広さと使いやすさを重視した「モデルX」
以前もお伝えしたアメリカのEVブランド、テスラモーターズから、このたびニューモデル「モデルX」が登場した。アメリカではすでに発売中で、日本にはこの秋から販売開始となるこのクルマは、いわゆるSUVタイプ。といっても写真で分かる通り、クロスカントリー4WD的な泥臭さは皆無で、随所に近未来的なテイストを盛り込んでいる。たとえば後部ドアは乗り降りしやすいように上に開く「ファルコンウイング」を採用。開閉時はドアの真ん中部分も折れ曲がるダブルヒンジ式で、リモコンやセンターコンソールの操作パネルからの自動操作が可能だ。テスラのエンジニアはEVに馴染みのない人でも違和感のないスタイリングを心がけているそうだが、現物を前にすると、なかなかの存在感だ。なにしろ全長は5m、全幅は2mを超えているのだ。そのぶん室内は十分な広さを誇り、最大で7人が乗車できる。また、天井の多くをガラスエリアが占めているため、開放感も抜群だ。
生物兵器にも耐えられるクリーンな空間を実現!
インテリアは既存モデル同様、シンプルでクリーンなテイストでまとめられていて、センターコンソールにはあらゆる操作と情報を集約した17インチの大型モニターが付く。そして高速道路での車線変更も自動で行う「オートパイロット」も、ソフトウェアのアップデートによって進化。これまではカメラ主体で周囲の状況を把握していたのをレーダー主体に改め、運転中にハンドルから手を離すことが多い場合、「オートパイロット」が解除されるようになった。ラインアップは搭載するバッテリーの容量によって区別され、ハイエンドモデルの「モデルX P100D」では最大航続距離が542km(安定した使用状況での推定値)、停止状態から100km/hまでの加速時間はわずか3.1秒を誇る。シリコンバレーのエンジニアが、電気自動車がガソリン車を超えられるとことを証明するために創設したベンチャー企業らしく、操作方法や装備がとても洗練されていて楽しいが、特に「モデルX」では空調システムにも力を入れていて、医療用のエアフィルターシステムを使うことで、病院の手術室と同じレベルのクリーンな状態を実現したという。一般的な外気導入と内気循環に加え、「バイオウェポン・ディフェンスモード」(対生物兵器モード)も搭載する徹底ぶりだ。身も心もクリーンでありたい紳士には、最高のパートナーとなってくれるだろう。
〈テスラ・モデルX P100D〉
全長×全幅×全高:5037×2070×1680㎜
車両重量:2468kg
モーター最高出力:前263PS/後510PS
駆動方式:4WD
価格:1611万2000円(税込)
(問)テスラモーターズジャパン ☎0120-982-428
撮影/小倉雄一郎
- TEXT :
- 櫻井 香 記者