スニーカーでも美しすぎるミラノマダム。その理由は?

ストリート感あるミックススタイルが確立されてきたここ数年、足元ではずすテクニックが世界的にヒットしています。その火付け役となったのが、ラグジュアリーブランドから続々と登場している「スニーカー」の存在!

「最近では、女性のスニーカーブームが圧倒的に進行しています」と断言するのは、コレクションや展示会で、長年ミラノやフィレンツェを訪れている、スタイリストの大西陽一さん。「伝統的なスタイルを守ってきた彼女たちが、新しいスタイルに目覚めていく。その変化は新鮮です」。

今回は、大西さんがミラノの街中で見つけた、おしゃれなマダムたちのスナップ写真を見ながら、イタリアンマダムが素敵に着映えるルールを読み解いていきましょう。

【ファッションプロが解説】ミラノマダム流!スニーカーで着映える新ルール5

■1:世界一売れた「名プレイヤー」を選出

スニーカーで着崩したワントーンスタイル

丈感・バランス感ともに申し分のない、セオリー通りの「オールホワイトスタイル」に新風を吹かせたのは、こちらのマダム。足元に選んだのは、世界でいちばん売れたといわれているADIDAS(アディダス)のスタンスミスでした。

「テニスウエアを連想させる上品爽やかな『オールホワイトスタイル』を、カジュアルの代名詞でもあるスタンスミスと合わせた、その発想力が素晴らしい! モダンにアップデートされたボリューム袖のデザインなど、今どき風にブラッシュアップされたアイテム選びも“流石”のひと言です」

■2:鮮度を与える「コンバース」マジック

ヨーロピアン風味にアレンジしたミリタリースタイル

毎シーズン人気の高いミリタリースタイルをセンスアップしたのは、CONVERSE(コンバース)のハイカットでした。アメリカンな印象を与えるコンバースですが、ミラノマダムのなかでも意外と支持されていると、大西さん。

「このオールインワンにヒールを合わせたら、モード色が強くなる。コンバースのハイカット、そしてこのブルーを選ぶことで、コンサバになりすぎない絶妙なカジュアル感を引き出しています。癖があるのにどんなスタイルにも馴染む、世界的ロングセラーを誇るスニーカーならではの、楽しみ方ですね」

■3:足元に「鮮烈の白」という新常識

「鮮烈の白」でアップデートした新定番スタイル

大西さんが「一瞬で目を奪われた!」というのは、透け感あるロングドレスに鮮烈のホワイトスニーカーを合わせたこちらのマダム。

「昔なら、足元に『黒』を合わせてモード感を出すことがファッショニスタの常識のように思えましたが、今は『白』を投入して、あえてスタイルから浮かせることが定番化しています。彼女のように、生足を出すのではなく、程よい透け感をまとうという流儀が、ミラノ女性を美しく魅せているのかもしれませんね」

■4:ド定番に合わせた「最先端モード」

トレンドを馴染ませてブラッシュアップする今どきスタイル

一見「どう取り入れたらいいの?」と悩んでしまいそうなソックススニーカーですが、トレンド最前線のアイテムだけに、気になっている人も多いのでは。そんなときに参考にしたいのが、定番のマリンルックにBALENCIAGA(バレンシアガ)の新作スニーカーを合わせた、こちらのマダムの着こなしです。

「超最先端のトレンドアイテムをデイリーに取り入れるには、クローゼットのなかにある定番の服と合わせるのが成功の秘訣。例えば、彼女のようにパンツ丈と靴のバランスを整えるなど、今どき風味のポイントを抑えれば、簡単にアップデートできますよ」

■5:スタイルを決める「ナイキ」力

ナイキでアップデートするシャツスタイル

ミラノマダムが、ニューヨーカーのように、ワークスタイルにスニーカーを取り入れるとしたら? こちらのマダムのように、「縦ラインを意識」したスタイリングを好む人が多いといいます。

「シャツの前面にあしらわれたスタッズデザインを、あえて見せるよう、シャツの裾をアシンメトリーにウエストインし、長めに垂らしたベルトとの縦ラインをリンクさせています。エレガントさを失わない美意識の高さは一目瞭然ですが、仕上げにナイキのスニーカーを合わせた変化球が面白い! スポーティー要素の強い厚底スニーカーを、ヨーロッパテイストに上手く馴染ませて、おしゃれなワークスタイルを確立しています」

今回は、長年イタリアを訪れているスタイリストの大西陽一さんに、ミラノマダムの間でも定番化している「スニーカー」の着こなしテクニックを解説していただきました。

彼女たちがおしゃれに見えるのは、新しいアイテムでも取り入れることを恐れない、固定概念に縛られない発想力の豊かさにあるのかもしれません。ちょっとした意識改革でおしゃれの幅もぐんと広がるので、まずはミラノマダムの着こなしを参考に、自分らしい「スニーカースタイル」を見つけてみてください。

この記事の執筆者
『メンズプレシャス』創刊時から携わる、ファッションスタイリスト。年2回行われる、メンズファッションの国際展示会・ピッティ ウオモやミラノ コレクションに行くなかで、気づけばストリートスナップの撮影がライフワーク化!? 最近では、男性目線で紐解く「ヨーロッパの素敵なマダム」の着こなし分析に夢中。
PHOTO :
大西陽一
EDIT&WRITING :
石原あや乃