前。野生の原種は中国やチベット周辺といわれ、古代には、信仰のシンボルとして、貿易や争いを招くきっかけとなった歴史をもつなど、常に人々を魅了し続ける特別な存在だったことを。その背景には、ローズが宇宙のサイクルや自然の摂理と密接に関わっていることも大きく影響しているのでしょう。
「西洋占星術では、古代より天にある星の配置が、地球上のさまざまな生命体に影響を与えているといわれています。特に月のサイクルは植物の成長になぞられ、新月に種をまく、満月に収穫する、そんなお話も耳にしたことがあるかもしれません。天体と密接につながっている植物もあり、例えばローズがそう。美しく輝くヴィーナス=金星が支配しており、五感、美、調和を象徴。愛がカタチをもったものと解釈され、信仰や権力のシンボルとして寵愛された歴史もあります」(岡本翔子さん)。
美しく官能的かつ神秘的な存在感からか、偶像としての一面をもつローズですが、一方で、先進のサイエンスや研究によって、その内に秘められた真の実力も明らかにされつつあります。
「ローズの精油には芳香成分ゲラニオールが多く含まれ、女性ホルモンを司るエストロゲンの分泌を促すことが知られています。フィトテラピーにおける飲む、塗る、香る、すべてに作用し、美容効果さえもつ “精油の女王” のような存在、それがローズです」(森田敦子さん)。
近年では美肌への高い効果も注目されるようになり、テロワールや交配にこだわり、栽培から有用成分の抽出、研究までを自社で行う「ディオール」や、ハイブリッドで希少なローズの有用成分に着目、類稀なる機能性を研究し続ける「シスレー」など、長寿美肌とローズの新たな可能性を切り開くメゾンも増加。ローズは未来永劫、私たちに輝くような美しさをもたらすヴィーナスなのかもしれません。
自然界の宝石グランヴィル ローズの恵みを閉じ込めたローズ サプリメント美容液「パルファン・クリスチャン・ディオール」ディオール プレステージ マイクロ ユイル R セラム
地球上で最も愛され続ける花の起源をたどって──
「ディオール」が誇るグランヴィル ローズには、肌ダメージを立て直す微量栄養素が豊富に含有。この恵みを濃縮配合したほか、回復力を加速させる有用成分も配合。1万粒のローズ マイクロ パールがもたらす極上のテクスチャーと共に、いきいきとしたハリと艶に満ちたきめ細やかな肌を育むプレミアムなプレ美容液。
パワフルな抗酸化、抗炎症作用を誇るブラックローズの麗しい滴「シスレー」ブラックローズ コンセントレートラディアンス セラム
南フランスのバラのファクトリーで見出した、ハイブリッドなブラックローズに含まれる抗酸化分子アントシアニンを濃縮配合。フレッシュなまま肌に届ける2剤式パッケージを採用。スポイトで吸い上げられたピンク色のエッセンスがみずみずしくのび広がり、ふっくらとしたハリと若々しい輝きを放つ肌に導く。
「読むローズ」Column:目に麗しいだけじゃない、ローズに秘められた自然の叡智とパワーをひもとく
肌を美しく柔らかく育み、エイジングをケアするのはもちろん、高揚感や鎮静を促す香気成分は、記憶力の向上を促すほど。胃腸薬や目薬、消毒薬として、口臭や体臭予防まで、さまざまな恩恵をもたらしてくれるローズ。自然の叡智と美しさを兼ね備えた地球上で最もラグジュアリーな花といえます。
長寿時代でも美しく輝き続ける。万能薬ローズのまだ見ぬ可能性
ひと口にローズといっても、その種類は10万種以上、私たちになじみのあるローズはわずかばかり。ブルガリア、トルコ、モロッコの世界3大産地の生産量は、ローズガーデンで有名な英国でさえ足元にも及びません。モロッコの都市マラケシュに第2の拠点をおく岡本さんは、毎年5月の収穫期に合わせてダデス川流域の「バラの谷」を訪れると言います。
「モロッコは芳しい芳香を放つダマスクローズの一大産地。収穫期は村中にローズの香りが漂い、ウキウキするほど高揚感に包まれます。この地では、ローズウォーターを手洗いや洗顔、目薬や化粧水、そして飲料にも。美と健康を司る万能薬として親しまれています。もちろん信仰や歓迎の儀式にも。それほどローズは日常に欠かせない大切なものなのです」(岡本さん)。
「ローズは蒸留法によってウォーター、オイル、アブソリュートなどに分類され、異なる機能性と個性がさまざまに活用されています。もともと抗酸化作用のポリフェノールを23種、ビタミンCも含有。抗菌作用や胃腸の働きを助けることも知られていますが、最近では抗がん作用の研究でも注目が集まり、その可能性は未知数。今後はデリケートゾーンのケアなどフェムテックの分野や、介護の分野でも幅広く認知されていくはずです」(森田さん)。
美肌の分野では、長寿時代を見据えたサイエンスでローズが再注目。細胞活性因子をローズから見出し、美しさを延命させるクリームを世に送り出した「ランコム」。特定のローズの芳香成分が心を浄化させる機能を発見、化粧品の配合に成功した「クレ・ド・ポー ボーテ」など、長寿時代を迎える現代人の時の流れをゆるやかに、美と健康のスローエイジングに、ローズへの関心はますます高まりつつあります。
心を浄化させるローズシナクティフの香りで満たされる朝と夜のリチュアル「クレ・ド・ポー ボーテ」シナクティフ イドラタンニュイn & シナクティフ イドラタンジュールn
この先の未来をラヴィアンローズ(薔薇色の人生)で満たすために
20万種のなかから生まれた精魂のバラ、ローズシナクティフが咲く5月の早朝の香りが心に作用する効果を実証し、配合。
左/「クレ・ド・ポー ボーテ」シナクティフ イドラタンニュイn…濃密な潤いで満たし、なめらかな肌に育む夜用保湿液。
右/「クレ・ド・ポー ボーテ」シナクティフ イドラタンジュールn…環境ストレスから肌を守る日中用美容液。
ローズから抽出した細胞活性因子で美しい肌の寿命を延伸「ランコム」アプソリュ ザ ソフトクリーム
肌の健康寿命の延伸を目指し、美容医療で注目の美容成分PDRNから着想。100本のローズからわずか1gしか抽出できない貴重な成分を開発し配合したクリーム。なめらかで溶け込むような上質なテクスチャーで、ハリ弾力に輝き、密度や透明感、潤いに引き締め感まで、若々しさに直結する10の要素を底上げしてくれる。
「読むローズ」Column:品格や美しさの象徴として、功績を讃えられたローズたち
殿堂入りを果たしたローズ、クイーン・エリザベスやダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズに代表されるように、王室や貴族の名を冠したローズは数多く存在。日本でもプリンセス・マサコと名付けられたローズや、プリンセス・アイコという可憐なピンク色のローズも。毎年、春を艶やかに彩ります。
自己肯定感のスイッチを押すエンパワメント・ビューティとして
かつて古代エジプトではローズの香料が金や宝石以上に高価だったこと、数々の芸術家や詩人がローズをモチーフに作品を残すなど、多くの寵愛を受けているローズ。その背景にあるのは、ほかに類のない官能的で洗練された芳しい香りであることは明らかです。
「ローズには数百種以上の揮発性芳香成分が含まれ、複雑で繊細な香りを放っています。なかでもエストロゲンに作用するゲラニオールは、高揚感や幸福感と密接な関係が。ゆっくりと横に拡散されるので、私自身も、自分を鼓舞したいとき、幸福感に満たされたいときは耳下腺の下に数滴。嗅覚で感じた瞬間から覚醒されるように、瞳が輝いていくのを感じます」(森田さん)。
「毎年、5月にバラの蒸留を手伝うために、砂漠に行く途中にある「バラの谷」に滞在しますが、ローズの香りに包まれながら目覚める朝が最高です。女性の多くがローズに魅了されるのは、自己肯定感を抱かせる確かな機能性。ボッティチェリ作『ヴィーナスの誕生』で風に舞うローズが描かれているように、ヴィーナス(金星)と愛と美の象徴のローズは宇宙の摂理。自分自身を愛くしむ力を授けてくれます」(岡本さん)。
繊細でいて可憐、心に作用するローズの媚薬的芳香力に注目したのが、多くのフレグランスメゾンです。なかでも「ゲラン」は、グラース産センティフォリア ローズのアブソリュートに複数のローズを組み合わせ、最高峰の『ローズ センティフォリア エクストレ』を。オートパフューマリー(高級オーダーメイド香水)メゾンの「アンリ・ジャック」は自社農園で育てたローズに希少な天然香料を合わせ、1年に1度、最高傑作を世に送り出しています。ローズの才能を余すことなく引き出す調香師は、現代の錬金術師のごとく。ローズがもたらすジュエリー以上のエンパワメントを、私たちにそっと教えてくれます。
センティフォリア ローズが芳しい香りの芸術を纏う幸福「ゲラン」ラール エ ラ マティエール エクストレ ローズ センティフォリアエクストレ 1
美の可能性を引き出す、生きた芸術ローズと共に
約2世紀にわたり受け継がれる「ゲラン」の香りの真髄「ゲルリナーデ」のシグニチャーアコードのひとつ。ローズウォーターにブルガリア産ダマスクローズのエッセンス、創業時からブランドに欠かせないグラース産センティフォリア ローズのアブソリュートなど、ローズの奥深い魅力を余すことなく閉じ込めた名香。
香料濃度約100%を誇る、世界最高峰の香りのマスターピース「アンリ・ジャック」コレクション ドゥ ラトリエ 2024
2024年に自社のバラ農園で収穫されたローズアブソリュートに、蜂蜜の香りやグリーンハーブが溶け合う唯一無二のフレグランス。『コレクション ドゥ ラトリエ 2024』は右からローズ ゼフィール、ローズ トレ ローズ2024、ローズ アルバの3種セット。世界限定500セット[シリアルナンバー入り]。
「読むローズ」Column:フェムテックでも威力を発揮、注目を集めるローズテラピー
ローズに含まれるシトロネロールやゲラニオールが、肌に潤いを与え、引き締めることは知られていますが、昨今、注目されているのが高い抗酸化作用や抗菌作用。もともとの高揚感を促す芳香機能を含め、デリケートゾーンのケアやフェムテック、介護の現場でもローズは万能、女王の風格を誇っています。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- パルファン・クリスチャン・ディオール TEL:03-3239-0618
- シスレージャパン
- クレ・ド・ポー ボーテお客さま窓口 TEL:0120-86-1982
- ランコム TEL:0120-483-666
- ゲランお客様窓口 TEL:0120-140-677
- アンリ・ジャック 銀座 TEL:03-3289-0068
- PHOTO :
- 戸田嘉昭(パイルドライバー)
- EDIT :
- 荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)
- 取材・文 :
- 安倍佐和子(ビューティ エディター)

















