「本物の家具」がもつ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する連載。身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。第5回はバクスターの『マニラ』です。

ラタンの大らかなカーブと幾何学的に編まれたレザーの、素材の対比が美しい「マニラ」

異国情緒が漂う庭に置かれたマニラアームチェア
【ブランド】バクスター 【商品名】マニラ アームチェア【写真の仕様の価格】¥1,576,800(税込) 【サイズ】幅1020×奥行き×高さ1120 座面高400mm【材質】ベース=銅管 フレーム:籐 シート=レザー

ポンと置かれているだけでそのコーナーに独特の雰囲気をつくり出してしまう、フォトジェニックな『マニラ』。エッチングされた銅のベースにラタンの有機的なフレーム、幾何学的にピンと張られたマットなグリーンのロープは、実は特殊コーティングされたレザーで覆われたロープなんです。風景に溶け込むような風合いで、ラグジュアリーなリゾート施設の中庭や、眺めのいい半屋外の空間によく合います。自宅に置けば、その独特な佇まいが、旅先で感じられるような自由な気持ちを思い出せてくれて、忙しい毎日からふんわり解き放ってくれるかもしれませんね。

バクスターのショールームに置かれたマニラアームチェア
根津美術館近くのバクスターのショールームの入り口にはアウトドア対応の家具が並びます

レザーロープで「初めての座り心地」を体験できる

マニラアームチェアに座る女性
座面が広々としているので、脚をのせたり組んだりと自由な体勢で寛げます
マニラアームチェアに座る女性
ミラノサローネ2018のバクスターのブースにおかれた『マニラ』。一度座ったら、だれもが寛いでしまい、長蛇の列ができていました

少し低めのマニラに座ると、太めのレザーで覆われたロープが優しく体を受け止めてくれます。かなりしっかりと編まれており、大きなメッシュの素材の座面はたわむこともなく安定して座ることができます。腕に直接当たるドライカシミヤのような触感が、誰かの腕に抱きしめられているような少し官能的な座り心地の椅子です。レザー製品は長く愛用するほど、馴染んでくるといいますが、試したくなりますよね。

ハイエンド層にもトレンドセッターにも選ばれるイタリアの高級ソファーブランド「バクスター」

バクスターのショールームに並ぶチェア

バクスターの歴史は比較的新しく、1989年にイタリアで創業されました。2014年に、日本上陸。

バクスターといえば、表情豊かなレザー。厳選された地域で育った牡牛のものしか使わないとか。プロの職人が一点一点を見極め、伝統の技法によってなめす事で皮革が本来持っている自然な風合いを見事に引き出し、バクスターの誇るクラフトマンシップが凝縮された仕上がりになっています。 ブランドそのものを象徴しているともいえる、その上質なレザーでソファーブランドとしての地位を確立してきました。

しっとりとしたカシミヤのような手触り、マットでベルベットのような質感、ニュアンスカラーや深い色合いのレザーは、真鍮や銅、大理石などの素材と上品に馴染み、インテリアの満足度を上げてくれます。

バクスターの家具はヨーロッパの高級ホテルでも採用されており、世界中のセレブに愛用されています。ハイエンドで普遍的な感性にも、トレンドに敏感な感性にも訴える唯一無二の魅力があります。

マニラアームチェアの側面
椅子などには、ロゴ入りのリボンで、製品の仕様書・取り扱い説明書とシリアルナンバーが取り付けられています
バクスター製品の説明書とシリアルナンバー
ソファのクッション下に設けられたポケットには、製品の仕様書・取り扱い説明書とシリアルナンバーが。クッションのファスナーもバクスターオリジナル

そして、バクスターではすべての製品に、真製品である証として取り扱い説明書を付けています。これは、真製品の証であると供に、修理等で正しい情報をもって対応できる仕組みづくりでもあります。

西洋の伝統と南国の風融合による、インテリア界のトレンドセッター、パオラ・ナヴォーネ

パオラ・ナヴォーネ氏
Paola Navone(パオラ・ナヴォーネ)

パオラ・ナヴォーネは、イタリア・トリノ出身の建築家。インテリア界のトレンドセッターとして近年世界中から注目を浴びています。イタリアのデザインシーンにおいて最重要のグループに属し、インダストリアルデザイナー エットレ・ソットサスなどの巨匠と共に働いていた時期もあります。

異なる文化への関心に突き動かされ世界への旅を長きに渡って続けた彼女の作品は、西洋のテイストと南国の風と色彩の融合があり唯一無二の魅力があります。素材、形、構造に対してたゆまない好奇心をもち、追及し続け、世界の名立たるブランドの家具をデザインしています。

問い合わせ先

  • Baxter Tokyo 
  • 営業時間/11:00〜19:30
  • 定休日/水曜
    TEL:03-5413-8913
  • 住所/〒107-0062 東京都港区南青山4-18-16フォレストヒルズWESTWING B1F
この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM
WRITING :
土橋陽子