日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。

極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。10月は、九州の観光を応援する「九州ふっこう応援割」を利用して訪れたい温泉宿をピックアップ。お得に旅を楽しみながら、九州各地の魅力を再発見してみませんか? 今回ご紹介するのは、長崎県・小浜温泉にある「旅館 國崎」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の4000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』(三笠書房)、『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

基準値の約7倍の成分を含む名湯を源泉かけ流しで享受

ほっとふっと105
小浜温泉にある「ほっとふっと105」。高温の源泉を階段状の湯棚に流すことで冷ましている。

長崎県雲仙市に位置する小浜温泉は、東に雲仙岳、西に橘湾を望む、風情豊かな温泉街。日本で初めて国立公園に指定された雲仙国立公園の一角にあり、古くから湯治場として親しまれてきました。その大きな特徴は、豊富な湯量と全国屈指の熱量。源泉温度は約105度に達し、温泉地の至るところでたちのぼる湯煙が壮観です。

また、源泉温度にちなんだ全長105メートルの足湯「ほっとふっと105」では、橘湾を眺めながら足湯に浸かることができます。

外観
古都の路地にある旧居のような佇まいの「旅館 國崎」。

そんな小浜温泉に佇む「旅館 國崎」は、「日本秘湯を守る会」に加盟し、敷地内に自家源泉をもつ隠れ宿。海沿いのメインストリートから細い路地へ入ったロケーションで、心静かに名湯を慈しむのに好適です。

大浴場
大浴場(女湯)。
貸切「ひのき風呂」。
貸切「ひのき風呂」。
貸切石湯
貸切「石湯」では宿泊者限定で冷酒のサービス(有料)もある。
貸切「露天風呂」。
貸切「露天風呂」。

館内には男女別の大浴場のほか、貸切風呂が3種類。大浴場は、館内のノスタルジックな雰囲気に調和する、民芸調のレトロな造りです。また、3種類の貸切風呂は、ひのき風呂、石風呂、露天風呂とそれぞれ微妙に趣が異なります。

「こちらの泉質は、ナトリウム-塩化物泉。温泉法が定める基準値の約7倍もの成分を含む濃厚な温泉ながらさらりとした浴感で、湯上り後にポカポカとした温もりが持続します。高温な源泉を丁寧に調整して、すべての浴槽でかけ流しの名湯を楽しめるのも魅力で、大浴場と貸切風呂で湯巡り気分を味わいながら心身の疲れを解きほぐすことができました」(植竹さん)

離れ内風呂
離れの客室「やまぼうし」は専用の内風呂と露天風呂を備える。
離れ外風呂
離れの客室の露天風呂。

夜は小浜の海の幸、朝は温泉湯豆腐に舌鼓

夕食一例
夕食一例。※お造りは別料金。
夕食一例
季節の魚の煮つけも人気。

夕食は、地産地消にこだわった会席料理。献立はその時々の仕入れ状況によって異なり、アワビやサザエをはじめ、秋から冬にかけては、うちわのように平たい形をしたうちわエビや、温泉で蒸すと殻が夕焼けのような赤色に変わる夕焼け蟹、ナマコなど、小浜温泉の近海で水揚げされた魚介が並びます。

素材の持ち味を生かした海の幸に加え、島原半島の野菜やお米、長崎和牛などもバランスよく取り入れ、土地の味覚を幅広く楽しめる内容です。

そして、朝食の目玉は、自家源泉の温泉水を使用した「温泉湯豆腐」。昆布だしをきかせた温泉水で温めることで、豆腐がなめらかな口当たりに仕上がり、ほんのりとした塩気が感じられる温泉地ならではの逸品です。さらに、地元の契約農家から届く野菜サラダや焼き魚、いりこだしの風味が広がる味噌汁など、朝食のおかずも充実。地元産のお米とともに、長崎の食材を朝からしっかり味わえます。


以上、小浜温泉「旅館 國崎」をご紹介しました。風情ある隠れ宿で濃厚な塩化物泉や新鮮な海の幸など島原の土地の恵みを五感で堪能したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 旅館 國崎
  • 住所/ 長崎県雲仙市小浜町南本町10-8
    客室数/全10室
    料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥17,600~(税込)、離れ「やまぼうし」の場合、¥33,000~
  • TEL:0957-74-3500
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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)