【目次】

【「トラックの日」とは?いつ、誰が制定した?】

■「いつ」? 「誰が」決めた?

「トラックの日」は、10月9日です。1992(平成4)年に、全日本トラック協会(現・公益社団法人)が制定し、一般社団法人 日本記念日協会によって認定・登録された記念日です。

■「トラックの日」とは?

「トラック」とは、貨物を運ぶための自動車のこと。私たちの身近なところでは、宅配便の荷物やスーパー、コンビニエンスストアに並ぶ食品や日用品など、さまざまなものがトラックで運ばれています。

「トラックの日」は、こうしたトラック輸送の役割や重要性を広く知ってもらうための日。全日本トラック協会と各都道府県のトラック協会では、毎年この日を中心に、さまざまな広報活動やイベントなどを行っています。

普段は荷物が「届く」ことを当たり前に感じてしまいがちですが、トラック輸送は、日々の暮らしから経済活動までを支える存在です。 その背景には、各地を走るトラックと、それを動かす多くの人たちがいます。「トラックの日」は、そんな物流の仕事に目を向けるきっかけにもなりそうです。


【なぜ10月9日?「トラック」にちなんだ日付の由来】

「トラックの日」が10月9日に制定された理由は、日付の語呂合わせから。「トラック」の「ト」を「10」に、「ク」を「9」に見立てて、10月9日が選ばれました。


【トラック輸送は私たちの暮らしをどう支えている?】

■国内貨物の9割以上を運ぶ「物流の主役」――輸送重量で見た割合

スーパーに並ぶ野菜や肉、コンビニエンスストアのお弁当、ネット通販で注文した商品、工場で使う原材料や部品…。私たちの身の回りにあるものの多くは、トラックで運ばれてきます。国土交通省の資料によると、2023年度の国内貨物輸送量を重量(トンベース)で見た場合、営業用自動車が60.9%、自家用自動車が30.8%を占めています。合わせて91.7%となり、トラック輸送が国内貨物輸送の9割以上を担っています。

トラック輸送の大きな特徴は、鉄道のように線路を必要とせず、道路を使って目的地まで荷物を届けられること。工場から倉庫へ、倉庫から店舗へ、あるいは配送拠点から家庭へと、荷物を必要な場所まで直接運ぶことができます。鉄道や船、航空機で長距離を運ばれた貨物も、駅や港、空港から最終的な目的地まではトラックが担うケースが少なくありません。

■災害時にも欠かせない存在

トラックが運ぶのは、日常の買い物や宅配便の荷物に限りません。地震や豪雨などの災害が起きた際には、食料や飲料水、生活用品などの緊急支援物資を被災地へ届ける役割も担います。つまり、私たちが日々必要とするものを「必要な場所へ運ぶ」のがトラックの仕事。いつものスーパーに商品が並び、注文した荷物が自宅に届く。そんな当たり前の暮らしも、トラック輸送によって支えられているのです。


【トラックにはどんな種類がある?】

■小型・中型・大型トラック

ひと口に「トラック」といっても、大きさや用途はさまざまです。街なかで荷物を届ける小型のトラックもあれば、高速道路で大量の荷物を運ぶ大型トラックもあります。

全日本トラック協会では、一般的な貨物を運ぶ事業用トラックを、積載量によって小型・中型・大型の3つに分類しています。一般的に、小型トラックは積載量2トン以下、中型トラックは4トンクラス、大型トラックは10トンクラスとされています。

小型トラックは、住宅街や狭い道路でも走りやすく、宅配便や近距離の配送などで活躍。中型トラックは店舗への商品の配送や地域間の輸送など、大型トラックは都市間の長距離輸送や大量の荷物を運ぶ際などに使われています。それぞれの大きさを生かし、運ぶものや距離、道路事情に応じて使い分けられているのです。

■冷蔵・冷凍車やタンクローリーなどの特殊車両

トラックは、大きさだけでなく「何を運ぶか」によっても、さまざまな種類があります。例えば、肉や魚、冷凍食品などを低温のまま運ぶ冷蔵・冷凍車。液体を運ぶためのタンクを備えたタンクローリー、生コンクリートを運ぶミキサー車、自動車を何台も積んで運ぶキャリアカーなども、用途に合わせてつくられたトラックです。

ほかにも、土砂などを運び、荷台を傾けて一気に降ろせるダンプトラックや、大型の荷物や、一度により多くの荷物を運ぶトレーラーなどがあります。運ぶものが変われば、必要な設備や車体のつくりも変わるというわけです。食品からガソリン、自動車、建築資材まで、私たちの暮らしに必要なものは実にさまざま。それぞれの荷物に適したトラックがあるからこそ、安全に、そして効率よく目的地まで運ぶことができるのですね。


【物流業界が抱える課題と進む取り組み】

■「物流の2024年問題」とは?

トラック輸送が私たちの暮らしに欠かせない一方、物流業界は、ドライバー不足や長時間労働など、さまざまな課題を抱えています。

なかでも大きな転換点となったのが、いわゆる「物流の2024年問題」です。2024(令和6)年4月から、トラックドライバーにも時間外労働の上限規制が適用され、特別条項付きの労使協定を結び、臨時的な特別の事情がある場合でも、時間外労働は年間960時間までとなりました。ドライバーの働く環境を改善するために必要な改革ですが、ひとりのドライバーが働ける時間が短くなれば、従来と同じ方法では運べる荷物の量が減る可能性があります。

国土交通省の資料では、対策を講じなければ、2019年度と比べて2024年度には輸送能力が約14%不足すると試算されていました。ところが、官民による物流効率化などの取り組みもあり、この輸送力不足は概ね解消。2025年度に入ってからも、物流機能は維持されています。とはいえ、2026年に国土交通省が公表した再検証後の見通しでは、今後施策を講じなかった場合、2030年度には平均的な想定で約7%、最大で約25%の輸送力不足が生じる可能性が示されており、引き続き対策が求められています。

■「待つ時間」を減らして、物流を効率よく

そこで進められているのが、トラックをより効率よく使い、ドライバーの負担を減らす取り組みです。例えば、荷物を積み降ろす場所でドライバーが順番を待つ「荷待ち時間」の短縮や、荷積み・荷卸し、検品などにかかる「荷役等時間」の短縮。さらに、1台のトラックに積む荷物を増やして積載効率を高めることなどが進められています。

2025(令和7)年4月には物流効率化法に基づき、 荷主や物流事業者などに、荷待ち時間の短縮や積載効率の向上など、物流効率化に向けた取り組みが努力義務として課されました。さらに2026(令和8)年4月からは、一定規模以上の荷主や物流事業者などに、中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられています。

「荷物を運ぶ」という仕事を、トラック会社やドライバーだけの問題にせず、荷物を送る側、受け取る側も含めて効率化していく。私たちの暮らしに欠かせない物流をこれからも維持していくために、社会全体で「運び方」を見直す取り組みが進んでいるのです。

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スーパーやコンビニエンスストアに商品が並んでいることも、ネットで注文した荷物が自宅まで届くことも、私たちは日常、ごく当たり前のこととして受け止めています。でも、日本国内の貨物輸送の約9割をトラックが担っているという役割を知ると、街で見かけるトラックが少し違って見えてきませんか?

今、物流を支えるために求められているのは、トラックやドライバーを増やすことばかりではありません。荷待ち時間を減らす、1台により効率よく荷物を積むなど、「運び方」そのものを変える取り組みも進んでいます。10月9日の「トラックの日」。いつも当たり前に届く荷物の向こう側に、どんな人や仕組みがあるのか。そんな「当たり前」を支える物流について、少しだけ想像してみる日にするのもよさそうです。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典 第二版』(小学館)/『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/公益社団法人 全日本トラック協会「トラックの日」(https://jta.or.jp/ippan/truckday.html)/公益社団法人 全日本トラック協会「事業用トラックの種類」(https://jta.or.jp/ippan/hayawakari/2-shurui-page1.html)/国土交通省「トラック輸送が担う役割と現状」(https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001968111.pdf)/国土交通省「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を策定しました(https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000687.html)/国土交通省「物流効率化法について」(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/seisakutokatsu_freight_mn1_000034.html) :