【目次】
- 「お聞かせください」は正しい「敬語」?
- 「お聞かせください」が使える「相手」と「場面」
- 「お聞かせください」の使い方がわかるシーン別「例文」7選
- より丁寧に伝える「言い換え」表現
- 「お聞かせください」を使う際の「注意点」
【「お聞かせください」は正しい「敬語」?】
■「意味」
「お聞かせください」は、「聞かせる」という動詞を「お~ください」のかたちにした、相手に敬意を示す丁寧な依頼表現です。「聞かせる」は、「聞くようにさせる」「話などを聞かせる」という意味。つまり、「お聞かせください」は、相手に意見や考え、経験などを「聞かせてほしい」と依頼するときに使う表現です。
「お聞きください」と似ていますが、「お聞きください」は「聞いてください」という意味。一方、「お聞かせください」は、相手に何かを話してもらったり、意見を伝えてもらったりするときに使われますので、区別してくださいね。
■敬語として正しい?
「お聞かせください」は、目上の人や取引先などに対して使える、正しい敬語表現です。文化庁の「敬語の指針」でも、「お・御」を付けた表現に「ください」を伴わせて、相手に何かを依頼するかたちが示されています。
ただし、「ください」は丁寧な依頼表現ではありますが、相手に直接依頼する形なので、少々強い印象を受ける場合もあるようです。とくに、社外の目上の方や取引先の担当者などに対しては、「お聞かせいただけますか」など、尋ねる形にすると、より柔らかく伝わります。
【「お聞かせください」が使える「相手」と「場面」】
■上司や取引先の意見を尋ねるとき
「お聞かせください」は、上司や取引先など、目上の人に意見や考えを尋ねるときに使えます。例えば、会議で上司に意見を求めるときや、取引先から提案についての感想を聞きたいときなど、「ご意見をお聞かせください」「率直なご感想をお聞かせください」のように使います。
相手に敬意を示しながら意見を求める表現なので、ビジネスシーンでもよく使われます。
■経験や考えを聞きたいとき
「お聞かせください」は、相手の経験や考え、希望などを尋ねるときにも使えます。例えば、専門家にこれまでの経験を聞いたり、サービスを利用した人に感想を聞いたりするときに、「これまでのご経験をお聞かせください」「サービスについてのご意見をお聞かせください」のように使います。
単に事実を尋ねるというより、相手が持っている経験や考えを、話してもらいたいときに適した表現といえるでしょう。
【「お聞かせください」の使い方がわかるシーン別「例文」7選】
■上司に意見を求める
・「今回の企画について、私なりの案をまとめてみました。今後の進め方について、部長のご意見をお聞かせください」
■取引先に感想を尋ねる
・「先日ご提案した新サービスについて、社内でご検討いただいているとうかがっております。差し支えなければ、現時点でのご感想やご意見をお聞かせください」
■相手の希望を確認する
「今後のスケジュールについて、できる限りご希望に沿えるよう調整したいと考えております。ご都合やご希望がございましたら、お聞かせください」
■経験を尋ねる
・「これまでにも同様のプロジェクトに携わってこられたとうかがいました。差し支えなければ、そのときのご経験や印象に残っていることをお聞かせください」
■利用者の意見を聞く
・「今後、より使いやすいサービスにしていくため、皆さまからのご意見を参考にしたいと考えております。実際に利用してみて感じたことを、ぜひお聞かせください」
■インタビューで話を聞く
・「今回の作品では、これまでとは異なるテーマに挑戦されています。制作にあたって大切にされたことや、作品に込めた思いをお聞かせください」
■相手の率直な意見を求める
・「今回の変更については、利用される皆さまにとっても大きな変化になると考えています。今後の改善に生かしていきたいと思いますので、率直なご意見をお聞かせください」
【より丁寧に伝える「言い換え」表現】
■「お聞かせいただけますか」
「お聞かせいただけますか」と疑問形にすることで、「お聞かせください」よりも柔らかく、相手に判断を委ねるニュアンスを含ませた表現にすることができます。上司や取引先など、特に丁寧に尋ねたい場面にも適しています。
■「お聞かせいただければ幸いです」
「お聞かせいただければ幸いです」は、「お聞かせいただけますか」をさらに丁寧に、相手への敬意を高めた依頼表現です。「聞かせてもらえればありがたい」というかたちにすることで、柔らかな印象になります。メールや文書など、改まった場面でも使いやすい表現です。
■「お聞きしたく存じます」
「お聞きしたく存じます」は、自分が相手の話を聞きたいという意思を、へりくだって伝える敬語表現です。「今後のご予定をお聞かせください」を「今後のご予定をお聞きしたく存じます」とするなど、相手に直接依頼するかたちを避けたい場合に使えます。ただし、「お聞かせください」よりも堅い表現なので、日常的なやり取りではやや堅苦しく感じられることもあります。
■「伺えますか」
「伺う」は、「聞く」の謙譲語です。「詳しい事情を伺えますか」のように、相手に質問したり、話を聞いたりするときに使えます。「お聞かせください」と比べると、相手に「話してほしい」と求めるニュアンスよりも、「こちらから話を聞きたい」というニュアンスが強くなります。
時折、「伺えますでしょうか」というフレーズも見かけますが、こちらは「二重敬語では?」という指摘も散見されます。二重敬語とは、「ひとつの語について、同じ種類の敬語を二重に使ったもの」なので、定義にはあてはまりませんが、簡潔に伝えたい場合には「伺えますか」とするとすっきりします。
【「お聞かせください」を使う際の「注意点」】
■相手や場面次第に応じて、より柔らかな表現を選んで
「お聞かせください」は、目上の人や取引先にも使える丁寧なフレーズですが、「ください」は相手に何かを求める表現でもあります。そのため、相手や場面によっては、やや直接的に感じられることがあります。
特に、社外の相手にメールで意見を求める場合など、できるだけ柔らかく伝えたいときは、「お聞かせいただけますか」「お聞かせいただければ幸いです」などに言い換えるとよいでしょう。
■何を聞きたいのかを具体的にする
「お聞かせください」だけでも使えますが、何について話してほしいのかを具体的にすると、相手に意図が伝わりやすくなります。「ご意見をお聞かせください」「ご感想をお聞かせください」「ご希望をお聞かせください」のように、聞きたい内容を添えると自然です。
相手の経験や考えを詳しく聞きたいのか、単に事実を確認したいのかによって、「お聞かせください」「お尋ねします」「伺います」などを使い分けることも大切です。
■「お教えください」と使い分けて
「お聞かせください」は、相手の意見や考え、感想、経験などを「話してもらいたい」ときに適した表現です。一方、具体的な情報や方法などを尋ねる場合は、「お教えください」のほうが自然なことがあります。
例えば、「商品の使い方をお聞かせください」とすると、使い方について説明してほしいという意味にはなりますが、「商品の使い方をお教えください」のほうが意図が伝わりやすいですね。
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「お聞かせください」は、相手の意見や考え、感想、経験などを尋ねるときに使える、丁寧な依頼表現です。ビジネスシーンでも使いやすいフレーズですが、より柔らかく伝えたい場合は「お聞かせいただけますか」「お聞かせいただければ幸いです」などに言い換えて。相手との関係や場面、何を聞きたいのかに応じて、ふさわしい表現を選べることも、「大人の語彙力」に必要な条件です。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /文化庁「敬語おもしろ相談室」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html) /文化庁「敬語の指針」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf) :

















