さて、2週間に及ぶロンドン〜パリ〜フィレンツェ〜ミラノ
出張から帰還して参りました。
その模様は順を追ってアップしていきたいところですが、
とりあえずは記憶に新しいピッティ&ミラノから
ご紹介していこうと思います。
今回ピッティウォモとミラノを取材して感じたのは、
色の復権。
淡色のグラデーションや
ネイビーソリッドといった
シンプルな色の組み合わせから、
少々コーディネート力を要求される、
色使いの妙を楽しむ潮流が復活しました。
代表的なのは、こんな
英国的"ビビッド"カラー。
ピンク、グリーン、パープルといった
力強い差し色を重ねていくのがポイントで、
ブリティッシュスタイルからの強い影響が感じられます。
もちろんカジュアルでも!
こちらはミラノの名店、ロンドンハウス。
うーん、エレガント。
英国コートの新鋭、ハンコック。
心が浮きたつようですね!
で・・・そんな英国的ビビッドカラーリングに
対する、もうひとつの色使い。
それは中間色を駆使した
フランス的"アンニュイ"カラー。
(何をもってフランスというかは微妙なところなので、
ま、あくまでも私見として!)
ただいまピッティで最も話題のブランドといっても過言ではない
サルヴァトーレ・ピッコロも、
今季はお得意のアメトラスタイルを封印して、
カラシ色やレンガ色、カーキといった中間色を多用。
何ともいえないフレンチシックな世界を構築していました。
それにしてもこのブランドの提案力はお見事です!
ウミット・ベナンを擁するトラサルディも
そんな色使いの宝庫でした。
カーキのスーツ、格好いいね!
そして気になったトレンドアイテム・・・
というか、私のほしいモノは、こんな感じ。
ドラシューやベルベットスリッパに代わる
新たなるハズシ靴として要注目なのは、
ベルジャンモカシン。
もしくは
ベルジャンシューズ。
一見タッセルローファー風ですが、
つくりはまんまルームシューズで、
甲のパイピングが特徴です。
もともとベルギーで作られていた貴族用の室内履きを
ルーツとするこちら。
写真のサントーニのほか、
マッシモ・アルバ、ルビナッチ
あたりが提案しています。
足が非常にコンパクトに見えるので
ロングノーズやぽってり靴を履き慣れていると
戸惑ってしまいますが、(特に私はサイズ39なので)
非常にエレガントなのでおすすめです!
お次はプリントジャケット。
織りではなく、生地にプリントを施すことで
柄を表現したものです。
不思議ですが千鳥のようなクラシックな柄も、
プリントなら軽快かつ若々しく見えるんですよね。
ちなみにこちらは私の大・大注目ブランド、
WD-MANのプリントジャケットで、
コットン生地に千鳥とデニム柄を施した
技ありモノであります。
で、最後はタック入りパンツ。
今季もチノパンはトレンドアイテムですが、
ノータックよりはこんな2タックで、
シルエットに変化をもたせたタイプが主流です。
こちらはルビナッチのチノで、
深い股上と腰回りのグルカ調ディテールがたまりません。
ただし、あくまでトレンド的には
まだまだ股上が浅いタイプが主流といえそう。
コンサバな方には、そちらがおすすめです。
買い物しすぎで破産寸前だけど・・・
どれも欲しいな!
こうして見ていくと今回のピッティでは
斬新な提案というよりも、素材や色、
ディテールの載せ替えで新鮮味を
足していくのがポイントだったように思えます。
しかし昨年には猛威を振るっていた
ジャージーや洗いのジャケット、細身カーゴの激減、
そしてタック入りパンツやプリント柄の
増加などを踏まえて考えると、
時代は確実にリラックスからエレガンスへと
舵を切っているのではないかと・・・!
こんな説得力に欠ける格好で考えた私でした!!