連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、現代アートに興味がある誰もが学び、対話し、思考するプラットフォームづくりを目指して、6名のキュレーターとアート・マネジャーが立ち上げたNPO法人「アーツイニシアティヴトウキョウ(AIT/エイト)」で代表兼ディレクターを務める塩見有子さんにインタビュー。
東京の秋の新しい風物詩となりつつある『アートウィーク東京』(今年は11月4〜8日に開催)の『AWT TALKS』という教育プログラムの監修も行っているという塩見さんに、「AIT/エイト」を立ち上げたきっかけを含め、活動内容を詳しくお聞きしました。
【Tokyo】アートを通して社会課題にアプローチ。豊かさの意義と本質を問い続ける
「アートを専門に学んだスペシャリスト6人が集まって、’02年に立ち上げたのが『AIT』。東京のアートシーンに足りていないものを自分たちでつくろうというのがきっかけでした。当時はまだ耳なじみのなかった『キュレーター』を育成する学校をつくったり、地方にあっても東京には少ない『アーティスト・イン・レジデンス(アーティストが滞在し、異文化に触れ、創作などを行う仕組み)』を始めたり。芸術文化への貢献を考える企業へのコンサルティングも行うようになりました」
近年は「アート・クライメイト・コレクティヴ・ジャパン」という気候危機とアートのアクションを考えるプロジェクトも始動。その年間報告書となる冊子の名前は『アーロンズ・ジャーニー』。環境負荷を考えて飛行機を使わず、鉄道と船を乗り継ぎ、2週間かけて東京に来たスウェーデン人アーティスト、アーロン・ランダールの名前を冠している。
「東京の秋の新しい風物詩となりつつある『アートウィーク東京』の『AWT TALKS』という教育プログラムの監修も行っています。今年のシンポジウムのテーマは『不安の記憶——現代美術と歴史の残響』で、キーワードは“歴史”。今、不確定な未来を憂う声も多いですが、歴史を学ぶことで得られる知恵は必ずあって、芸術がもつ『記憶する力』を通して、希望の種を見つけていきたいです」
もし、アートに対して敷居が高いと思ったり、難解でわからないと感じたりしても、むしろそれこそが醍醐味では、と教えてくれた。
「特に現代アートはとっつきにくいもの、ありますよね(笑)。でも難しいものは難しいものとして、そのままおいておけばいいのだと思います。大切なのはそこで遠ざけたりせず、なぜ難しいと感じるんだろうとか、前はそう思ったのに今日は違うなとか、その複雑性を楽しむこと。すぐには解き明かせないもの、時間がかかるもの。私たちはそういうことにこそ、価値をおきたいと考えているのです」
◇塩見有子さんに質問
- PHOTO :
- 望月みちか
- EDIT&WRITING :
- 本庄真穂、喜多容子・木村 晶(Precious)
- 取材・文 :
- 本庄真穂
- 撮影協力 :
- COS、スタジオ ニコルソン

















