連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、イギリスにおける“エコバッグ”の立役者となった「バッグズ・オブ・エシックス(スープリーム・クリエーションズ・グループ)」のCEOを務める、スムリティ・シュリーラムさんにインタビュー。“エコバッグ” に新たな可能性を見出した経緯やブランドについて詳しくお話しをうかがいました。

スムリティ・シュリーラムさん
「バッグズ・オブ・エシックス(スープリーム・クリエーションズ・グループ)」CEO
(Smruti Sriram)オックスフォード大学で哲学・政治・経済を学び、ロンドン・ビジネス・スクールでMBA取得。’08年、父の会社に参画し、’13年CEOに就任。倫理的なものづくりにデザインの視点を加え、事業を発展させてきた。’25年OBE(大英帝国勲章)を受章。’26年「ヴーヴ・クリコ ボールド・ウーマン・アワード」受賞。5歳の息子の母。

【London】「使うべきもの」から「持ちたいもの」へ。エコバッグの役割を変えたキープレイヤー

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「バッグズ・オブ・エシックス(スープリーム・クリエーションズ・グループ)」CEOのスムリティ・シュリーラムさん

この20年ほどで私たちの生活に急速に根付いたもの。そのひとつがエコバッグだろう。最初はロゴを印刷した味気ないコットンバッグばかりだったのが、今では色や素材、デザインまでバリエーション豊かになり、「どんなエコバッグを持つのか」がその人の個性を表すまでになった。イギリスにおけるその立役者といえるのがスムリティさんだ。

「父親が立ち上げた今の会社に参画したのが’08年。当初はバッグにプリントを施す印刷業者のような立場でした。そんななか、取引をしていたファストファッションの先鋒『TOPSHOP』が、若い顧客にブランドの魅力を伝える媒体として、エコバッグに新たな可能性を見出し始めたのです。その発想に触発され、私たちもバッグへの見方を変えました。単なる販促物ではなく、ブランディングの一部としてとらえるようになったのです」 

時を同じくして南インドのポンディシェリに自社工場を開場。持ち手の色を変えたり、ポケットやファスナーを加えたりなど、クライアントごとに細やかな提案ができることを強みに、美術館からファッションブランドまで事業を拡大していった。企画・製造・納品まで自社管理し、従業員の約8割を女性が占める工場では、働く人の権利と環境に配慮したエシカルなものづくりを追求。その理念を体現するブランドが「Bags of Ethics」だ。

「コロナ禍の’22年には、ロンドン・ファッション・ウイークを主催する『ブリティッシュ・ファッション・カウンシル』と組んで、リユーザブルマスクのプロジェクトも主導しました。その際、ある日本人女性から『周囲に配慮し、お互いの健康を守る』という日本のマスク文化を教えてもらい、大いにインスピレーションを受けたことを覚えています」

「父親から学んだのはエンパシーをもち、一人ひとりを尊重すること。ヒエラルキーは好きではありません。CEOもチームの一員として互いに支え合っています」と語る彼女。その教えを受け継いだ女性の挑戦は続いていく。

◇スムリティ・シュリーラムさんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは? 
まず運動をします。有酸素運動も取り入れています。
Q 人から言われてうれしいほめ言葉は? 
「必要なときに支えてくれた」「そばにいてくれた」
Q 急にお休みがとれたらどう過ごす? 
ジムへ行き、外を歩きます。
Q 仕事以外で新しく始めたいことは? 
育児が落ち着いたらトレッキングを再開したい。北インドの花の谷国立公園やマチュピチュを訪れたこともあります。
Q 10年後の自分は何をやっている? 
幸せで、健康で、穏やかでありたい。何をしているかよりも心が平和であることが大切だと思います。
Q 自分を動物に例えると? 
虎と象を掛け合わせた動物。象のように落ち着いて強く、目標に集中する一方、虎のように鋭く戦略的で、仲間を守ろうとします。
PHOTO :
Haruko Tomioka
EDIT :
喜多容子・木村 晶(Precious)
取材 :
Yuka Hasegawa