「本物の家具」がもつ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する連載。身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。第11回はリーン・ロゼの「アメデー」です。

シックなカラーでまとめても、どこかフェミニンな印象が魅力的な「アメデー」。

姿勢良く寛げるようにエスコートしてくれる「アメデー」

【ブランド】リーン・ロゼ【商品名】アメデー【写真の仕様の価格】ソファ:¥542,160 オットマン:¥143,640(税込)【サイズ】幅770×奥行き820×高さ840 座面高400mm【材質】ファブリック+ポリウレタンフォーム

キルティングステッチを施されたコロンとしたシルエット、それに対して背からアームにかけてのシャープなラインは軽快でスポーティーな印象。異なるふたつの魅力を併せもつソファ、というのがアメデーの第一印象でした。

座ってみると、座面自体は思いのほかゆったりしていて、腰回りを支えてもらえることで「きちんとした姿勢が楽にできる」ようにエスコートされます。例えて言うなら、高級車の座席に座っているような感覚。のんびり読書をしていて、うっかり長い時間座っていても疲れにくいサイズ感が心地よいのです。

アームチェアにはオプションで回転式ベースを付けることが可能。おそろいのオットマンに足を載せると、より快適に寛げました。

シャーベットオレンジ色のベルベット生地の魅力を、キルティングステッチが最大限に引き立てています。

リーン・ロゼ銀座店は、アメデーのデザイナー、マリー・クリスティーヌ・ドルネル自らが監修した内装で、家具から小物までが選定されています。

そんななか、新作のアメデーのために選ばれた張地、「HARALD(ハラルド)」という、毛足の短いベルベット生地が存在感を放ちます。ベルベット特有のカーブした面がうっすらと白く見える素材の表情が、ソファの美しいラインを際立たせていてファミニンな印象を空間に添えているのです。

背の縫い合わせ部分に付けられた、リーン・ロゼのタグがさりげなく効いています。

実は、ソファの名前の由来は、「日本から一番近いフランス」と呼ばれるフランス領ニューカレドニアのアメデ島なんだそう。デザイナーが、ヴァカンスを過ごしていたときに生まれたとか。そう聞くと、海岸沿いを走るオープンカーのシートのような気がしてきませんか?

革張りにすると、また違った表情に。ステッチがクラシカルなインテリアに映えます。

リーン・ロゼは、フランスらしいカラフルでモダンなライフスタイルブランド

低い位置で寛げる「TOGO(トーゴ)」は大胆なダーツによる存在感が魅力で、モダンなインテリアにも古民家にも合う、リーン・ロゼのベストセラーアイテム。

リーン・ロゼは、日本でも昔から人気のあるブランドのひとつです。その歴史は古く、1860年にフランス、リヨン郊外のブリオードが発祥の地です。傘とステッキのメーカーとしてロゼ家によって創業されました。

コンテンポラリーなライフスタイルを総合的に提案できるよう、照明、カーペットや気の効いたインテリア小物まで、古くはピエール・ポランや、近年ではブルレック兄弟等多くのデザイナーとコラボレーションし、オリジナルアイテムを提案しています。

テキスタイルも非常に繊細なカラー展開をしており、同じベルベットでも風合いの異なる3種類を用意するほどのこだわりが魅力です。日本では、ドリームベッド株式会社が1981年からライセンス契約を結び製造しています。張替え、修理等が国内で対応してもらえるのは助かりますよね。

パリ、東京、ロンドンを拠点に活躍するフランス人女性デザイナー「マリー・クリスティーヌ・ドルネル」

https://www.ligne-roset.com/us/modele/living/sofas/amedee/2465より

マリー・クリスティーヌ・ドルネルは、フランスを代表するインテリアデザイナー、家具デザイナーのひとりです。1984年にパリのEcole Camondo卒業。1995年にグランプリデザイン賞を受賞し、2012年には“Chevalier de l’Ordre des Arts et des Lettres”を授与されました。そのデザインは多岐にわたり、家具やインテリアにとどまらず、バスステーションやフランス革命の日に大統領が座る特別席のデザインなども手がけています。

国際的に活躍する彼女のキャリアの第一歩は、実は日本で始まりました。25歳のときに世界を旅することを決め、その出発点として選んだのが東京でした。1年間暮らす間に、イデーのファウンダー・黒崎輝男氏からの依頼で、折り紙からインスピレーションを受けた家具のコレクションを発表しています。

帰国後、すぐにフランスデザイン界の主役となった彼女は、パリで初めてのコンテンポラリーホテル「ラ ヴィラ サン ジェルマン デ プレ」や、国立劇場のレストランのリノベーションを手がけます。

1996年から12年間はロンドンに拠点を移し、国際的な仕事と並行してRCA(国立美術学校)で教鞭をとりました。以来、パリに拠点を再び移すも、ESAD ReimsやパリのCamondo Schoolなどで多くの教育職を歴任し、後進の教育にも力を注いでいます。


伝統のサヴォアフェールと最先端技術を自由な精神で掛け合わせ、世界中のメーカーから新作を発表し続けるマリー・クリスティーヌ・ドルネル。彼女が監修したリーン・ロゼ銀座のショールームでそのセンスに浸り、毎日の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

問い合わせ先

  • ligne roset GINZA
  • 営業時間/11:00〜19:00 
    定休日/水曜
  • TEL:03-6226−3100
  • 住所/東京都中央区銀座4-10-3 セントラルビル1.2F

この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM