イタリアを代表する世界的宝飾ブランド、ブルガリが誕生したローマと京都には数々の共通点があります。歴史的遺産を数多く擁し、世界的にも人気を誇る観光都市であること。そして、歴史的にも数多くの職人技を育み、今もその伝統を守り続けていること。

2018年4月、ローマから200を超えるブルガリのハイジュエリーが海を渡り、新緑美しい京都に集結しました。ブルガリが主催した、このハイジュエリーを愛でるイベントでは、新作発表会のほか、ブランドのハイジュエリーづくりへのこだわりを学ぶ講座「スコーラ ブルガリ」も開催。「スコーラ」とは学校を意味する言葉で、本社よりジュエリークリエイティブ ディレクター、ルチア・シルヴェストリさん、ハイジュエリー シニア ディレクター、ジャンパウロ・デラクローチェさんが来日し、ブルガリならではの究極のハイジュエリー制作についてレクチャー。この「スコーラ ブルガリ」をPrecious読者約20名のためだけに、「ナイト スコーラ」と称して夜に開催。その一部始終をレポートします!

来日したブルガリのハイジュエリーの中から新作をご紹介!

会場となった京都にある国の名勝・東本願寺渉成園とは?

みごとに弧を描いた反橋(そりばし)は、侵雪橋(しんせつきょう)と名付けられている。江戸時代以来、多くの名士もこの橋を渡った。

美しい池泉回遊式庭園が印象的な、東本願寺の渉成園。国の名勝にも指定されている、日本文化の粋を集めたような空間が、この日ばかりはカラフルなブルガリ色に染まりました。

庭園内にあるのは珍しい、楼門づくりの傍花閣(ぼうかかく)。傍らには桜並木が広がる。 渉成園を代表する建造物。

「スコーラ ブルガリ」に向け、渉成園が特別な装いに…

今回お披露目されたブルガリのハイジュエリーの中心となったのが、新作コレクション「フェスタ」。「フェスティバル、お祭り」というテーマにふさわしく、美しい日本庭園のあちこちに「フェスタ」を演出するような華やかな仕掛けが。

1880代に明治天皇が京都へ来られ、渉成園で休息。その際に大宮御所からの移築を約されたという大玄関。

渉成園は一般にも公開されていますが、足を踏み入れられるのは庭園部分のみ。今回は、通常は出入りすることが難しい大玄関から、特別に建物の中へも入ることを許されました。しかも内部はブルガリのイベントのためだけにスペシャルな内装に改造されていて! 玄関にかかげられたカラフルな暖簾も「フェスタ」の気分を盛り上げてくれます。

左右に並んだ掛け軸、これはほんの一部

大玄関の先の廊下には、ブルガリのジュエリーのデザイン画を配した掛け軸がずらり。京都の文化を取り入れながら、細部までブルガリ色に染めて…。

普段は見ることができない、ライトアップされて幻想的な園内

「池泉回遊式庭園」である渉成園の中心となる広い園池、印月池(いんげつち)。京都タワーを背景に、ライトアップされている中央の白い建物は、今回のイベントのために特別につくられたガゼボと呼ばれる東屋。

通常は17時までしか開園していない渉成園(※3月~10月期)。今回は夜のイベントに合わせ、美しくライトアップが施され、この日だけの幻想的な光景に。

ライトアップされた傍花閣の前の道に、着物で参加された読者の方の後ろ姿が映えて素敵です。

次々と来場する参加者のみなさん。素敵な着物姿の方も何名か見られました。

カフェスペースでシャンパンやスイーツを

左側がカフェとして今回使用した臨池亭(りんちてい)。右側がレクチャー会場の滴翠軒(てきすいけん)。

「スコーラ ブルガリ」が始まるまでの間は、渉成園の茶室である臨池亭を、カフェにしたスペースでくつろいで。銀座や大阪梅田にある、ブルガリの人気レストランによるスイーツやシャンパンなどを楽しみながら、参加者の方たち同士が旧知の友人のようにうちとけていた様子。

カフェで歓談していた参加者のみなさん。
シャンパンとともにふるまわれた、ブルガリのレストランによるスイーツ

いよいよ「スコーラ ブルガリ」のスタート!

ライトアップされた滴翠軒。この上なく美しいシチュエーション。

カフェでくつろいだ後は、いよいよ書院群の北端にある池に面した滴翠軒(てきすいけん)に集まり、ローマから来日したジュエリークリエイティブ ディレクター、ルチア・シルヴェストリさんによるレクチャーがスタート。

ブルガリのカラーストーンへのこだわり

「ルチアさん自ら、こんなに説明してくださるとは思わなかった」と参加者のみなさまも感激! ブルガリの存在がぐっと身近に!

ブルガリのジュエリーは「ローマからのインスピレーション」と「宝石からのインスピレーション」のふたつから成り立っている、とルチアさん。

プレゼンテーションを見ながらレクチャーはスタート。

ブルガリで35年働いているルチアさんが感じているのは、ジュエリーの元になる質の高い原石を手に入れるのが年々、難しくなっているということ。石を買い付けるときには直接オーナーのところへ赴き、原石としっかり対峙して、石のもつパーソナリティ(個性やエネルギー)をしっかり見抜いた上で選ぶのだそう。

実際にカラーストーンを並べてみて。それぞれの石のもつ色をいかしてデザインを考えるときのサンプル。

ブルガリのジュエリーで際立つのは、新作コレクション「フェスタ」でも多くみられる、色彩豊かなカラーストーンのコンビネーション。ルチアさんがジュエリーをつくるときのルールは、カラーストーンの場合は、まず色の石を組み合わせて、そこからジュエリー全体のデザインへと構築していく。一方、ダイヤモンドを使ったジュエリーの場合は、デザインを先に考えて、ダイヤモンドをあてはめていくという手法。ほかのブランドにはけっしてなしえない、ブルガリならではのカラーストーンを生み出す秘密が垣間見えるエピソードでした。

デザイン画を完成までには、通常約4~5か月かかるという。石にはひとつとして同じ色はないので、さらに描きあげたデザイン画に実際に使用する石を並べてみて、イメージを確認するのだとか。

VRゴーグルを着用してバーチャルでローマのルチアさんのアトリエを探訪。実際にローマに行ったかのような臨場感!

スコーラ(講座)の最後に、明治17年築の書院造の座敷に持ち込まれたのは、VR機器。ローマのルチアさんの働く部屋や、様子を360度でバーチャルリアルに疑似体験。この伝統的なしつらえに、最先端の技術を加味するのも進化し続けるブルガリらしさ。

極上の付け心地をめざす、職人の追求

実際にハイジュエリーを手に取って、そのしなやかさを実感。

そしてブルガリのハイジュエリーのもうひとつのこだわりは、肌にしっとり収まるようなな付け心地や、しっくりフィットする重量感、女性の身体の動きに合わせてしなやかになじむ仕上げへの妥協のなさ。これは、昼夜、シーンを問わずブルガリのジュエリーを身に付けて欲しいという願いから生まれた強烈なポリシー。デザイン画に時間がかかるのは、そんな着用感を実現するためであり、そのために、できるだけ小さく細かいパーツを組み合わせているからだったのです。さらに、そのデザイン画を実際のジュエリーにつくり上げるジュエリー職人も、非常に緻密な作業が要求されます。妥協を許さないがゆえに、ジュエリーをつくるための工具も自分たちでつくる、という徹底ぶりに驚きです。そんな工夫や職人の魂が詰まっているのが、ハイジュエリーの裏側。

見た目のインパクト以外にも、ディテールの美しさ、なめらかな動きにも改めて驚かされました。

「ハイジュエリーというのは、正面から見ると石の美しさが際立ちますが、職人たちの腕の見せ所は、実はジュエリーの裏面にあるのです。裏を見ると職人たちの真の実力を見ることができます」と語るルチアさん。正面から見たときの最高に艶やかな美しさと、裏面へ込められた官能的で肌になじみよい仕上げ。それぞれのこだわりが集結しているのが、ブルガリのハイジュエリーだったのです。

世界にそれぞれ1点しかないハイジュエリーを試着!

ハイジュエリーこそ試着してみることで、いっそう、そのすばらしさを実感できる。

ただでさえ、なかなか目にすることができないハイジュエリー。仮にあったとしても、あまりに高価なもので、気軽に手に触れる機会はほぼ皆無。ところが今回の「スコーラ ブルガリ」では、なんとハイジュエリーに触ったり、試着することができました。「選ばれたパワフルな石のエナジーを感じて欲しい」というルチアさんの言葉に後押しされ、次々にハイジュエリーを手に取った参加者の高揚感で、会は終始ハイテンションに。

ローマから来た約200点のハイジュエリーといよいよご対面

大広間にズラリと並んだ新作のハイジュエリーたち。

レクチャータイムの後は、大広間である閬風亭(ろうふうてい)に移動し、ハイジュエリーの見学会に。ガラスケース越しではなく、目の前にずらりと世界最高峰のハイジュエリーが広がる、あまりにもラグジュアリーな空間。参加者のみなさんは、ジュエリーの説明を聞いたり、手にとったりしながら、この特別な空間を堪能しました。

ハイジュエリーの数々を目の前に、写真を撮ったり話を聞いたり…。
最高の美術品を愉しむかのような時間。美しいジュエリーを前に夜は更けて…。

そしてイベントは終了。暖簾はためく大玄関をくぐり「スコーラ ブルガリ」は大盛況にて幕を閉じました。

大玄関を通って帰途につく参加者のみなさん。あまりにも美しい夢の一夜でした。

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Precious.jp編集部 
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『Precious7月号』小学館、2018年
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MOVIE :
上村進作・成田 凌(MERY)
EDIT&WRITING :
高橋木綿子(Precious)、安念美和子